『アンインストール』(石川智晶)の音域

★振hiA#[る]hiC[舞うしか]hiC#[な]A#[い] アンインストール

　まず、石川智晶（いしかわちあき）さんについて少し説明します。石川智晶さんは、1990年代から活躍する女性シンガーソングライターです。高校時代より6人組ガールズバンドのボーカルとして活躍されており、その中のメンバー数名でSee-Saw（シーソー）という音楽ユニットを結成、メジャーデビューしました。See-Sawには現在音楽プロデューサーとしても活躍されている梶浦由記さんがキーボードとして所属しております。
　See-Sawが2006年に活動休止すると、石川智晶さんは歌手としてソロ活動を開始しました。ユニット時代からアニメ作品の主題歌との縁が深く、とりわけガンダムシリーズの主題歌を多く担当しております。また、声優やアニソン歌手などに楽曲提供も盛んに行っております。

　近年、テレビアニメ『鬼滅の刃』が記録的なヒットを飛ばしました。同アニメの劇中音楽は、先にも挙げた音楽ユニットの相方である梶浦由記さんが担当されております。その中で、石川智晶さんは劇中音楽のボーカルを担当しております。ボーカルといっても歌詞があるわけではないのですが、その独特の発声や声質が『鬼滅の刃』の陰影ある世界観を作り上げております。

　さて、『アンインストール』についてです。この楽曲は、2007年に女性シンガーソングライターの石川智晶さんによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、『僕はまだ何も知らない。』に収録されております。
　『アンインストール』は、鬼頭莫宏さんの同名漫画を原作としたアニメ『ぼくらの』のために書き下ろされたものであり、オープニングテーマとして起用され、話題になります。2019年にソニーミュージックが企画した「平成アニソン大賞」において、作詞賞を受賞しました。石川さんの楽曲の中でも人気の高い作品の1つと言えます。

　『アンインストール』はミディアム～アップテンポのバンドナンバーです。イントロの【おおおええああええお】といったボーカルがおどろおどろしく、不気味さが演出されており、耳に残ります。タイアップとなったアニメは、死や生命の意味などが描かれており、そうした世界観とも合いやすいのではないかと思います。このイントロのな発声は、『鬼滅の刃』の劇中音楽などにも生かされております。
　歌メロについては、Aメロ[Bメロ]サビといった形で作られており、比較的シンプルです。作詞作曲は石川さん、アレンジは西田マサラさんによりなされております。西田マサラさんはアニメの劇中音楽やその主題歌などのアレンジなどを担当されており、石川さんの作品とも縁が深いです。

　最後に『アンインストール』の音域についてですが、【地声最低音】mid1F(F3)～【地声最高音】hiD#(D#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域よりも高めです。以下、見てきます。

　まず、地声最低音mid1Fについてです。上述しておりますが、この楽曲は、Aメロで低めの音が連続的に登場します。低音域がしっかり歌いこなせているかが試されます。低音より高音が得意な方は、キーを上げてもよいかもしれません。

　一方、地声最高音hiD#はサビで1回ずつ登場します。この辺りは一般的な女性の声域よりも高めになります。裏声が可能な方は、hiD#辺りをファルセットにしてもよいかもです。
　この最高音hiD#を除くと、hiC#,hiC辺りがしっかり歌いこなせているかが試されます。この辺りは一般的の女性の音域の範囲内なのですが、原曲のように滑らかに歌いこなすのは練習が必要になります。

　『アンインストール』は音域自体が広めであり、キー下げの余地も少ないです。低音域が得意な方などはキーを下げても大丈夫だと思いますが、全体としてキー下げの融通は利きにくいです。そうしたこともあり、普段歌い慣れていない人には若干手を付けづらいかもしれません。

　『アンインストール』はキー下げなどが行いにくく、ビギナーなどにはチャレンジしにくいですが、最高音hiD#辺りを裏声で歌唱することが出来れば、歌い慣れた女性はアプローチしやすいのではないかと私は分析しました。石川さんの発声や抑揚の付け方など学びも多いと思います。興味を持たれた方は、『アンインストール』のみならず、他の作品も視聴してみてください。