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『クリスマス・イブ』( 山下達郎 ) の 音域

こんにちは。今回は山下達郎さんの『クリスマス・イブ』(1983)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。
 なお、同曲はアーティストおよびレーベルの公式チャンネルでMVが公開されておりません。ただ、2014年に公開された映画のテーマ曲としてPVムービーが公開されていますので、そちらの動画を添付いたします。


『クリスマス・イブ』(山下達郎)
『クリスマス・イブ』(山下達郎)







【地声最低音】mid1E(E3) 

m2C#[雨は夜更][過]ぎに 雪へと変[わ]るだろう]m1G#【Aメロ】
m1F#F[叶[え]ら]れそF#[うもな][ぁ[い]m1E【Bメロ】


【地声最高音】mid2G#(G#4) ※全体で3回程度

★心ふm2G#m2F#[か]く] 秘めたおm2E[も]【Bメロ】
★(まだ消え残る) m2G#m2E[君へ]の][も]


【補足】mid2EhiAを含むフレーズ一覧

m2C#[Silent ni]ght, [Holy ni]ght【Aメロ】
★Silent night, m2E{oh] oh oh  Holy night【2回目Aメロ】
★Silent night, m2F#[oh] hiA[oh] [oh] yeah Holy night【Aメロ[2:55過ぎ]】

※hiAはフェイクのため最高音には含めませんでした(歌詞表記もない)

 まず、『クリスマス・イブ』についてです。この楽曲は、1983年に男性シンガーソングライターの山下達郎さんによりリリースされたシングル作品です。同じ年にリリースされたアルバム『MELODIES』に収録されていた楽曲ですが、後にシングルカットされました。アルバム『MELODIES』はシングル『高気圧ガール』、ベストアルバムにも収録された楽曲『悲しみのJODY (She Was Crying) 』などが収められております。アルバムは、リマスター盤CDなども含め、約40万枚の売上を記録しました。

 さて、『クリスマスイブ』は元々はアルバム曲でしたが、好評ということもあり、後にシングルカットされます。1980年代末にJR東海のCM曲に抜擢されて以降、クリスマスの時期に売り上げが大きく伸びるようになります。そうした傾向は、2020年代でも続いており、2023年現在200万枚近いCDヒットとなっております。人気曲の多い山下さんですが、その中でも特に売り上げが高く、広く知られた楽曲の1つだと思います。


 『クリスマス・イブ』はミドルテンポのバンド曲です。バロック音楽などでよく用いられているコード進行が用いられております。歌メロについては、AメロとBメロからなり、シンプルです。テレビやCMなどではAメロの部分が多く流れており、誰しも一度は聴いたことがあるのではないかと思います(12月には特に多く流れます)。作詞作曲編曲は山下達郎さんによりなされました。

 『クリスマス・イブ』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域の範囲内、もしくはやや高めのレンジで歌メロが作られております。原曲キーが合う人も多いかもしれませんが、場合によっては少しキーを下げるのもよいと思います。
 同曲は全体的に中高音寄りの楽曲ですが、mid2E以上が登場する場面はそこまで多くありません。中音域としてはmid2C#辺りが多く見られます。そのため、しっかりと歌い慣れていれば、標準的な音域の男性も原キーがマッチする可能性があります(「標準より(やや)高め」位の方が余裕は持ちやすいかもです)。

 ちなみに、女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。過去に同曲をカバーした女性歌手を確認してみると、原曲キー+5~6で歌唱されることが多いので、この辺りが1つの目安になると思います。



 最後に『クリスマス・イブ』の音域についてですが、【地声最低音】mid1E(E3)~【地声最高音】mid2G#(G#4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域の範囲内、もしくはやや高めです。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1EはBメロで登場します。この場面はmid1F#やmid1Fが多く登場する場面です。一般的な音域の男性であれば、そこまで問題にはならないと思いますが、人によっては見た目より低く感じられるのではないかと思います。「高音域が非常に得意な男性」などはキーを上げてもよいかもしれません。

 次に、地声最高音mid2G#はBメロで登場します。登場回数は3回程度です。このmid2G#辺りは男性の音域としてはやや高いです。そのため、人によってはキーを下げるのもよいと思います。一つの目安ですが、原曲キーから1~2つ程度下げてみてください。反面、原曲キーでも歌えるという人も多いと思います。


 『クリスマス・イブ』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。今回の楽曲は音域が滅茶苦茶に広いわけではないので、ビギナー向けの調整も可能なのではないかと思います。ただ、キー調整をしたからといって、すぐに山下さんのような歌唱ができるわけではないので、弛まぬ練習を重ねてください。今回は大よそ一般的な男性の音域なので、山下さんの息遣いや抑揚などの表現も参考になるのではないかと思います。メロディー自体も分かりやすく、練習曲には向きやすいです。

 『クリスマス・イブ』を原曲キーで歌唱する場合、mid2C#~mid2G#といった中高音域をしっかり歌いこなせることが求められます。全体でみるとmid2C#辺りが多く、要所でmid2E~mid2G#などが登場します。低音は一部を除くと意外と高いです。
 こうしたことを踏まえると、「標準(orやや高め)~高音域が得意な男性」などが原曲キーにマッチしやすいと私は判断しました。「高音域が非常に得意な男性」などはキーを上げるのもよいと思います。


【まとめ】

①全体的に中音域が多い(mid2E以上は一部に限られる)
②原キーだと「標準(orやや高め)~高音域が得意な男性」などに合いそう
③メロは分かりやすく、キー調整もしやすい(練習曲にはおススメ)
④とはいえ、しっかりした練習は必要

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