『CHiLD-error-』(MY FIRST STORY)の音域

　まず、『CHiLD-error-』（チャイルドエラー）についてです。この楽曲は、２０１４年にロックバンドMY FIRST STORYによりリリースされたアルバム『虚言NEUROSE』（いつわりノイローゼ）に収録されております。同アルバムには、表題曲『虚言NEUROSE』（過去記事）、シングル曲『Black Rail』、『Fake』が収められております。


　さて、『CHiLD-error-』はアルバムの最終盤に収録されたアップテンポのロック曲です。今回の音域調査からは除外しているのですが、シャウトなども多用された力強いハードコアであり、全体的にパワフルです。歌メロはJ-POPのように明確に区分するのは難しいですが、AメロBメロサビのような場面があります。作詞作曲編曲はMY FIRST STORYによりなされました。

　『CHiLD-error-』の音域的な特徴についてです。同曲は、男性の音域としてはかなり高いレンジで歌メロが作られております。低音域に余地があるため、一般的にはキーを下げた方が歌いやすいです。
　同曲は曲全体を通して元気のいいが曲であり、ほとんどすべてのフレーズにhiA以上に高音が含まれます。そのため、男性の音域としてはかなり高く、「高音域が非常に得意な男性」であっても体力的に相当しんどい曲です。

　女性が同曲を歌唱する場合、原曲キーがマッチする人も一定数おられるのではないかと思います。今回の楽曲は、音域的には女声域に近似するため、「標準的～標準より高めの音域の女性」などは原曲キーでもチャンレンジやすい可能性があります。原曲のようなニュアンスで歌うのは難しいかもしれませんが、男性よりもむしろ女性に合いそうな音域の曲です。



　最後に『CHiLD-error-』の音域についてですが、【地声最低音】mid2A(A3)～【地声最高音】hiC#(C#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、かなり高いです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid2AはBメロで登場します。今回はmid2A,mid2Bといった低音域が登場する場面はそこまで多くなく、低音域としてはmid2C#辺りが比較的多いです。こうした低音域の特徴から、男性曲としては体感的にかなり辛い曲なのではないかということが分かります。

　次に、地声最高音hiC#はAメロで登場します。登場回数は全体で３回程度です。このhiC#に次ぐ地声高音としては、hiBがピークとなる場面が全体で１１回、hiAが全体で９０回前後登場します。こうした傾向から、男性曲としてはかなり高く、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから５つ程度キーを下げてみてください。


　『CHiLD-error-』は低音域に余地があり、キー下げはしやすいです。同曲は音域自体はそこまで広くないため、キー調整は非常にしやすい曲といえます。ただ、ボーカルのHiroさんのように歌いこなすには当然力量が求められるので、そうした歌唱表現なども含めるとやはり歌い慣れた人向けの楽曲といえます。

　『CHiLD-error-』を原曲キーで歌唱する場合、hiA～hiC#といった中高音域をしっかり歌いこなせることが求められます。今回はhiAなどが全体を通して非常に多く、いずれも地声ベースの歌唱です。音域的には女性曲に近いため、男性だと相当高いといえます。また、低音域も高く、全体的に高音に寄っています。
　こうしたことを踏まえると、「高音域が非常に得意な男性」、「標準的～標準より高めの音域の女性」などが原曲キーにマッチしやすいと私は判断しました。音域的には女性曲に近いため、女性の方が合う人が多いと思います。


【まとめ】

①Aメロ～サビまで全体的に高い（音域はそこまで広くない）
②原キーだと「高音域が非常に得意な男性」に合いそう
③女性の方が原キーで合いやすい曲（特に「標準的～標準より高めの音域の女性」）