『YOU & I』( B’z ) の 音域

　まず、『YOU & I』（ユーアンドアイ）についてです。この楽曲は、１９９５年に２人組ロックユニットB’zによりリリースされたシングル『ねがい』のカップリング曲として発表されました。アルバムとしては、バージョン違いが２０００年の裏ベストアルバム『B’z The “Mixture”』に初収録されました。カップリングと同じものは、２００８年のファン投票によるベストアルバム『B’z The Best “ULTRA Treasure”』に収録されております。
　ちなみに、B’zはシングル曲と一緒に収録される【カップリング曲】を「2nd beat、3rd beat、4th beat」と表記しております。この辺りはシングル曲と差を付けない（シングル曲に負けない良い楽曲）というような意味合いもあるのではないかと私は解釈しております。


　『YOU & I』はアッパーなバンド曲です。B’zとしてはポップなラブソングであり、ホーンセクションも登場します。同曲はカップリング曲（2nd beat）でありながらファンからの人気も高く、先述のファンによるベストアルバムにも収録されました。私自身も初めて聴いたときは、非常に耳に残った作品です。作詞は稲葉浩志さん、作曲は松本孝弘さん、編曲は両者によりなされました。

　『YOU & I』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域としては高いレンジで歌メロが作られております。低音域に余地があるため、一般的な男性はキーを下げた方が歌いやすいです。
　同曲は歌い出しからmid2F,mid2Gが登場するなど、中高音域が非常に多いです。そのため、ある程度高音域が得意な男性でもスタミナが要求されます。

　ちなみに、同曲を女性が歌唱する場合、原曲キーかもしくは少しキーを上げた方が歌いやすいです。今回はBメロでmid1F,mid1G辺りを含むフレーズが登場するため、人によっては低音感があります。原キーでマッチする人も多いかもしれませんが、高音域が得意な女性などは少しキーを上げた方がより歌いやすいと推測しました。



　最後に『YOU & I』の音域についてですが、【地声最低音】mid1F(F3)～【地声最高音】hiC(C5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、高いです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1FはBメロで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内です。一方、mid1Fは女性にとっては低いレンジになります。そのため、低音域が苦手な女性などはBメロが少し歌いにくいかもしれません。高音域が得意な女性などはキーを上げるのもよいと思います。

　次に、地声最高音hiCはサビで登場します。登場回数は6回程度です。また、同曲はhiAをピークするフレーズが22回登場します。そのため、男性にとってはかなり高く、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから３～４つ程度下げてみてください。


　『YOU & I』は低音域に余地があり、キー下げはしやすいです。歌い慣れた人であれば、ある程度自分が得意なレンジに調整することができそうです。一方、同曲は音域が広めの作品です。そのため、キーを調整したとしてもビギナーには歌いにくい部分が出てくるかもしれません。
　同曲はメロがポップであり、キーが合う人であれば、練習曲にもよいのではないかと思います。ポップでありながらメロのアップダウンが激しいので、音程の正確さなどが求められます。

　『YOU & I』を原曲キーで歌唱する場合、mid2G～hiCといった中高音域をしっかり歌いこなせることが求められます。先述のように、同曲は全体を通してmid2G以上の音階が多く、体力も要求されます。これらを踏まえると、「高音域が非常に得意な男性」が原曲キーにマッチしやすいのではないかと私は判断しました。また、「標準よりやや低め～標準的な女性」なども原曲キーがマッチしうると推測されます。音域面だけで考えると、どちらかといえば、女性の方が歌いやすい作品かもしれません。


　『YOU & I』はノリの良いバンド曲であり、カラオケなどでも歌いやすいと思います。また、歌詞は恋の苦しみがテーマとなっており、共感できる人も多そうです。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。