『強風オールバック』(ゆこぴ)、Kyoufuu All back(Yukopi)
【地声最低音】mid1G(G3)
★hiB[地]下にm2A[も]ぐりたA–m1G[い[な] って 2A[お]もいました【Aメロ】
★風m2E[さ]えなくなm2A–m1G[れ[ば] A[あっ]たかいA–G[の[に]
【地声最高音】hiB(B4) ※全体で25回程度
★hiB[そ]と出た瞬間 終m2G–B–hiA[わっ[た]わ]【サビ】
★かhiB[ぜ]強すぎて おm2G–hiA–B[亡く[な[り]
★定期定期てm2G–hiA–hiB[き[に[オ]ー]ル]バック
★外でm2G–hiB[た[ら] hiA–G[ハ]ト[ハ]ト[ハ]ト[ハ]ト] だ[い]乱闘【Aメロ】
★天気は良いのに すm2G–hiB–hiA[すめ[な]い]【ラストサビ】
【補足】mid2F#~mid2Gを含むフレーズ一覧
★m2E[天気]は[良いの]に[すm2G–m2F#[す]め]ない【サビ】
まず、『強風オールバック (feat.歌愛ユキ)』についてです(以下、『強風オールバック』)。この楽曲は、2023年にボカロPゆこぴさんによりリリースされました。配信限定のシングル曲であります。私が確認できる限り、現在YouTubeやニコニコ動画でミュージックビデオのみが配信されており、ストリーミングでは確認できません(5月23日現在)。カラオケではJOYSOUNDで歌唱が可能です。
『強風オールバック』は2023年3月にリリースされましたが、中毒性のあるメロとサウンド・歌詞が注目され、多くの再生回数を集めます。2か月の間で既に1900万回の再生委回数を記録しており、今年を代表するボカロ曲の1つとなっております。また、小津さんによる独特のアニメーションもネットミームとして拡散され続けております。
『強風オールバック』はミドル~アップのポップです。サビメロで楽曲ははじまり、Aメロサビと展開します。全体を通して残りはサビの割合が多く、Aメロは最初の1回のみです。メロディー自体もシンプルであるため、耳に残りやすいのではないかと思います。間奏ではソプラノリコーダーが用いられており、いい味を出しております。演奏時間は2分程度であり、その点でも気軽に聴ける1曲です。使用ボカロは歌愛ユキであり、ミュージックビデオのアニメーションにも使われております。
『強風オールバック』の音域的な特徴についてです。同曲は、おおよそ女性の音域の範囲内で歌メロが作られております。そのめ、ボカロ曲としてはかなり取っ付きやすいです。ただ、私個人としては、原曲のニュアンスを考慮し、少しキーを下げた方が歌いやすいのではないかと感じました(標準的な女性の場合)。もちろん、原曲キーで歌うのもよいと思います。
同曲は最高音がhiBでありますが、登場回数が全体で25回とかなり多いです。そのため、見た目よりも高音感があるのではないかと思います。高音域が非常に得意な女性などは原曲キーでもよいかもしれませんが、通常は少しキーを下げた方がマッチしやすいと思います。
ちなみに、同曲を男性が歌う場合、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。人によっては1オクターブ下のメロを歌唱してもよいかもしれません。レンジ的にみると、「高音域が非常に得意な男性」は原曲キーでの歌唱も可能そうに見えますが、かなり声を張る必要がありそうです。そのため、高音域が得意な男性であってもキーを下げた方がマッチするのではないかと私は分析しております。
最後に『強風オールバック』の音域についてですが、【地声最低音】mid1G(G3)~【地声最高音】hiB(B4)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域の範囲内です(体感的にはやや高め)。以下、見ていきます。
まず、地声最高音hiBはサビ等を中心に全体的に登場します。この辺りは女性の音域の範囲内ですが、慣れていないとスムーズな発声が損なわれやすいです。また、hiBの登場回数も25回とかなり多いので、一般的には少しキーを下げた方が歌いやすいのではないかと思います。一つの目安ですが、原曲キーから1~2つ程度下げてみてください。
『強風オールバック』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。同曲は最高音もhiBとそこまで高くないため、キー調整をすればある程度自分が得意なレンジに調整することができると思います。また、ビギナー向けの調整も可能であり、練習曲としては使いやすいと思います。
一方、同曲は歌詞がコミカルであり、歌唱もボカロによるものです。私なりの印象なのですが、こうしたコミカルな楽曲は、「少し音程がズレてもいいので、ゆるーく楽しく歌う曲」だとも感じました。そのため、あまり厳密な音程や、こぶしの利いた歌い方などにこだわり過ぎない方が良いと思います。
『強風オールバック』を原曲キーで歌唱する場合、mid2G~hiBといった中高音域をしっかり歌いこなせることが求められます。同曲は短い演奏時間の中でhiBが25回も登場します。そのため、体感的に辛くなりやすいのではないかと思います。メロも全体的に中高音寄りです。
こうしたことを踏まえると、「標準よりやや高め~高音域が得意な女性」が原曲キーに合いやすいと私は判断しました(「標準的な音域の女性」が原キーで歌えないというわけではない)。
『強風オールバック』はコミカルな歌詞と中毒的な音作りが融合したポップであり、カラオケなどでも歌いやすいと思います。個人的には、リコーダーの使い方も面白く感じました。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。