『雨燦々』(King Gnu)の音域

★hiC–hiD[反[射]し]た 僕ら[を] C–D[う[つ]し]hiD#–D[出]す]

★m2G[は]げhiA裏[し]くhiA裏#–A[照]り][つ]ける太陽[よ]【Dメロ】
☆m2G[ぼ]くらを導いてお[く]hiA–hiA#地[れ[よ]
☆hiA#地–A[み]ら]いを謳うこm2G#[と]ばだけA#地[が] 
★かhiA#–hiC[ぜと[な]り]A#–C[森[を]吹[き]抜]hiD#–D[ける]ぅ]

★選べよ　変わりゆくhiC#裏[じ]hiB–A#[だ]い[を]【ラストサビ[転調+1]】
★m2G#[この]瞬間こ[の舞]台を　生き[抜]くから
★君hiB裏–m2G#地[へ]と]向[か]うのさ　雨に濡れながB–hiA#[ら]帰[ろう]

　まず、『雨燦々』（あめさんさん）についてです。この楽曲は、2022年にロックバンドKing Gnuによりリリースされたシングル作品です。配信限定のシングルであり、アルバムには現在未収録です。
　同曲は、綾野剛さん主演のテレビドラマ『オールドルーキー』のために書き下ろされました。同作は、同作は原作がなく、脚本家の福田靖さんがゼロから手掛けたものになります。ドラマについては、プロサッカー選手を引退した主人公が、セカンドキャリアとしてスポーツマネージメントを手掛けていく内容になっており、これまでにサッカー、マラソン、スケートボードなどが取り上げられております。


　さて、『雨燦々』はミドルテンポのバンド曲です。頭サビで歌メロが始まり、AメロBメロサビと展開します。また、ラストサビでは転調がなされ、キーが1つ上がります。私なりの印象ですが、同作はKing Gnuの作品としてはかなり爽やかであり、取っつきやすい楽曲ではないかと感じました。ボーカルを務める井口さんも自身のツイートで「これはたぶんカラオケで歌えるから、みんなで覚えて(Twitterより引用)」と仰っております（音域面での難易度については後述）。私自身も初聴で非常に耳に残った作品です。人気曲『傘』(過去記事)などとともに一緒に雨ソングとして人気が出るのではないかと思います。
　余談ですが、女性歌手・美空ひばりさんの楽曲に『愛燦々』（あいさんさん）という曲があります。タイトルを聞いた際に、この楽曲を想起された方も多いかもしれません。

　『雨燦々』の音域的な特徴についてです。同曲は男性としては高いレンジで歌メロが作られております。低音域に余地があり、キー下げなども可能です。本作においても、King Gnuの楽曲らしく、裏声が多用されており、そうした繊細な歌唱表現は不可欠だといえます。
　ちなみに、女性が同曲を原曲キーで歌唱する場合、全く不可能ではないですが、通常サビやBメロなどで低く感じやすいのではないかと思います。標準以上の声域にある女性は、キーを上げた方がよさそうです。原キーの場合は、「標準よりやや低めくらいの女性」の方が合いやすそうです（女性の場合は、原曲のような裏声を無理に使わない方がよいかも）。


　最後に『雨燦々』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D(D3)～【地声最高音】hiB(B4)、【裏声最高音】hiF(F5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ高いです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1DはBメロで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内で、やや低音感があるのですが、登場回数は多くないす。一方で、女性についてはサビでmid1Fあたりが登場するなど、低く感じやすいのではないかと思います。標準的な音域の女性などはキーを上げても良いと思います（高音域は「裏声の部分」を「地声」で歌っても良い）。

　一方、地声最高音hiBはラストサビで登場します。登場回数は2回程度です。同曲はラストサビで転調するため、それ以前ではhiA#が地声の高音として多く登場します。そのため、一般的な男性はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから３つ程度下げてみて下さい。
　同曲を原曲キーで歌唱する場合は、「（ある程度）高音域が得意な男性」、「標準より低めの女性」などが合いやすそうです（女性は少し低音感があるかも）。


　『雨燦々』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、おおよそ自分の得意なレンジに合わせることが可能だといえます。一方、同曲はサビなどで裏声が多用されるなど、難しい部分もあります。そのため、やはりビギナーなどには手を付けにくいのではないかと私は判断しました。
　同曲は、King Gnuのシングル曲の中では比較的手を付けやすい部類ではないかと私は判断しました。当然、難易度は高いのですが、『白日』(過去記事)、『三文小説』(過去記事)などと比べると、J-POP感があり、馴染みやすいのではないかと思います。また、今回はツインボーカルでもないので、一人で歌いこなすことも可能だと思います（力量は必要）。

　『雨燦々』は爽やかなバンド曲であり、一人でもチャレンジ可能な作品です。難易度は高いですが、歌いこなせると非常に気持ちの良い作品だと感じました。興味を持たれた方はチャレンジしてみて下さい。