『日常革命』( ねぐせ。 ) の 音域

　まず、『日常革命』についてです。この楽曲は、２０２２年にリリースされたEP作品『ワンダーランドに愛情を!』に収録されております。同アルバムには、人気作『グッドな音楽を』(過去記事)も収録されております。こうしてみると、今回の楽曲も含め、ねぐせ。の楽曲が多くの人に届き始めていることを改めて感じます。
　『日常革命』はアルバムの発売から1か月後のミュージックビデオが公開され、２０２３年５月現在、約７００万回もの再生回数を記録しております。『グッドな音楽を』同様に、バンドの人気が広まっていることを再確認させられます。


　さて、『日常革命』はスローなバンド曲です。歌メロはAメロBメロサビと展開し、2番以降はABメロ⇒Dメロ⇒ラストサビと展開します。従前のJ-POPと比べサビが1回少ない分、演奏時間も4分半程度とスロー曲としては短めです。
　同曲の作詞作曲はボーカル＆ギターのりょたちさん、編曲はねぐせ。と江口亮さんによりなされました。江口さんはいきものがかり、さユりさん、ポルノグラフィティ、LiSAさんなどと縁の深いアレンジャーであり、多くのヒット曲を生み出しております。

　『日常革命』の音域的な特徴についてです。同曲は、男性の音域としては高いレンジで歌メロが作られております。低音域に余地があるため、一般的な男性はキーを下げた方が歌いやすいです。
　同曲はAメロBメロ辺りはそこまで高くないのですが、サビでは全体的に高音域が多くなります。そのため、音域自体が広めの作品であり、低音～高音域まで要求されます。ただ、全体でみると、高音寄りであるため、高音域が得意な男性の方が歌いやすい楽曲です。

　ちなみに、同曲を女性が歌唱する場合、通常はキーを上げた方がマッチしやすいです。今回は地声最低音がmid1Dであり、また低音域としてはmid1G辺りがかなり多いです。そのため、原キーだと女性には低音域が辛い楽曲ではないかと思います。ただ、音域自体が広いため、ビギナーなどが歌いこなすには大変な曲といえそうです（これは男性も同様）。



　最後に『日常革命』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D(D3)～【地声最高音】hiB(B4)、【裏声最高音】hiD(D5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、高いです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1DはAメロや2番Bメロ等で登場します。登場回数はそこまで多くないです。この辺りは男性の音域の範囲内ですが、高音域が非常に得意な男性だと若干歌いにくいかもしれません。また、女性にとってはかなり低いレンジですので、女性は通常キーを上げた方がより歌いやすいと思います。

　次に、地声最高音hiBはサビを中心に登場します。裏声のhiDとコンボになっている部分も含めると、登場回数は15回以上と多いです。そのため、一般的な男性にとっては高く、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから３つ程度下げてみてください。


　『日常革命』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、ある程度自分が得意なレンジに調整することができると思います。ただ、同曲は音域自体が広いため、ビギナーにとっては難しい部分が出てくるかもしれません。サビでは裏声と地声の器用な使い分けが要求されます。

　『日常革命』を原曲キーで歌唱する場合、mid2F#～hiB(裏声はhiD)といった中高音域をしっかり歌いこなせることが求められます。とりわけ、今回はサビでhiBなどが多い反面、AメロBメロは比較的低めです。これらを踏まえると、「（ある程度）高音域が得意な男性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。


　『日常革命』はスローなバンド曲で、音域も広く、原キーだと高音域が大変な楽曲です。ただ、最近の曲としては歌い回しがゆったり目であり、そうした点では取っ付きやすそうです。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。