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『真夏の果実』( サザンオールスターズ ) の 音域

(2024/03/04)ライブでの映像が公式から発表されたので添付しております。

こんにちは。今回はサザンオールスターズの『真夏の果実』(1990)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。当ブログでサザンの楽曲を取り上げるのは、『希望の轍』(過去記事)以来、2回目です。

『真夏の果実』(サザンオールスターズ)、Manatsu no Kajitsu(Southern All Stars)
『真夏の果実』(サザンオールスターズ)の音域






【地声最低音】mid1A(A2) 

★誰m1Dm1B[か{に] m1AB[抱]か]れた] [夢]ぇを[見]【Aメロ】


【地声最高音】hiA(A4) ※全体で1回

★こんm2Em2F#[な[よ]る]F#[な]み][見hiAF#[せ]ず]に]【ラストサビ】


【裏声最高音】hiB(B4) ※ラストサビで1回

★また逢m2F#[え]ると[言っhiAhiB裏[て[欲]し]い]【ラストサビ】


【補足】mid2Emid2Gを含むフレーズ一覧

m2E[い]まもm2D#[この]胸に 夏はm2F#E[め][ぐ][る]ぅ]【Bメロ】
★しろm2Em2F#[く[じちゅ]う]F#[好き]ぃ][言っF#[て]【サビ】
★忘れられない m2E[Heart] m2F#[& So]u]l 声にm2G裏F#[な]ら]な]


 まず、『真夏の果実』(まなつのかじつ)についてです。この楽曲は、1990年にロックバンド・サザンオールスターズによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、同じ年にリリースされたアルバム『稲村ジェーン』 に初収録されました。同アルバムは厳密には、桑田佳祐さん自身が監督を務めた映画『稲村ジェーン』のサウンドトラックという位置づけですが、バンドメンバーもいくつかの楽曲で参加しており、サザンのオリジナルアルバムの1つとして数えられることが多いようです。
 アルバム『稲村ジェーン』は130万枚を超えるセールスを記録し、日本レコード協会よりトリプル・プラチナ認定(旧基準)がなされました。サザンのオリジナルアルバムとしては3番目に高いセールスを記録したアルバムです(リリース当時は1位でした)。


 さて、『真夏の果実』はスローなバンド曲です。フロントマンの桑田さん自身が監督した映画『稲村ジェーン』の主題歌として制作され、50万枚を超えるヒットを記録しました。また、同曲は2022年にはストリーミング部門でもゴールド認定がなされており、長らく愛されるサザンの代表的な1曲となっております(2023年4月時点でゴールド認定がなされているのは『TSUNAMI』と『真夏の果実』の2曲)。作詞作曲は桑田佳祐さん、編曲はサザンオールスターズと小林武史の共同でなされております。

 『真夏の果実』の音域的な特徴についてです。同曲は、男性の音域としてはやや高め~高めのレンジで歌メロが作られております。一般的な男性は少しキーを下げた方が歌いやすいと思います。
 同曲は最低音がmid1Aであり、Aメロではmid1D以下の音階も多く登場します。一方、Bメロサビではmid2D#~mid2F#辺りの回数が増え、サビではこれらが連続的に登場します。hiAが登場する場面は限定されるのですが、mid2D#~mid2F#が連続する分、体感的には高く感じやすいです。音域自体が広く、低音域から高音まで安定した歌唱が不可欠になります。

 ちなみに、女性が同曲を歌唱する場合、キーを上げた方が歌いやすいです。過去に同曲をカバーした絢香さんは原曲キーから7つ上げており(もしくは5つ下げる)、また、Uruさんは原曲キーから6つ上げております。この辺りが1つの目安になりそうです。ただ、音域が広い作品ですので、男女ともに力量が求められます。



 最後に『真夏の果実』の音域についてですが、【地声最低音】mid1A(A2)~【地声最高音】hiA(A4)、【裏声最高音】hiB(B4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、高めです。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1AはAメロで登場します。このmid1Aは歌えるに越したことはないのですが、低音域が苦手な場合はmid1Bなどで代替してもよいのではないかと私は考えました。とはいえ、全体でみるとmid1D以下の音階が多く、安定した低音域の歌唱が求められます。そのため、高音域が得意な男性などはキーを上げることも選択肢だと思います。

 次に、地声最高音hiAはラストサビで1回登場します。このhiAを除くと、同曲はmid2F#がサビを中心に頻出します。同曲はサビでmid2D#~mid2F#が非常に多いため、音域以上に高音を感じやすい楽曲です。そのため、一般的には少しキーを下げた方が歌いやすいのではないかと私は推測しました。一つの目安ですが、原曲キーから1~2つ程度下げてみてください。


 『真夏の果実』は低音域が低く、キーを下げる余地はあまりありません。低音域が得意な男性だとキーを下げることも可能だと思いますが、一般的にはキー調整の融通が利きにくい楽曲だと私は判断しました。音域の広さという点では、歌い慣れた人向けの楽曲だといえます。また、桑田さん自身も抑揚付け方が独特であり、真似するのは難しいですので、その点でも難しさのある楽曲だと思います。

 『真夏の果実』を原曲キーで歌唱する場合、mid2D#~mid2F#(ラストサビはhiA)といったレンジをしっかり歌いこなせる力が求められます。また、同曲はmid1D以下の低音域も多いですので、低音~高音まで安定した歌唱が不可欠になります。
 こうしたことを考えると、「標準より高め~ある程度高音域が得意な男性」が原曲キーに合いやすいと私は判断しました。


 『真夏の果実』はサザンを代表するバラード曲であり、最近はストリーミングランキングでもトップ200入りすることが増えております(90年代の作品としては異例の人気です)。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。

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コメント

  1. 名無し より:

    リクエストした者です、記事作成ありがとうございます!!
    サザンの楽曲の中でも結構体力持ってかれる印象がありますね。体感は星野源さんの恋よりしんどい印象があります。

  2. 匿名 より:

    TSUNAMIお願いします

    • もりっしー より:

      リストアップしておきます
      自選曲としてもリストアップしていた曲です