『WHOO WHOO WHOO』(Mrs. GREEN APPLE)の音域

　まず、『WHOO WHOO WHOO』（フー・フー・フー）についてです。この楽曲は、2017年にロックバンドMrs. GREEN APPLEによりリリースされたシングル作品です。配信限定のシングルであり、2018年のアルバム『ENSEMBLE』に初収録されました。同アルバムには、『Love me, Love you』(過去記事)、『WanteD! WanteD!』(過去記事)、『どこかで日は昇る』(過去記事)といったシングル曲が収められております。

　さて、『WHOO WHOO WHOO』は元々ライブで演奏されている未発表曲でしたが、評判が良く、シングル化されるという運びになりました。そうしたこともあってか、ダンサブルなEDMとバンドが融合されたサウンドアレンジになっております。また、歌メロ等は比較的シンプルであり、歌詞も英語を中心に書かれております。メロはJ-POPにあるようなAメロBメロサビといった構成にはなっておらず、AメロBメロ+大サビのようなアレンジとなっております。


　『WHOO WHOO WHOO』の音域的な特徴についてです。同曲は、男性曲としては高めのレンジで歌メロが作られております（地声レンジについて）。そのため、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。低音域には余地が多く、キーを下げはしやすいです。
　同曲の特徴的な点の1つは、大サビで際立つ「フェイク」の部分であり、一番高いところでhihiBに達します。こうしたhihiに達するような音域は、しっかり訓練されている必要があり、長いスパンで練習に取り組む必要があります。また、今回はhihiA,hiGなどとのコンボで登場しますので、その点でも難易度が高いです。まず初めにhiGやhihiA（もしくはもっと低い音）などを1音1音単体で練習した方がよいと私は考えました。また、ミセスのヘッドボイスが多用された楽曲なども練習曲にはよいと思います。



　最後に『WHOO WHOO WHOO』の音域についてですが、【地声最低音】mid1G(G3)～【地声最高音】hiB(B4)、【裏声最高音】hihiB(B4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ高い（裏声は極めて高い）です。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1Gについては、AメロやBメロで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内です。ただ、mid1Gが最低音となる男性曲は、ほぼほぼ「男性曲としてはキーが高く」なります。今回は歌メロ自体がそこまで多くないですが、それでも一般的には高いレンジになります。
　一方、最低音が高い分、女性が原曲キーで歌唱することも一応可能です。地声レンジだけを見ると、一般的な女性は少しキーを上げるのもよいと思います。ただ、女性であってもhihiBなどを歌いこなすのは練習が求められますので、その点は留意しておいてください。

　つぎに、地声最高音hiBはCメロ（大サビ）で登場します。場面としては多くないですが、登場回数は4回程度です。この辺りは男性の音域としては高く、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから３つ程度下げてみてください（これでも裏声は高いです）。


　『WHOO WHOO WHOO』は低音域に余裕が多く、キー下げはしやすいです。そのため、歌い慣れた人であれば、得意レンジに調整することは可能です。ただ、先述のように、裏声のレンジが広いので、その点での器用な発声はやはり必要不可欠になります。また、原曲のような表現に近づけるには、ある程度高いキーの方がよいです。

　『WHOO WHOO WHOO』を原曲キーで歌唱する場合、mid2G～hiB辺りを地声でしっかり歌いこなせる力が求められます。その点で、「高音域が得意な男性」が原曲キーに合いやすいといえます。また、訓練された裏声発声というのはやはり不可欠になります。この点は、ミセスの作品では多かれ少なかれ求められる要素だと思います。


　『WHOO WHOO WHOO』はダンサブルな作品であり、ライブなどで出会うと非常に楽しい曲ではないかと思います。また、非常に高い音階が登場するため、高音域が好きな方などは挑戦してみたくなる要素でもあると思います。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。


　※当ブログがこれまでに取り上げたミセスの作品については、以下をご参照ください。『Mrs. GREEN APPLE』の音域一覧(まとめ)。