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『メリッサ』(ポルノグラフィティ)の音域

 こんにちは。今回はポルノグラフィティの『メリッサ』(2003)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。


『メリッサ』(ポルノグラフィティ)
『メリッサ』(ポルノグラフィティ)の音域








【地声最低音】mid2A(A3) 

★明日が来るはm2B[ずの空を]m2A[て]【Aメロ】
m2A[ま]m2D[う ば]かりの2D[こ]ころ持てあ2D[ま]している
m2A[ど]m2D[か ひ]かりを2D[見]つけられ[たm2E[の]か]


【地声最高音】hiA(A4) ※全体で12回

m2EhiA[君[の]手]F[で] 切りm2G[裂][て] F[い]日のきお[く]【サビ】
m2A[さ]あ 愛に焦がれた胸をつm2GhiA[らぬけ[ぇ]


【補足】mid2D#mid2Gを含むフレーズ一覧

★息m2G[の]m2FE[を]止][て][れ]m2A[よ]【サビ】
m2D#m2E[な[あ] E[おま]え]E[背]に]【Bメロ①】
m2D#[お]れも[乗]せてm2A#2D#[くれ[な]いか
m2Dm2D#[し[て] D#[一]ば]D#[た]かい]m2A#[ころ[で]【Bメロ②】
★置きm2A#[去]りにし[て][し]さから遠[ざ]m2D[けて]

 まず、『メリッサ』についてです。この楽曲は、2003年にロックユニット・ポルノグラフィティによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、翌年に発売されたベストアルバム『PORNO GRAFFITTI BEST BLUE’S』に初収録されました。同アルバムには、『アポロ』、『アゲハ蝶』(過去記事)『ヒトリノ夜』(過去記事)などのシングル群が収められております。アルバムは105万枚を超えるCDセールスを記録し、日本レコード協会よりミリオン認定がなされました。

 『メリッサ』は荒川弘さんの同名漫画を原作としたテレビアニメ『鋼の錬金術師』のオープニングテーマとして書き下ろされました。楽曲の質も相まって、同曲はロングセラーを記録。CDとしては37万枚を超えるヒットとなりました。また、配信部門でも2016年に25万ダウンロードを達成し、CDと配信の2部門で日本レコード協会よりプラチナ認定がなされています(ランキングテータブログBillion Hitsより引用)。また、2024年にはストリーミングでも5000万再生を達成しました。こうしたロングヒットの傾向から、ポルノグラフィティを代表する楽曲の1つといえます。


 『メリッサ』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域としては高いレンジで歌メロが作られています。低音域に余地があるため、一般的にはキーを下げた方が歌いやすいです。
 今回の楽曲は頭サビで歌メロが始まり、AメロBメロサビと盛り上がっていきます。サビが特に高いのですが、ABメロもそこまで低くはなく、全体的に中高音寄りの曲です(最低音がmid2Aと高い)。ただ、『サウダージ』(過去記事)や『アゲハ蝶』、『アポロ』など他の人気曲と比べると、ABメロがやや低く、少し余裕を持ちやすいです。今回の楽曲はサビ、Aメロ、Bメロ前半、Bメロ後半と転調がかなり多いため、音程には注意したいです。

 女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。今回はポルノグラフィティの人気曲の中ではABメロがそこまで高くありません。そのため、女性の得意な音域を考慮するといくらかキーを上げた方が歌いやすいと私は分析しています。一つの目安ですが、原キーから2~4つ程度上げてみてください。
 ただ、今回の楽曲は最低音が高いため、「標準より低めの音域の女性」だと原キーがマッチする可能性もあります。その辺りは実際に歌唱して微調整を加えてください。



 最後に『メリッサ』の音域についてですが、【地声最低音】mid2A(A3)~【地声最高音】hiA(A4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、高いです。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid2AはAメロやサビで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内です。ただ、男性曲としては最低音が高いため、標準より低めの音域の男性などには合いにくいと思います。

 次に、地声最高音hiAはサビを中心に計12回程度登場します。このhiAに次ぐ地声高音としてはmid2Gがピークとなる場面が全体で8回登場します。ABメロについてはそこまで高くないですが、mid2D~mid2E辺りが中高音のピークとして見られます。こうした点を考慮すると、男性の音域としては高く、通常はキーを下げた方が歌いやすいといえそうです。一つの目安ですが、原曲キーから2~3つ程度下げてみてください。


 『メリッサ』は低音域に余地があるため、キー下げは可能です。今回の楽曲は音域が広くなく、キー調整しやすい楽曲であり、理論上はビギナー向けの調整も可能です。ただ、同曲は転調がかなり多く、音程が取りづらい側面があります。そのため、キー調整をすると、音程を取るのが苦手な人は混乱しやすいのではないかと私は想定しています。音域が狭い曲ですが、ビギナー向けには使いにくいと考えています。
 同曲はサビ等はキャッチーでわかりやすいメロです。ただ、先述のように転調が非常に多く、特にBメロ辺りは音程に迷いやすいです。キー調整などを加えて難しいと感じた場合は、別の易しめの曲と並行して練習をしてください。長く愛されている楽曲ですが、慣れていないと音程に迷いやすい点に注意が必要です。音程を取るのが得意であれば、練習曲にもよいと思います。

 『メリッサ』を原曲キーで歌唱する場合、mid2E~hiAといった中高音域がしっかり歌いこなせることが求められます。今回はmid2F~hiAといった中高音はサビで登場します。ABメロについてはmid2D~mid2E辺りが中高音のピークとなります(他の人気曲と比べると少し低いです)。一方、低音についてはmid2Aと高いため、相対的に中高音域が得意な人のほうが合いやすいです。
 こうした点を考慮すると、「ある程度~非常に高音域が得意な男性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。また、限定的に「標準より低めの音域の女性」なども原キーがマッチする可能性があります。


【まとめ】

①サビが特に高い。ABメロも中高音寄り(音域は狭い)
②ポルノの他の人気曲と比べ、ABメロは中高音がやや控えめ
③原キーだと「ある程度~非常に高音域が得意な男性」向け
④転調が多く、人によっては音程に迷いやすいので注意(特にBメロ)

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コメント

  1. 名無し より:

    音域で言うとアポロと同じなんですね

    まぁアポロはmid2GがAメロからサビ通して出てくるので難易度は段違いですが…

    • もりっしー より:

      コメントありがとうございます
      仰る通り、音域でいうとアポロと同じですね
      アポロの方が高くて、その点では難しいです
      メリッサは場面ごとに転調するので、音程に難がある人だと歌いにくい点が大変ですね
      ただ、慣れてくるとその辺りは解消されていくと思います