『誕生』(中島みゆき)
【地声最低音】mid1F(F3)
★m1F[ひ]とりでm2F–m2G[も[わ]たし]は生きられるけm1G[ど]【Aメロ】
★m1G–m2A#[で]も]だ[れ]か[と]ならば
★じんm2A#–m1G[せ[い]は] G–A#[は]る]かに[違]う
★m2A#[だ]れでもA#–m2A[言[わ]れた筈【サビ】
【地声最高音】hiA#(A#4) ※全体で17回
★かぞえm2G[な]が[ら]お[そ]hiA–hiA#[れ[なが]ら【Bメロ】
★耳をすまhiA[て] おA[も]い[出]し[てhiA#[ぇ]【サビ】
★さhiA–hiA#[い[しょ]に聞いたぁ A–hiA#[Wel[come]
【補足】mid2Gなどを含むフレーズ
★めm2F–m2G[ぐ[り]来るG[き]せ]つをかぞえな[が]ら【Aメロ】
★m2F–m2G[に[くみ]な[が]ら[あ]ぁ]) いつかG[あ]い]を知ってゆく【Bメロ】
★m2A#–m2G[Re[member] 生まれたG–F[と]き[ぃ]ぃ]【サビ】
まず、『誕生』についてです。この楽曲は、1992年に女性シンガーソングライターの中島みゆきさんによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては同じ年に発売された『EAST ASIA』に初収録されました。同アルバムには、人気曲『糸』(過去記事)などが収録されております。アルバムは、25万枚を超えるCDヒットを記録し、日本レコード協会よりゴールド認定がなされました。
『誕生』は壮大なスロー曲です。Bメロサビでは伸びやかに中高音が展開され、歌のよさが活きやすいです。また、演奏時間が7分近くある点は、最近のJ-POPと異なる点かもしれません。個人的には歌詞の良さも耳に残りました。作詞作曲は中島みゆきさん、編曲は瀬尾一三さんによりなされました。
『誕生』の音域的な特徴についてです。同曲は大よそ女性の音域の範囲内(女性曲としては低め)のレンジで歌メロが作られています。一般的な音域の女性が原曲キーで歌唱しうる楽曲ですが、人によっては少しキーを上げてもよいかもしれません。
同曲はAメロについては中低音中心、Bメロサビでは中高音が含まれたメロになります。今回は中高音としてはhiA#やhiA等がであり、大よそ女性の音域の範囲内といえます。ただ、J-POPの女性曲としては若干中低音に寄っているため、どちらかと言えば「中低音寄りの声域の女性」の方がマッチしやすいと私は推測しています。ただ、サビは中高音のロングトーンが多いため、その点で注意が必要です。逆に「高音域が得意な女性」については少しキーを上げてもよいと思います。
男性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを下げた方が歌いやすいといえます。一つの目安ですが、原曲キーから2~3つ程度下げてみてください。今回は最高音がhiA#程度であり、中島みゆきさんも声も張った力強い歌唱をされています。そのため、「高音域が非常に得意な男性」だと原曲キーがマッチする可能性もあります。その辺りは実際に歌唱して微調整を加えてください。
最後に『誕生』の音域についてですが、【地声最低音】mid1F(F3)~【地声最高音】hiA#(A#4)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域の範囲内(J-POPの女性曲としては低め~やや低めか)で歌メロが作られています。。以下、見ていきます。
まず、地声最低音mid1FはAメロで登場します。このmid1Fは女性の音域の範囲内ですが、人によってはそれなりに低音感があります。今回はmid1G~mid2A#辺りが連続するため、低音域が得意でない場合は少しキーを上げてもよいと思います。
次に、地声最高音hiA#はBメロやサビで登場します。登場回数は17回程度です。このhiA#に次ぐ地声高音としてはhiAがピークとなる場面が全体で16回程度登場します。こうした点を考慮すると、大よそ女性の音域の範囲内でだと言えます。J-POPの女性曲としてはやや高音が控えめであるため、標準より低め~やや低めの女性なども原キーがマッチする可能性もあります。ただ、hiA~hiA#辺りは慣れていないとスムーズな発声が損なわれやすいです。比較的克服しやすい音階ではありますが、高音は伸びやかであるため、しっかり歌い慣れておく必要はあります。
『誕生』は女性曲としてはやや中低音に寄っているため、キー上げがしやすい曲です。歌い慣れた人であれば、ある程度自分が得意とするレンジに調整することができそうです。ただ、今回は音域がそこまで狭くないため、ビギナーなどは一部スムーズに行かない部分が出てくるかもしれません。スロー曲であるという点も、歌い慣れた人向けだと私は推測しています。
今回の楽曲はメロディー自体は比較的わかりやすいです。ただ、スローな曲であるため、しっかり歌いこなすには力量が求められます。そのため、ビギナーなどは若干テンポを上げて練習してもよいかもしれません。Bメロサビは伸びやかであり、歌のよさが活きやすい曲です。
『誕生』を原曲キーで歌唱する場合、mid2G~hiA#といった中高音域がしっかり歌いこなせることが求められます。今回はサビやBメロでhiA~hiA#等がよく見られます。ロングトーンも含まれますが、女性曲としてはやや高音が控えめです。Aメロについてはmid1G辺りがかなり多く、それなりに低音感があります。
こうした点を考慮すると、「標準より低め~標準的な音域の女性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。「標準より高め~高音域が得意な女性」が原キーで歌うのもよいと思いますが、少し歌いにくいと感じた時は少しキーを上げるのもよいと思います。
また、限定的ではありますが、「高音域が非常に得意な男性」なども原キーがマッチする可能性があると私は推測しています。
【まとめ】
①J-POPの女性曲としてはやや中低音寄り(音域は狭くない)
②原キーだと「標準より低め~標準的な音域の女性」などに合いそう
③男性だと「高音域が非常に得意な男性」にも合う可能性がある
④メロがよく、サビは伸びやか。歌のよさが活きやすい
⑤スロー曲であるため、慣れないうちは少しテンポを上げてもよいかも