『茜色の約束』 ( いきものがかり ) の音域

　まず、『茜色の約束』（あかねいろのやくそく）についてです。この楽曲は、2007年に音楽ユニットいきものがかりによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、2008年『ライフアルバム』に収録されております。同アルバムには、『花は桜 君は美し』、『青春ライン』などのシングル曲が収められております。CDセールスとしては、25万枚を記録し、日本レコード協会よりプラチナ認定がなされました。

　『茜色の約束』は元々は結婚式での歌唱を想定して作られたスローテンポのバンドナンバーです。当時は、通信サービス大手のブランドauのCMソングとしても話題となりました。同作は、配信のでの売上が25万ダウンロードを記録しており、バンドとしては初のプラチナ認定作品となりました。作詞作曲は、ギターおよびピアノ担当の水野良樹さん、編曲は島田昌典さんによりなされております。
　いきものがかりは、デビュー時期などの影響もあり、CDシングルよりもむしろダウンロードで大きな売上を記録しております。これまでに10万以上のダウンロード数を記録した曲は32曲、認定総ダウンロード売上は985万となっており、アーティスト別では歴代7位にランクインしております（Billion Hitsより引用）。


　『茜色の約束』の音域的な特徴についてです。同曲は、最高音だけを見ると、一般的な女性の音域よりも高めのレンジで歌メロが作られております。ただ、この楽曲はhiC,hiDを含んだフレーズは各サビで1回ずつ（計4回）であり、体感的にはそこまで高くは感じないのではないかと思います。とはいえ、BメロサビDメロ等でmid2G～hiB辺りの中高音域が安定して歌いこなせる必要があります。
　一方、同曲はAメロBメロ辺りがやや低いです。そのため、高音域が非常に得意な女性などは少しキーを上げるのも選択肢かもしれません。全体でみると低音から高音まで安定した歌唱が求められます。



　最後に『茜色の約束』の音域についてですが、【地声最低音】mid1F#(F#3)～【地声最高音】hiD(D5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域よりもやや高めです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1F#はAメロやBメロで登場します。この辺りは一般的な女性の音域の範囲内ですが、mid1Gとコンボになっております。そのため、低音域が得意でない方などは少し歌いにくいかもしれません。

　次に、地声最高音hiDについては、サビで登場します。登場回数は4回です。この辺りは、女性の音域と比べると高めのレンジになります。そのため、場合によってはキーを下げることも選択肢に入れてください。一つの目安ですが、原曲キーから１つ程度下げてみてください（低音域が低いため下げる余地が少ない）。
　一方で、『茜色の約束』はhiD,hiCが登場する場面は各サビに1回ずつと多くはありません。そのため、歌い慣れた女性は頑張って原曲キーでみるのもよいのではないかと個人的には感じます（標準的なレンジを持った女性の場合）。私なりの印象ですが、hiDなどの音域を上手く発声するきっかけをつかみやすい楽曲ではないかと考えました。


　『茜色の約束』は、音域自体が広めであり、キーを下げる余地はあまり多くありません（少しのキー下げならば可能）。そのため、もしキー調整をしても難しいと感じた場合は、別の易しめの曲などからチャレンジしてみるのもよいと思います。例えば、いきものがかりの人気曲『ありがとう』(過去記事)などは、音域面では『茜色の約束』よりも少し取っつきやすそうです。
　同曲を原曲キーで歌唱する場合、『標準よりやや高め～ある程度高音域が得意な女性』などが合いやすそうです。逆に、hiE,hiFなどの高音階を安定して歌いこなせるような女性は、Aメロ辺りが少し低く感じられるかもでしれません。

　『茜色の約束』はスローなバンド曲であり、カラオケなどにも向きやすいと感じます。また、いきものがかりの作品はボーカルの良さが活きやすいので、音域が合う人にはお勧めしやすいものが多いです。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。