カテゴリー

『恋しさと せつなさと 心強さと』(篠原涼子)の音域

 こんにちは。今回は篠原涼子さんの『恋しさと せつなさと 心強さと』(1994)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回は自選曲です。最近1990年代の楽曲のリクエストが増えているので、自選曲として調べてみました。


『恋しさとせつなさと心強さと』(篠原涼子)
『恋しさとせつなさと心強さと』(篠原涼子)の音域








【地声最低音】mid2B(B3) 

★出来m2F#[な]m2B[て] あこ[がm2G#[れ]て] でも少しずつ【Bメロ】


【地声最高音】hiD(D5) ※全体で12回程度

★恋しhiAhiB[さ[と][つBChiD[な[さ[と]【サビ】
hiChiD^-B[こ[こ]ろ]づ]hiC[さ]と]


【補足】mid2G#hiBを含むフレーズ一覧

hiAhiB[いつも[か]んじ]ている [あ]なたへと[向っB[て]【サビ】
hiAm2G#[遠]い] 空をA[あ]の]日眺めていた【Aメロ】
★やりかけの青春も m2F#[経験も] m2G#[そのまま]で]
★理解ってm2G#[き]た 戦うhiA[こ]と]【Bメロ】

 まず、『恋しさと せつなさと 心強さと』(いとしさと せつなさと こころづよさと)についてです。この楽曲は、1994年に女性歌手の篠原涼子さんによりリリースされたシングル作品です(名義は【篠原涼子 with t.komuro】)。アルバムとしては、翌年にリリースされた『Lady Generation 〜淑女の世代〜』に初収録されました。同アルバムには、『Lady Generation』、『もっと もっと…』などのシングルが収められております。アルバムは、50万枚以上のCDセールスを記録し、日本レコード協会よりダブル・プラチナ認定がなされました。

 『恋しさと せつなさと 心強さと』は、アニメ映画『ストリートファイターII MOVIE』の主題歌として書き下ろされました。映画のヒットに伴い、楽曲のクオリティにも注目が集まり、ロングヒットを記録。最終的には、200万枚を超える爆発的なCDヒットを記録しました。
 同曲は、頭サビで歌メロが始まり、AメロBメロサビと展開します。歌メロは全体的に親しみやすいですが、サビ⇒Aメロ、Bメロ⇒サビの場面で同主調転調しております(今回はEm⇔E)。作詞作曲編曲は小室哲哉さんによりなされました。小室さんは、90年代に多くのミュージシャンをプロデュースし、社会現象を巻き起こしましたが、篠原さんのソロ作品や、篠原さんが当時所属していたアイドルグループ・東京パフォーマンスドールにも楽曲提供を行っておりました。


 『恋しさと せつなさと 心強さと』の音域的な特徴についてです。同曲は女性の音域としてはやや高め~高めのレンジで歌メロが作られています。低音域に余地があるため、一般的には少しキーを下げて歌うのもよいと思います。
 今回の楽曲は中低音中心のABメロと、中高音域が連続するサビから構成されます。サビではhiC~hiDが含まれており、地声感のある歌唱をするとそれなりに高音感があります。今回は最低音がmid2B高い低音域が高いですが、ABメロはそこまで中高音が多くないため、最高音hiDの楽曲としてはやや歌いやすいのではないかと私は想定しています(頭サビと1番サビの後には間奏が挟まれる)。
 今回の楽曲は地声感の高音が多く使われますが、私個人としては、hiC~hiD辺りを上手く裏声を使いこなすような歌い方でも合うのではないかと分析しています。最近のJ-POPは裏声と地声を使い分ける傾向にあります。そうした歌い方が得意な人は、裏声を上手く組み込むことも選択肢に入れてみてください。

 男性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから6つ程度下げてみてください。「高音域が非常に得意な男性」についてもいくらかキーを下げた方が歌いやすいと思います。



 最後に『恋しさと せつなさと 心強さと』の音域についてですが、【地声最低音】mid2B(B3)~【地声最高音】hiD(D5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域と比べ、やや高めです。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid2BはBメロで登場します。この辺りは女性の音域の範囲内です。ただ、女性曲としては若干低音が高いため、「標準より低め~やや低めの音域の女性」などは少し合いにくいかもしれません。

 次に、地声最高音hiDはサビで計12回登場します。このhiDに次ぐ地声高音としてはhiCがピークとなる場面が全体で6回、 hiBが計18回登場します。ただ、今回は①ABメロはそこまで高くないこと、②サビの直後に間奏が挟まれることなどを考慮すると、女性の音域としては「やや高め」くらいではないかと私は分析しました。一つの目安ですが、原曲キーから1~2つ程度下げてみてください。


 『恋しさと せつなさと 心強さと』は低音域に余地があるため、キー下げは可能です。歌い慣れた人であればある程度自分が得意とするレンジに調整することができそうです。今回はビギナー向けの調整もある程度可能だと思いますが、人によっては一部歌いにくい部分が出てくるかもしません。
 今回の楽曲はメロディー自体は比較的わかりやすく、リズムなども取りやすそうです。音域がマッチするのであれば練習曲やカラオケなどにもよいと思います。ただ、先述のようにBメロ⇒サビ、サビ⇒Aメロの部分で転調がなされるため、音程を取るのが苦手な人は注意したいです。

 『恋しさと せつなさと 心強さと』を原曲キーで歌唱する場合、mid2G#~hiDといった中高音域がしっかり歌いこなせることが求められます。hiB~hiDはサビを中心に登場します。一方、ABメロは中低音中心ですが、要所でmid2G#~hiA等が含まれています。低音はmid2Bとやや高く、全体的にやや中高音寄りの曲です。ただ、サビの直後は必ず間奏が挟まれるため、その点で少しゆとりを持ちやすいと思います。
 こうした点を考慮すると、「標準より(やや)高め~高音域が得意な女性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。

【まとめ】

①サビに中高音が集中する。ABメロも滅茶苦茶には低くない
②サビの直後には間奏が挟まれるため、少しゆとりを持ちやすい
③原キーだと「標準より(やや)高め~高音域が得意な女性」に合いそう
④音域が合うのであれば、練習曲やカラオケ向き
⑤要所で転調がされるため、音程を取るのが苦手な人は注意(比較的克服しやすい)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする