『蜘蛛の糸』(長澤知之)、Kumo no Ito(Tomoyuki Nagasawa)
【地声最低音】mid1G#(G#3)
★「m1G#–m2A[見[つ]かるといい1G#[ね」とこう]見m2F#–m2G#[守るよ[う]に【Aメロ】
【地声最高音】hiA(A4) ※全体で11回程度
★そm2F#-hiA–m2G#[の[す]べ][て]に出会いたいバクテリア【Aメロ】
★かけhiA–m2G#–m2F#[ら]だ]け]でも欲しいな G#–hiA[かけ[ら]だ][け]でも欲しいな【Cメロ】
★m2G#–hiA[やぶ[れそう]なゆ]めに怯[えつ]つ【サビ】
★(格差社会の末端で 窓の外をふと見ると虹) hiA[虹]【Eメロ】
★hiA–m2G#–m2F#[欠片]だ]け]でも欲しいな【2番Cメロ】
★どこm2F#–m2G#[ぉ[だ]っ]て行hiA[こう]
【裏声最高音】hiB(B4) ※サビで登場
★そm2G#–hiB裏[れ[でも]願]う そ[れB[でも]祈]る でm2G[も]ぉ浮かばG#[ない]【サビ】
【補足】mid2F#~mid2G#を含むフレーズ一覧
★ジグモ君 天m2F#[井をパトロー]ル[ちゅ[う]m2G#何かm2E[を]さ[が]し[て]右往左往【Aメロ】
★このm2E[星からすれば]m2F#–m2G#[て[ん]でしか[ない]【Bメロ】
★m2E[生活範]囲をm2F#[う]ろう]ろ[し]
★うm2F#–m2G[ちゅう[の]さ]きを望んでる
★母なる海なら m2F#–m2G#[ち[ち]なる空か
★目で追いきれない膨大なm2F#[い]ま あるかも知らない果てなき[無]
★(そうすれば)なm2F#–m2G#[ん[だ]っ]て来いさ な[ん[だ]っ]て来い【Cメロ】
★m2G#–m2F#[ああベイベー ]ベイベー] 今日も会え[ずじ]まい【サビ】
★ニュースは相変わらず大変m2F#[そう] 「資本m2G#[主][義]の限界[です]」【Eメロ】
まず、長澤知之(ながさわともゆき)さんについて簡単に説明します。長澤知之さんは2006年にメジャーデビューした男性シンガーソングライターです。これまで継続的にシングル・アルバムを制作し、発表し続けてきました。
また、ロックバンドandymoriの元メンバー3人とともに4人組のロックバンドAL(アル)を結成し、小山田壮平さんとツインボーカルを担当されております。私自身も長澤知之さんについては、ALの活動により初めて知りました。
私なりの印象ですが、長澤知之さんの良さは声質と歌詞だと感じます。歌詞については、今回の『蜘蛛の糸』などもそうですが、決してポジティブではないですが、そうした点が私には非常に刺さりました。私自身はまだあまり聴き込めていないのですが、『左巻きのゼンマイ』という作品が、普遍性のあるつバンド曲で、多くの人に届きうる作品ではないかと思います(同曲は、ALのライブでも披露されております)。個人的にはもっと広く知られて欲しいと感じるソングライターです。
さて、『蜘蛛の糸』(くものいと)についてです。この楽曲は、2017年に男性シンガーソングライターの長澤知之さんによりリリースされた2枚組アルバム『Archives #1』に収められております。同アルバムは過去10年間のシングル曲や未発表音源などが収められております。ベストアルバムではなく、「アンソロジー・アルバム」としたところが、長澤さんの個性ともいえるところかもしれません。
その中で『蜘蛛の糸』については、今回初めて収録された新曲です。リード曲のような位置づけであり、ミュージックビデオも公開されております。個人的には、サウンド、歌詞やボーカルなど非常に印象に残りました。演奏時間が6分を超えており、映画などのタイアップが付いてもおかしくないような作品だと感じました。
『蜘蛛の糸』の音域的な特徴についてです。同曲の音域は男性としては高め(もしくは高い)レンジで歌メロが作られております。低音域には余地があるため、一般的な男性はキーを下げた方が歌いやすそうです。
同曲は、歌い出しからmid2G#が登場する等、全体を通してmid2F#~hiA辺りの中高音域が頻出します。そのため、ある程度高音域が得意な男性であっても体力的にしんどく、スタミナなどが求められそうです(高音域が非常に得意な男性などは歌いやすいかもです)。
ちなみに、同曲は、音域的には女性が原曲キーで歌唱することも可能です。私なりの印象ですが、標準的な女性は少しキーを上げた方が声質が活きやすいのではないかと感じます。
最後に『蜘蛛の糸』の音域についてですが、【地声最低音】mid1G#(G#3)~【地声最高音】hiA(A4)、【裏声最高音】hiB(B4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ高めです(「高い」といってもよいかも)。以下、見ていきます。
まず、地声最低音mid1G#については、Aメロで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内です。ただ、mid1G#が最低音の男性曲は「キーが高い男声曲」となりやすく、今回の『蜘蛛の糸』についても明確に当てはまります。
一方で、最低音が高い分、女性が原曲キーで歌うことも可能であり、とりわけ「標準より低め~やや低め音域の女性」などは原キーにマッチしやすそうです。
次に、地声最高音hiAについては、BメロCメロサビ等幅広く登場します。登場回数は2コーラス通してで11回程度です。このhiA辺りは男性曲としては高めであります。また、同曲はmid2F#~mid2G#辺りの登場頻度が非常に高いです。そのため、一般的な男性は通常はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから2~3つ程度下げてみてください。
『蜘蛛の糸』は低音域に余裕が多く、キー下げは可能です。同曲は音域自体はそこまで広くないのでキー調整の融通はかなり利きやすいです。そのため、キー調整に抵抗が無ければ、練習曲としては比較的使いやすそうです。
一方、同曲は一部で、やや早口でリズムを取りにくい部分があります。また、息継ぎなどが大変な部分も見られます。リズム感や音程に自身の無い方は、別の曲と並行して練習してみるのもよいと思います。
『蜘蛛の糸』を原曲キーで歌唱する場合、mid2G#やhiAといった高音域を地声でしっかり歌いこなせる力が求められます。同曲は、mid2F#~mid2G#辺りの登場頻度が非常に高く、その点でスタミナなども不可欠になります。そのため、「度高音域が得意な男性」、「標準よりやや低めの音域の女性」などが原キーで歌いやすそうです。
『蜘蛛の糸』は演奏時間が6分もあり、また歌詞が前向きというわけでもないので、カラオケで歌いやすいとは言いがたいかもしれません。ただ、私自身はサウンドや歌詞、メロなど特に印象に残った作品であり、もっと広く知られて欲しいとも感じました(何かをきっかけに知名度が上がる作品かもしれません)。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。