『北上のススメ』(ネクライトーキー)の音域

★どっか置いてきた 動hiB[け]hiA[な]いまま

★m2D[とま]hiA[どっ]てA[いたい] (間違えていたい)

★hiD[北]hiA[へ][向かえば]D （中略）  hiD[え][ば]D[え][ば]いいよ【サビ】

★止hiB[まん]hiA[ない] でいて 雨はつA[づい]た


　まず、ネクライトーキーについて少し説明します。ネクライトーキーは2017年に結成された5人組のロックバンドです。メンバーのうち、朝日、藤田、カズマ・タケイさんの3人は、「コンテンポラリーな生活」というバンドを組んでおり、そこにボーカルとキーボードの2人が加入する形になりました。作詞作曲を務めるギタリストの朝日さんは、石風呂名義でボカロPとしても活躍されておりました。また、ボーカルのもっささんは、歌い手としても活動された経験があるようです。この辺りは、今っぽい経歴だと感じました。
　「ネクライトーキー」いうバンド名は、ネクライ(根暗+Cry+Light)、トーキー(話し手)を組み合わせたものが由来となっております。こうしたこともあってか、明るいポップ調でありながら、陰キャめいた歌詞フレーズなどが特徴的であります。ネクライトーキーの人気曲としては、『オシャレ大作戦』、『こんがらがった!』、『ゆるふわ樹海ガール』などが再生回数を集めているようです。『ゆるふわ樹海ガール』は朝日さんのボカロP時代の作品でもあります。
　2021年7月には、新曲『ふざけてないぜ』が、ヒロユキさんの同名漫画を原作としたアニメ『カノジョも彼女』のオープニングテーマとして起用される見込みです。同漫画は私もよく知っているのですが、ネクライトーキーとは相性がいいのではないかと思います。こうしたこともあり、今後の活躍が益々期待されます。

　さて、『北上のススメ』（ほくじょうのすすめ）についてです。この楽曲は、2020年にネクライトーキーによりリリースされたアルバム『ZOO!!』に収録されております。同アルバムは、バンド初のメジャーフルアルバムであり、リリースとともに、この『北上のススメ』のMVがバンドのYouTube公式チャンネルで公開されました。公開されたMVは600万回もの再生回数を記録しており、バンドの勢いがうかがえます。

　『北上のススメ』はアップテンポなバンドナンバーです。サウンドやMVについては、どことなく特撮ドラマなどを彷彿とさせるものがあります。歌詞については、従前の楽曲に比べて根暗感は抑えられているのではないかと感じました。歌メロは、「ドッシンドッシン」、「北へ向かえば　えば　えば」など中毒性の高いフレーズが繰り返されます。

　『北上のススメ』の音域的な特徴についてです。上述のように、女性の声域としては高いレンジで歌メロが作られております。音域自体が狭いため、高音域を歌いこなす力だけでなく、スタミナも求められると思います（原曲キーの場合）。一般的な女性はキーを下げた方が歌いやすいです。

　
　最後に『北上のススメ』の音域についてですが、【地声最低音】mid2D(D4)～【地声最高音】hiE(E5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域よりも高いです。以下、見ていきます。

　まず、地声最高音hiEはラストサビの直前で1回登場します。回数としては少なめです。ただ、同曲は、【hiD[北]hiA[へ][向かえば]D   hiD[え][ば]D[え][ば]】という象徴的なフレーズで何度もhiDが登場します。こうしたこともあり、一般的な女性はキーを下げた方が歌いやすいです。原曲キーから２～３つ程度を目安にキーを下げてみてください（♭２～３）。

　『北上のススメ』は音域自体は広くなく、キー調整はしやすいです。キー調整に抵抗が無ければ、歌い慣れていない人向けの調整も可能だと思います。キー調整が可能であれば、練習曲としてもおススメです。
　同曲は、全体としてコミカルさや可愛らしさが強調されております。よって、音程も大事ですが、「楽しく歌う」といったことも音程以上に重要なのではないかと思います。ミスなどが出ても気にせず、歌ってください。

　ボーカルのもっささんは歌い手としても活躍されていたということもあり、『北上のススメ』を原曲キーで歌う場合、①hiEやhiDなど高音域を歌いこなす力とともに、②持久力（スタミナ）なども求められます。そのため、原キーの場合は、声の高い人向けの楽曲になります。私自身、ネクライトーキーの楽曲をすべて把握しているわけではないですが、同バンドの楽曲は、この『北上のススメ』と似た傾向を持っていると分析しています。

　『北上のススメ』は、キー調整を加えれば、一般の女性でも楽しく歌えます。歌詞やメロディー自体もカラオケなどで歌いやすいです。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。