『イルミネーション』(B’z)の音域

　『イルミネーション』はB’zらしいギターサウンドが活きたバンド曲です。シャッフルのリズムが特徴的であり、間奏ではホーンセクションなども登場します。朝ドラの主題歌ということもあり、B’zの曲としてはかなりポップな印象ですが、ライブなどで聴くのも楽しそうだと感じました。作詞はボーカルの稲葉浩志さん、作曲はギターの松本孝弘さん、編曲はB’zと徳永暁人さんとの共同でなされました。



　『イルミネーション』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域としては高いレンジで歌メロが作られています。低音域に余地があるため、一般的にはキーを下げた方が歌いやすいです。
　同曲は、最低音がmid1F#であり、男性曲としては高いです。その分mid2E～mid2F#辺りの中高音が多く登場し、hiAなどもサビを中心に欲られます。中高音が多い分、相対的に高音が得意な男性の方がマッチしやすい曲といえます。

　女性が同曲を歌唱する場合、人によっては原曲キーがマッチする可能性があります。具体的には「標準より低め～やや低めの音域の女性」などは原キーを選択肢に入れてみてもよいかもしれません。ただ、今回はサビでmid1F#-mid2Aなどの低音が登場し、mid2Aなどもよく見られます。そのため、女性の得意なレンジを考慮すると、「一般的な音域の女性」などはキーを２つ程度上げた方がより歌いやすくなると思います。



　最後に『イルミネーション』の音域についてですが、【地声最低音】mid1F#(F#3)～【地声最高音】hiB(B4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、高いです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1F#はAメロやサビで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内です。ただ、最低音がmid1F#となる男性曲はかなり高い確率で「一般的な男性にとってはキーが高い曲」となります。今回の『イルミネーション』についても明確にこの傾向が果てハマりそうです。

　次に、地声最高音hiBについてはラストサビで登場します。登場回数は１回のみです。このhiBに次ぐ地声高音としては、hiAとmid2G#がピークとなる場面がそれぞれ１０回程度見られます。こうした点を考慮すると、男性の音域としては高く、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから２～３つ程度下げてみてください。


　『イルミネーション』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であればある程度自分が得意とするレンジに調整することができそうです。ただ、今回の楽曲は音域がそこまで狭くなくサビはメロの上下が激しいです。ビギナーだと一部歌いにくい部分が出てくるかもしれません。
　同曲は、朝ドラの主題歌ということもあってか、メロディーが分かりやすく、リズムなども比較的取りやすいです。音域がマッチするのであれば、練習曲としてよいのではないかと私は分析しました。ただ、キー調整をしたからといって直ちに稲葉さんのような歌唱が出来るわけではないので、弛まぬ練習を重ねてください。

　『イルミネーション』を原曲キーで歌唱する場合、mid2F#～hiBといった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。今回はmid2F#辺りが全体的に多く、サビ近辺ではmid2G#～hiA等がよく見られます。低音はmid1F#と高めですが、サビでも登場します。
　こうした点を考慮すると、「高音域が得意（or非常に得意）な男性」などに合いそうです。また、「標準より低めの音域の女性」なども原キーがマッチする可能性があります。


【まとめ】

①男性曲としては高いだが、サビでは最低音が含まれる
②原キーだと「「高音域が得意（or非常に得意）な男性」などに合いそう
③女性だと「標準より低め～やや低めの音域の人」が原キーに合いうる
④メロは分かりやすく、覚えやすい曲