『RAIN』(SEKAI NO OWARI)の音域

　まず、『RAIN』（レイン）についてです。この楽曲は、2017年に4人組ロックバンドSEKAI NO OWARI（せかいのおわり）によりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、『Lip』に収録されております。2021年にリリースされたベストアルバムにも収められました。同曲は、『第59回日本レコード大賞』で優秀作品賞を受賞しております。
　『RAIN』は米林宏昌さん監督のアニメ映画『メアリと魔女の花』のために書き下ろされました。そうしたこともあり、MVは同アニメにより構成されております。ショートバージョンで公開されているMVは2021年6月現在、1100万回以上の再生回数を記録しております。

　『RAIN』はゆったり目のテンポのポップナンバーです。ピアノなどを基調としており、全体としてしっとりした作品です。アニメの主題歌ということもあり、AメロBメロサビといった形で作られ、ラストのサビで転調し、キーが1つ上がります(#1)。
　作詞作曲はメンバーによりなされており、編曲はSEKAI NO OWARIと小林武史さん、四家卯大さんとの共同でなされております。小林武史さんがセカオワの楽曲に携わるのは今作が初であります。

　『RAIN』の音域的な特徴についてです。同曲は、おおよそ一般的な男性の音域の範囲内で歌メロが作られております。通常サビの最高音がmid2F、ラストのサビの最高音がmid2F#ですので、最近のポップスとしては高くない方だと思います。「キーが低い男性曲」とは言い難いですが、高音域が苦手な方でも比較的チャレンジしやすいと思い、今回取り上げてみました。裏声なども用いられておりませんので、その点でもアプローチしやすいです。


　最後に『RAIN』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D#(D#3)～【地声最高音】mid2F#(F#4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域の範囲内といえます。以下、見ていきます。

　まず、地声最高音mid2F#については、ラストのサビで6回程度登場します。同曲は、ラストのサビで転調し、キーが1つ上がります。そのため、通常のサビではmid2Fが最高音となります。
　この辺りは、一般的な男性の音域の範囲内といえます。反面、歌い慣れていない人や高音域が苦手な方などは、スムーズな発声が損なわれやすいです。少しずつ練習を重ねてください。また、場合によってはキーを下げてもよいと思います。

　『RAIN』は低音部分に余裕があり、キー調整は可能です。若干低音が歌いにくいかもしれませんが、歌い慣れていない人向けの調整も可能だと思います。歌メロ自体も難しくありませんので、練習曲としても比較的使いやすいです。
　逆に、高音域が得意な男性は、原キーだと歌いにくいかもしれません。その場合は、キーを上げてください。

　『RAIN』は音域面では比較的手を付けやすく、歌メロも覚えやすいです。歌唱については、ボーカルのFukaseさんは、優しさや柔らかさを強調した歌唱をしておりますので、その辺りを意識するとよいと思います。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。