なお、今回の楽曲のAメロは、歌メロがオクターブ違いで重ねられております。したがって、例えばmid1Aの部分をmid2Aで歌ったりすることも可能です。よって、これから紹介する音域は1つの目安としてください(ただ、地声最高音に関してはソロでしっかり強調されております)。各々、実際に歌唱して、合いやすいレンジを見つけるのもよいと思います。
ちなみに、地声最低音は厳密にいうと、【「まぁ良いから全部聞き流して下さいどうか」】の部分になるのですが、ここはセリフパートですので、あまり音程にこだわる必要がないと思います。よって、今回の調査では除外しております。このフレーズを含めると、lowE(もしくはmid1E)になります。
『なにやってもうまくいかない』(meiyo)、Nani Yattemo Umaku Ikanai(meiyo)
【地声最低音】mid1A(A2)
★ほm1B[ら] m1A[見][て スゴイ][で]しょう! B–A[が[発]端に[な]り]【Aメロ】
★インスm1B{パイ]m1A[ア オ]マーB–A[ジュ[が飛[びか[う]フィールドB[で]
※1オクターブ上でmid2A辺りを低音としてもよい。
【地声最高音】hiA(A4) ※曲全体で1回
★なにやってもうまくいかない 愛して、m2G[愛]hiA[さ]m2F#[ない]m2E[で]【ラストサビ】
【裏声最高音】hiB(B4) ※サビで頻出
※1オクターブ下を歌唱してもよい
★なにhiB[やっ]m2F#[てもう]まくいか[ない]【サビ】
※1オクターブ下を歌唱してもよい
【補足】mid2E(一部略)~mid2Gを含むフレーズ一覧
★m2E[脳内じゃ戦争だもん]ね、[突っ立ってたっ]て【サビ】
★なにやってもうまくいかない 愛して、m2G[愛し]m2F#[て]
★おこちゃまが 評価さm2F#[れ]てんだ どうF#[か]してるよな【Aメロ】
まず、meiyo(メイヨー)さんについて少し説明します。meiyoさんは2009年より活動する男性シンガーソングライターです。元々は、シガテラというバンドのドラムスとして活躍されておりました。また、バンド活動の合間を縫って、自身の楽曲をネット上にアップしたりしていたようです。
2015年にはバンドの活動休止に伴い、「ワタナベタカシ」という名義でソロとして活動を開始します(2018年にmeiyoに改名)。meiyoさんに大きな注目が集まったのは2021年の『なにやってもうまくいかない』のリリースです。同曲がTik Tokなどで大きくバズり、一躍人気アーティストとして飛躍しました。
meiyoさんの音楽的ジャンルとしては、テクノ、ニューウェイブ、エレクトロニカ、ロックなどに分類されます。昔のテレビゲームであるファミコンのサウンドに代表されるチップチューンのようなニュアンスも見られます。サカナクションやYMO、電気グルーヴ、Perfumeなどが好きな方は合いやすいかもしれません。私自身も、『KonichiwaTempraSushiNatto』、『うろちょろ』、最新作でバンド感の強い『クエスチョン』など非常に耳に残りました。今後の活躍が益々期待される男性シンガーソングライターといえます。
さて、『なにやってもうまくいかない』についてです。この楽曲は、2021年に男性シンガーソングライターのmeiyoさんによりリリースされたシングル作品です。2021年7月、TikTokへの投稿をきっかけに大きなヒットを記録しました。meiyoという存在を世に知らしめた作品といってよいと思います。同年9月にはメジャーデビューも実現しました。
『なにやってもうまくいかない』はミドルテンポのポップナンバーです。全体としてベースや打ち込みが目立つアレンジとなっております。Tik Tokでバズったということもあり、キャッチーであり、また中毒性が強いです。また、歌詞カードなどを見るとわかりますが、冒頭では4つの歌詞が1つのフレーズで重ねられており、非常に特徴的です。ちなみに、同曲では、ベースギターでサカナクションの草刈愛美さんが参加されております。
『なにやってもうまくいかない』の歌詞についてです。同曲の歌詞は、meiyoさんが「何としてもバズらなければならない」といったプレッシャーに押しつぶされそうになり、その中で生まれてきた弱音を歌詞にしたそうです。楽曲の持つ中毒性と、リスナーの共感できる歌詞というものがリンクして、大きなヒットにつながったといえるかもしれません。
『なにやってもうまくいかない』の声域的な特徴についてです。おおよその目安ですが、同曲は男性の声域としてはやや高めに作られております。一般的には少しキーを下げた方が歌いやすいと思います。
先述しておりますが、この楽曲のAメロについては、同じメロディーがオクターブ違いで重ねられております。したがって、それぞれの得意な音域によって最低音mid1A~最高音mid2A、最低音mid2A~最高音hiAのように歌うことも可能です。ある程度高音域が得意な男性や女性は、Aメロでmid2A~hiA(もしくはhiB)のレンジで歌うと合いやすいと思います。
最後に『なにやってもうまくいかない』の音域についてですが、【地声最低音】mid1A(A2)~【地声最高音】hiA(A4)、【裏声最高音】hiB(B4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域よりもやや高めです。以下、見ていきます。
まず、地声最低音mid1AはAメロで多く登場します。この辺りは一般的な男性としてはやや低めのレンジになります。ただ、通常の男性は1オクターブ上のmid2Aを最低音とするメロディーと比べると、このmid1Aを含む高さの方が歌いやすいのではないかと思い、こちらを最低音としました。
先にも述べたように、hiAなどが上手く発声できるな男性、もしくは女性はAメロを1オクターブ上げて歌ってもよいと思います(通常、女性はこちらの旋律になると思います)。その場合、地声最低音がmid2Aとなります。
一方、地声最高音hiAはラストのサビで登場します。この辺りは一般的な男性の声域よりも高めになります。ただ、登場回数が1回で多くないですので、歌い慣れた人などは原曲キーで頑張ってみるのもよいかもしれません。一つの目安ですが、キーを下げる場合は、原曲キーから1~2つ程度下げてみてください。
『なにやってもうまくいかない』はAメロでボーカルが重ねられており、どのキーを歌うかで最低音も変わってきます。①最低音mid1Aを含む旋律でAメロ歌唱する場合は、キーを下げる余地は多くはなく、キー下げなどは行いにくいと言えます。一方、②Aメロをmid2Aを最低音として歌唱すると、キーを下げる余地は大きく広がります。ただ、②のレンジだと一般的な男性には少し高いかもしません。各々、実際に歌唱してみて、歌いやすいレンジを特定してください。
『なにやってもうまくいかない』を原曲キーで歌唱する場合、高音域についてはmid2F#~hiA辺りがしっかり歌いこなせることが理想的になります。よって、ある程度高音域が得意な男性などは合いやすいです。おおよその目安ですが、Mr.Childrenやback number、マカロニえんぴつ辺りと近いレンジといえます(当該バンドなどより若干低いかもですが)。また、Aメロで1オクターブ上を歌唱する場合(上記②)は、スピッツ、ポルノグラフィティ、THE ORAL CIGARETTES、フレデリック辺りと近似します。
ちなみに、女性は②で原曲キー歌唱をするのもよいですが、キーを少し上げた方が歌いやすいのではないかと思います。
『なにやってもうまくいかない』はメロやサウンドなどが中毒的であり、どこか可愛らしさもある作品です。上手くキーが調整できれば、カラオケなどでも歌いやすいと思います。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。