『オーバーライド』(吉田夜世)
【地声最低音】mid1G#(G#3)
★だけm2B[で]バッ[ド]ライフが[デ]フォとm2G#[か]【Aメロ】
★まぁ こm1G#[の]世[の]な[か]ガ[チャ]の[引]き[次]第で【2番Aメロ】
★そm1G#[れ]で[は]なしm2G#–m2F#[は]お]しまい
【最高音】hiC#(C#5) ※全体で1回のみ
★hiA#[吐いた]こ[と]ばのhiC#–hiB[う]ら]なん]て知るよ[し]もないだろう【ラスト】
【補足】mid2G#(一部のみ)~hiBを含むフレーズ一覧
★あらm2G#[がうため]に[エ]スケープ [フロ]ム・[デ]ンエン【Aメロ】
★m2G#[蛇]のG#–hiA[よ[う]に[這]い])、善戦
★最m2F#–m2G#[後[ぎゃ]く]転の一手だけ G#[何]故か詰められないの
★G–m2G#[く[らい]無[頼]社会 vs[B[RIGHT]G# [未G#[来] hiA–G#[せ]か]いなら【Bメロ】
★m2G#–hiA#[限[界]まで足掻いm2A#–m2B[た]人]生は【サビ】
★hiA#[想]像よりもA#–hiB^[く[るっ]てい]るら[しい]
★hiA#–[少]々こ[こhiB[ら]で]オーバーライド
★hiA#[そう]そう上手く[はhiB[い]か[ないB[よう]で]
★hiA#[人]間の[おhiB[も]う]事は知らないA#–hiB[ねえ[ええ]ええ]【2番サビ】
★hiA#[アンタ]が[書]いた[杜hiB[撰]な]コードばっか持て[はB[や]す[ユーB[ザー]よ]
まず、『オーバーライド』についてです。この楽曲は、2023年に吉田夜世(よしだやせい)さんによりリリースされたボカロ曲です。同曲は、2024年に入り注目を集め、ボカロチャートでも上位にランクインするようになりました。この記事を執筆時点では”ニコニコ VOCALOID SONGS TOP20”で7回目の首位を獲得しており(Billboard JAPANより引用)、今年の上半期を代表するボカロ曲の1つになっております。
『オーバーライド』はアップテンポのデジタルポップです。全体的にノリがよく、ボカロらしい中毒感もあります。反面、歌詞についてはやや重めの内容なっており、そうした点が軽快さ、ボカロの無機質かつ可愛らしい声質と相まって、多くの共感を集めております。また、演奏時間も2分超とコンパクトです。作詞作曲アレンジは吉田夜世さん、歌唱は重音テトSVによりなされました。
『オーバーライド』の音域的な特徴についてです。同曲は女性のとしてはやや高めのレンジで歌メロが作られております。低音域にいくらか余地があるため、標準的な音域の女性は少しキーを下げるのもよいと私は推測しています。
同曲はAメロBメロサビと盛り上がり、サビでhiB-hiA#などの高音が非常に多く見られます。低音については2番でmid1G#辺りが多いですが、見た目より低音感が無く、全体的に中高音寄りのニュアンスです。息継ぎのしにくい点なども考えると、「見た目は標準的だが、体感的にはやや高め」だと判断しました。反面、高音域が得意な女性などは少しキーを上げてもよさそうです。
ちなみに、男性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから4~5つ程度下げてみてください。また、「高音域が非常に得意な男性」についても、いくらかキーを下げた方がより安定すると思います。今回は低音域が意外と高いため、男性だと少し余裕を持ちにくいと私は推測しています。
最後に『オーバーライド』の音域についてですが、【地声最低音】mid1G#(G#3)~【最高音】hiC#(C#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域と比べ、やや高めです。以下、見ていきます。
まず、地声最低音mid1G#は2番Aメロで登場します。この辺りは女性の音域の範囲内です。メロは規則的であるため、比較的歌いやすいですが、「高音域が非常に得意な女性」などは若干歌いにくい可能性があります。「高音域が得意な女性」などは、キーを上げるのもよいと思います。
次に、最高音hiC#はラストサビ(もしくは2番サビ)で登場します。登場回数は1回のみです。このhiC#に次ぐ地声高音としては、hiBがピークとなる場面が全体で14回、hiA#が23回程度登場します(いずれもサビ)。①hiB-hiA#の登場回数、②息継ぎのしにくさなども考慮すると、女性の音域としてはやや高く、一般的には少しキーを下げるのもよいと私は推測しました。原キーがマッチする人も多いかもしれませんが、歌いにくい時は原キーから1つ程度キーを下げて歌ってみてください。
『オーバーライド』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、ある程度自分の得意なレンジに調整することができると思います。また、ビギナー向けの調整もある程度可能だと私は考えていますが、息継ぎなどが大変な作品であるため、一部歌いにくい部分が出てくるかもしれません。
同曲はメロ自体は比較的わかりやすい作品であり、カラオケなどでも歌いやすいです。一方、ボカロ曲らしく息継ぎが大変そうな場面があります。そのため、歌詞をしっかり覚えた上で、「どこで息継ぎを入れるか」、「どこで妥協するか」といった点も整理しておいた方がよいと思います。可能であれば、テンポを少し落として練習するのもよいと思います。
『オーバーライド』を原曲キーで歌唱する場合、mid2G#~hiB(終盤にhiC#)といった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。hiA以上の音階はサビを中心に頻出します。音域的にはおおよそ「標準的な女性の音域の範囲内」といえますが、サビでhiA-hiBなどが非常に多いため、私としてはやや高い印象を受けました(息継ぎなどもしにくい)。
こうした点を考慮すると、「標準よりやや高め~高音域が得意な女性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。「高音域が得意(or非常に得意)な女性」についてはいくらかキーを上げるのもよいと思います。
今回はボカロ曲としては高音域が控えめです。そのため、「ボカロ曲は高くて少し歌いにくい」といった女性でもチャレンジしうる作品だと私は分析しています。
【まとめ】
①低音は見た目より高い印象。最高音はそこまで高くないが、やや中高音寄り
②サビもそこまで高くはないが、息継ぎがしにくい
③原キーだと「標準よりやや高め~高音域が得意な女性」などに合いそう
④ボカロ曲としては高音が控えめであり、歌いやすい部類
⑤メロは分かりやすく、カラオケ向き(慣れないうちはテンポを少し下げるのもよい)