『FMP』(B’z)の音域

　こんにちは。今回はB’zの『FMP』(2025)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。


『FMP』(B’z)









【地声最低音】mid2A#(A#3)　※全体的に多い

★2C–m2A#[がっ[か]り]m2D[さして]【Aメロ】
★わすm2A#[れ]られて2F[迷]子[にm2G[な]る


【地声最高音】hiA#(A#4)　※全体で15回程度

★2F[I] m2A#–F[fo]llow] hiA#[my] F–m2G[pas[sion]【サビ】
★2A#[そF–hiA#^-m2G[れし[か]な[いんよ]
★パンm2F–hiA#^[パン[にふ]く]G–A#[ら[ます]



　まず、『FMP』についてです。この楽曲は、2025年にロックユニットB’zによりリースされたアルバム『FYOP』に収録されております。いわゆるアルバムのリード曲のような位置づけにあり、アルバムのリリースに先立ち、先行配信などが行われました。
　『FMP』はB’zらしいアップテンポのロック曲です。アサヒビールのブランド『アサヒスーパードライ』のCMソングとして書き下ろされました。夏～秋にかけて、CMなどで耳にした方も多いかもしれません。ちなみに、『FMP』とは、サビでも登場する「Follow My Passion」から由来しています。


　『FMP』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域としては高い（もしくは「非常に高い」）レンジで歌メロが作られています。低音域に余地があるため、一般的な音域の男性はキーを下げた方が歌いやすいです。
　今回の楽曲は全体的に中高音寄りの声域であり、mid2F～hiAといった中高音が多く見られます。ABメロについてもmid2F～mid2G辺りの中高音が含まれ、また最低音も高いことから、「中高音域が得意な男性」が原曲キーに合いやすい曲であるといえます。ただ、B’zの人気曲などと比べると、若干高音が控えめであるため、その点で少し間口が広いのではないかとも私は考えています（ただ、やっぱり高音は高いです）。

　女性が同曲を歌唱する場合についてです。。今回は低音が高く、女性が原キーで歌えなくもない曲です。具体的には、「標準より低めの音域の女性」などは原キーがマッチする可能性があります。ただ、一般的な音域の女性については、やはり少しキーを上げた方がより歌いやすいと私は想定しています。キーを上げる際は原キーから１～３つ程度上げてみてください。原曲の歌唱表現などを考慮しなければ、音域的には女性の方が取っ付きやすいかもしれません。



　最後に『FMP』の音域についてですが、【地声最低音】mid2A#(A#3)～【地声最高音】hiA#(A#4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、高いです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid2A#はAメロ～サビまで広く登場します。このmid2A#は男性の低音としてはかなり高く、低音域が得意な人だと持ち味を活かしにくい曲ともいえそうです。また、登場回数が多い分、女性は原キーで歌唱する際には少し注意が必要です（人によっては低音が低く感じやすい）。

　次に、地声最高音hiA#はサビで計15回登場します。このhiA#に次ぐ地声高音としてはmid2G#がピークとなる場面が全体で6回、mid2Gが13回、mid2Fが13回登場します。こうした点を考慮すると、男性の音域としては高く、通常はキーを下げた方が歌いやすいといえます。一つの目安ですが、原曲キーから３～４つ程度下げてみてください。


　『FMP』は低音域に余地があるため、キー下げは可能です。今回の楽曲は音域自体は1オクターブと広くないため、キー調整はしやすく、理論上はビギナー向けの調整も可能だといえます。ただ、キーを調整したからといって直ちに稲葉浩志さんのような歌唱ができるわけはないので、弛まぬ練習を重ねたいです。また、一般的な音域の男性が歌いやすいレンジに調整するためには多くのキー下げが必要になるため、違和感を覚える人も多いかもしれません。その辺りが1つのハードルになります。
　今回の楽曲はメロやリズムは比較的わかりやすいです。音域がマッチするのであれば練習曲やカラオケに向くと思います（ただ、原曲のように歌うのは大変）。全体的にノリがよく、高音が映える場面もあるため、歌いこなせると気持ちよさそうです。

　『FMP』を原曲キーで歌唱する場合、mid2F～hiA#といった中高音域がしっかり歌いこなせることが求められます。今回はABメロではmid2F～mid2G辺りが要所で含まれ、全体的に中高音寄りです。その後のサビはhiA#等を含むようになります。また、低音も男性曲としては高いです。
　こうした点を考慮すると、「高音域が得意（or非常に得意）な男性」が原曲キーに合いやすいと私は分析しました。また、低音が高い分、「標準より低めの音域の女性」なども原キーがマッチする可能性があります。

【まとめ】

①全体的に中高音寄りの曲（女声域に少し近似する）
②「高音域が得意（or非常に得意）な男性」が原曲キーに合いやすい
③「標準より低めの音域の女性」も原キーが合う可能性がある
④メロやリズムはわかりやすい。練習曲にもよい
⑤原曲のように歌うのは大変だが、歌いこなせると気持ちよさそう