『エイリアンエイリアン』(ナユタン星人)の音域

　こんにちは。今回はナユタン星人の『エイリアンエイリアン』(2016)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。


『エイリアンエイリアン』(ナユタン星人)









【地声最低音】mid2D(D4)　

★hiB[点灯と]消灯を 繰[りか]えしm2D[て]い2D[る]蛍光灯【2番Aメロ】
★hiB[し]ずかm2D[にあ]なた[を]むしばん[だ]


【最高音】hihiC(C6)　※ラストサビで２回

★hiG[た]か鳴る気持ちが抑hihiA–hihiC[えら[れ][ない]【ラストサビ[転調₊1]】
★hiG[あ]なた[は未G#[確]に]ん[生hihiB–hihiC[命[体]


【補足】その他の中高音を含むフレーズ

★ゆれるがいとhiF#[う] しhiE[の]つ[くF#[あ]め振れる 感情【Aメロ】
★hiF#[か]ん[か]く[のhihiA[テ]レ]パ[ス]
★ココhiD–hiE[ロ[は] [こ]い[をhihiA–F#–E[知]り]ま]し]た
★エイリアン hiF#–E[わたし]エイ]リ[アF#[ン]【サビ】
★ときhiF#[め]くここ[ろ]に[は] hiG–F#–hihiA#[と]ど[か]ない]【ラストサビ転調前】
★エイリアンhiG–F[ふたりは]エイ]リ[アG[ン]【ラストサビ[転調₊1]】
★いせhiG–F[か]い]の[果G[て]まG[で]) hiG#–G[あ]な[た]が]) 好き

　まず、『エイリアンエイリアン』についてです。この楽曲は、２０１６年にボカロPのナユタン星人によりリリースされました。元々は２０１５年の同人コンピレーションアルバム『百鬼夜行』に収録されていました。ナユタン星人さんの作品としては特に人気の高い1曲であり、ニコニコ動画で８００万回超、YouTube公式チャンネルでも１０００万回を越せる再生回数を記録している人気曲です。

　『エイリアンエイリアン』はアップテンポのバンド曲です。全体的に中毒性がある作品でありながらも、歌メロの良さが光る楽曲となっています。歌詞については、宇宙がモチーフとなったラブソングであり、この辺りもナユタン星人っぽさがあります。ラストサビでは転調し、キーが１つ上がります。


　『エイリアンエイリアン』の音域的な特徴についてです。同曲は、女性の音域としては極めて高いレンジで歌メロが作られています。低音域に余地があるため、一般的にはキーを下げた方が歌いやすいです。
　同曲は女性の音域としてはかなり高く、「高音域が非常に得意な女性」などでも歌いにくい部分が出てくる楽曲です。そのため、通常はキーを下げた方が歌いやすいといえます。ただ、今回はキーを下げるよりも「キーを３～５つ程度上げて１オクターブ下のレンジを歌唱する」のがよいのではないかと思います（可能ならば「キーを７～９つ下げる」でもよい）。女性にとっては原キーだとかなりキー調整がしにくい曲です。
　同曲はプロジェクトセカイでカバーされており、原キーより９つ低いキー（もしくは３つ高いキーの１オクターブ下）で歌唱されています（mid1F～hiD#に調整されます）。この辺りが女性が歌う場合の1つの目安になると思います。

　ちなみに男性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを下げた方が歌いやすいといえます。男性の場合は、「原曲よりも1オクターブの下の音域で歌唱する」ことが可能であり、Eveさんやそらる×天月が歌ってみたなどでもそのレンジで歌唱されています（mid1D(D3)～hiC(C5)の声域）。ただ、このレンジで合う人は標準よりも高い声域の男性ですので、一般的な男性は少しキーを下げた方がよいと思います。男性の方がキー調整しやすい曲です。



　最後に『エイリアンエイリアン』の音域についてですが、【地声最低音】mid2D(D4)～【最高音】hihiC(C6)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域と比べ、極めて高いです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid2Dは2番Aメロで登場します。この辺りは女性の音域の範囲内です。ただ、女性曲としては低音が高いです。ちなみに、2番Aメロを除くと、hiAが最低音となり、こうした点でもかなりキーが高い曲であることが分かります。

　次に、最高音hihiCはラストサビで登場します。この辺りは女性の音域としてはかなり高いです。私なりの印象ですが、今回は地声最高音としてはhiGくらいが要求され、女性の音域としては極めて高いといえます。一般的な女性はキーを下げた方が歌いやすいといえます。先述のように、原キーから３～５つ程度上げて、1オクターブ下のレンジを歌唱してみてください。


　『エイリアンエイリアン』は低音域に余地があり、キー調整は可能です。歌い慣れた人であれば、ある程度自分が得意とするレンジに調整することができそうです。ただ、今回の楽曲は、女性曲としては極めて高い曲であり、一般的な女性が歌いやすくキーに調整するのに手間がかかります。その点がハードルになりやすい曲かもしれません（どちらかといえば男性の方がキー調整が簡単）。
　同曲はメロディー自体は比較的わかりやすく、リズムなども取りやすそうです。音域がマッチするのであれば練習曲に向きやすい楽曲です。ただ、若干息継ぎの余裕が持ちにくい場面がありますので、その点は注意が必要です。音域以外であれば、ボカロ曲の中では取っ付きやすい部類です。

　『エイリアンエイリアン』を原曲キーで歌唱する場合、hiF～hihiCといった中高音域がしっかり歌いこなせることが求められます。今回は要所で裏声を使うことも可能ですが、それでも女性の音域としては極めて高い声域です。
　こうした点を考慮すると、「高音域が非常に得意な女性」などが原曲キーに合う可能性があると私は判断しました。ただ、一般的には極め高いレンジですので、原キーで歌える人が限定される曲です。

【まとめ】

①女性曲としては極めた高い曲
②「高音域が非常に得意な女性」が原キーに合う可能性がある
③一般的な女性は「キーを3~4つ程度上げ、1オクターブ下で歌う」と合いやすい
④音域が合うのであれば練習曲やカラオケにおススメ
⑤ボカロ曲の中では歌いやすい