『Pale Blue』(米津玄師)の音域

★m2G#[ずっ]hiA[と]×２　hiB[ずっ]hiC#[と]　m2E[こ]いをしていた【イントロ】

★あなたm2G#[のう]hiA裏[で]【ラスト】

★m2F#[そ]m2G#[のむ]hiA裏[ね]の中
★強く引き合う引力で  ありふれていm2F#[たい]　

★淡くあhiB裏[お]m2G#[い]hiA裏[メ]G#[ロ]m2F#[ディー]
★ずっと　ずっと　m2F#[こ]いをしている

　まず、『Pale Blue』（ペールブルー）についてです。この楽曲は、2021年に男性シンガーソングライターの米津玄師さんによりリリースされたシングル作品です。現在は配信限定のシングルでありますが、6月16日にCDシングルとしてのリリースも予定されております。新作であるため、アルバムには未収録です。
　『Pale Blue』は北川景子さん主演のテレビドラマ『リコカツ』のために書き下ろされました。先日、米津玄師さんのYouTube公式チャンネルでもMVが公開され、注目を集めております。

　『Pale Blue』はストリングスが用いられたラブバラードです。全体として、クラシック音楽の素養を感じます。歌メロはＡメロＢメロサビといった形で作られており、2番のサビ以降は、ラストへと向かいます。親しみやすさがありながら、楽曲が複雑に転調しているため、歌メロは音程を取りにくいのではないかと思います。
　作詞作曲は米津さん、編曲については、現在詳細が分かりませんが、おそらく米津玄師さんと坂東祐大（ばんどうゆうた）さんの共同アレンジなのではないかと思います。坂東さんは『海の幽霊』(過去記事)、『馬と鹿』(過去記事)、『感電』(過去記事)といった米津さんの最近の人気曲などでもアレンジを担当しています。

　『Pale Blue』の音域的な特徴についてです。同曲は地声最高音がhiAが10回近く登場する等、男性曲としては高めになります。また、転調が多いため、音程がやや取り辛いかもしれません。キー調整は可能ですが、それ考慮したとしても歌い慣れた人向けの作品だと私は分析しております。


　最後に『Pale Blue』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D(D3)～【地声最高音】hiA(A4)、【裏声最高音】hiC#(C#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域よりやや高め（もしくは高め）です。以下、見ていきます。

　まず、地声最高音hiAについてはサビで多く登場します。曲全体で10回近く登場するので、米津さんの作品の中でも『海の幽霊』(過去記事)とともに、地声の高音が辛い作品になるのではないかと私は分析しております。一般的な男性の場合は、キーを下げた方が歌いやすいと思います。目安として原曲キーから２つ程度下げるとよいです。

　『Pale Blue』は低音部分に幾ばくかの余裕があり、キー調整は可能です。ただ、詳細には記載しておりませんが、mid1D以外の低音も比較的多いですので、キー調整の余地は見た目よりも少ない印象です。歌い慣れた人はともかく、ビギナーなどは難しい部分が出てくるかもしれません。

　『Pale Blue』は転調が多く、また裏声が多用される場面もあり、音感や表現力が求められます。米津さんの表現に近づけるには、練習が必要になります。音域以外の部分を考えても歌い慣れた人向けの作品だといえます。

　※米津さんの他の作品の音域についてはこちらも参考下さい⇒米津玄師の楽曲音域一覧(まとめ)