『つつみ込むように』(MISIA)
【地声最低音】mid1G(G3)
★雨上がりhiA[の]道を カサさしてm1G–m2A[あ]る[い]た【Aメロ】
★水鏡にうつそう 幼いこm1G#[ど]もみたいに
【地声最高音】hiF(F5) ※全体で1回
★きhiE–hiF地^-D–C[み[を]ま]も]り]たい【Dメロ】
【裏声最高音】hiF#(F#5) ※ラストサビで登場
★こhiC#[と]ば[をhiD#地[い]くhiF裏–hiF#^-D#–C#^[つ[は]な]そ]ぉ[う]ぉ])【ラスサビ[₊1]】
【補足】hiC～hiEを含むフレーズ一覧
★毎日に慣れhiD地–C–B–hiD–C[て]し]ま][あって]ぇ]【Bメロ】
★(ただ素直に) かhiA–hiC–B[ん[じ]あえ]る[こと]ぉ
★hiA–B–hiC[と[お[ざ][け] [追B–C[い[か]け
★まhiB–hiC^-hiD–C[よ[い]つ[づ)[け]る]の]さ
★明日が見hiC裏–hiD[え[な]く[て])【Dメロ】
★hiC–B[ひ]と[りで]ぇ] 過ごhiA#[せ]ない[よぉ]ぉ
★今日がhiB–hiC[ま[た] はC[じ]まhiD裏[る]
★hiA#–C–hiC#地[こ[いび[とと] [呼hiC#–C[び]あ[える])ぅ]【ラスサビ[転調₊1]】
★包hiC#[み]こ[むhiD#[よ]う]hiD#–hiE地[にぃ[ぃ]ぃ]ぃ]
※イントロ・アウトロのフェイク
★G6[Ahhhhh] A5(hihihiA)[Ah]h G6[Ah]hh
★G#6–A#5[Ahhhhh[A]h[A]h]
まず、『つつみ込むように…』についてです。この楽曲は、1998年に女性歌手のMISIAさんによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、同じ年に発売された『Mother Father Brother Sister』に収録されました。同アルバムはMISIAさん初のフルアルバムであり、シングル『陽のあたる場所』、アルバム曲ながら人気の高い『キスして抱きしめて』などの楽曲も収められております。アルバムはCD258万枚の大ヒットとなりました。こうしたヒットに伴い、MISIAさんは日本の人気アーティストとしての地位を確立していきます。
『つつみ込むように…』はMISIAさんの記念すべきデビューシングルです。楽曲の質の高さ（欧米のディーバのようなMISIAさんの高い歌唱力etc.)が大きな話題を呼び、同曲はロングヒットを記録しました。デビュー曲にして67万枚を超えるCDヒットとなり、配信でも10万ダウンロード達成しています（ランキングデータブログBillion Hits!より引用）。この頃は、宇多田ヒカルさんなどのデビューもあり、日本の音楽シーンでR&Bの楽曲が隆盛した象徴的な時代でもあります。
『つつみ込むように』はミドルテンポのリズム＆ブルース、ダンスポップです。歌メロは日本語詞であり、AメロBメロサビと展開します（ラストサビでは転調し、キーが1つ上がります）。イントロとアウトロでは、MISIAさんのホイッスルボイスが披露されており、hihihiD(D6)～hihihiA#(A#6)といった超高音のフェイクが展開されます。作詞作曲は島野聡さん、編曲は松井寛さんによりなされました。
『つつみ込むように…』の音域的な特徴についてです。同曲は女性の音域としては高い（一部は「かなり高い」でもよい）で歌メロが作られています。低音域に余地があるため、一般的には少しキーを下げた方が歌いやすいと思います。
今回の楽曲はAメロについては中低音を中心に歌メロが展開されます。ただ、BメロサビDメロについてはhiCやhiDといった高音域がよく見られるようになります。hiC以上の登場回数を考慮すると女性の音域としては高く、「高音域が得意な女性」に合いやすいといえます。また、要所で裏声が使われているため、器用な裏声の発声も不可欠になります。声質的には、ソウルやロックなどの楽曲に慣れている人の方が合いやすいと思います。
ちなみに、MISIAさんは近年のライブではキーを下げて歌唱しています。キーを下げて歌唱する方はそうしたパフォーマンスも参考になると思います（ただ、難易度は高い）。ちなみに、先述のホイッスルボイスもキー調整に応じて音程がコントロールされており、私自身非常に驚きました。
男性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから７～８つ程度下げてみてください（もしくは原キーから４つ程度上げて１オクターブ下を歌う）。「高音域が非常に得意な男性」についても、通常はキーを下げた方が歌いやすいと私は分析しています。
最後に『つつみ込むように…』の音域についてですが、【地声最低音】mid1G(G3)～【地声最高音】hiF(F5)、【裏声最高音】hiF#(F#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域と比べ、高い（一部はかなり高い）です。以下、見ていきます。
まず、地声最低音mid1GはAメロで登場します。この辺りは女性の音域の範囲内です。登場回数は少ないので見た目ほど低音感はないと思いますが、「高音域が非常に得意な女性」の一部は少し歌いにくい可能性もあるので、注意してください。
次に、地声最高音hiFはDメロで1回登場します。このhiFに次ぐ地声高音としては、hiEがピークとなる場面が全体で1回、hiD#が3回、hiDが8回、hiC#が10回、hiCが33回程度登場します。こうした点を考慮すると、女性の音域としては高く、通常はキーを下げた方が歌いやすいといえます。一つの目安ですが、原曲キーから２～３つ程度下げてみてください（人によっては少し高いかもです）。
『つつみ込むように…』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。ただ、今回の楽曲は音域が広いため、歌い慣れた人であっても一部歌いにくい部分が出てきうると私は分析しています。
今回の楽曲はメロディー自体は比較的分かりやすく、リズムも取りやすいと私は分析しています。ただ、MISIAさんのロングトーンや微妙な抑揚など難易度の高い要素が多いため、キー調整を考慮しても歌い慣れた人向けの楽曲だと私は分析しています。高音域が気持ちよく、歌いこなせると気持ちよさそうです（難易度は高いですが）。
『つつみ込むように…』を原曲キーで歌唱する場合、hiC～hiD#(一部はhiF、裏声もhiF#まで)といった中高音域がしっかり歌いこなせることが求められます。今回はAメロは中低音中心ですが、BメロサビDメロと大部分はhiC以上が多く、歌唱表現もテクニカルです。低音域についてはmid1G程度であり、標準的です。
こうした点を考慮すると、「高音域が得意（or非常に得意）な女性」が原曲キーに合いやすいと私は分析しています。
【まとめ】
①Aメロは中低音中心だが、その他は高い
②原キーだと「高音域が得意（or非常に得意）な女性」向け
③音域は広い。キー調整を考慮しても歌い慣れた人向け
④メロやリズムは比較的分かりやすい
⑤難易度は高いが、歌いこなせると気持ちよさそう