『絆ノ奇跡』(MAN WITH A MISSION×milet)の音域

　まず、『絆ノ奇跡』（きずなのきせき）についてです。この楽曲は、２０２３年にロックバンドMAN WITH A MISSIONと女性シンガーソングライターのmiletさんによりリリースされたシングル作品です。現在は配信限定のシングルですが、５月末に『コイコガレ』との両A面シングルとしてCDでのリリースが予定されております。ちなみに、マンウィズは以前にも『Reiwa feat. milet』という楽曲でmiletさんとコラボしております。

　さて、『絆ノ奇跡』は、吾峠呼世晴さんの同名漫画を原作としたテレビアニメ『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』のオープニングテーマとして書き下ろされました。ちなみに、先述の『コイコガレ』についてもエンディングテーマとして制作されており、マンウィズ×miletの両名がOPとEDの両方を担当することとなります（エンディングテーマの方は梶浦由記さんが作詞作曲共同アレンジを担当しております）。


　『絆ノ奇跡』はアッパーなバンド曲です。作詞作曲をギター担当のJean-Ken Johnnyさん、編曲をMAN WITH A MISSIONが担当しております。そうしたこともあり、アニメのオープニングらしい力強いロックナンバーとなっております。原作のイメージもあり、演奏に三味線が加えられるなど和のテイストも強調されております。
　同曲の歌メロについては、AメロBメロサビと展開します。今回はサビの以外は、ほぼ男女が共通のメロを歌唱しております（主旋律について）。そのため、男性はどちらかといえば高いレンジ、女性はやや低いレンジが求められます。カラオケの際は注意したいところです。


　『絆ノ奇跡』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域としては「高め」のレンジ、女性については「やや低め～標準的」ななレンジで歌メロが作られております。1人で男性が歌唱する場合、一般的にはキーを下げた方が歌いやすいと思います。女性の場合、少しキーを上げてもよいかもしれません。
　同曲は男女によるコラボ曲であり、AメロBメロ辺りは男女共通しておりです。そのため、男性にとっては相対的に高い音が多く、女性にとっては若干低い音が多いです。今回はマンウィズの声域が標準より高く、miletさんも低音域が得意であるという特性を持つため、今回のようなコラボレーションが可能だったではないかと私は推測しております。



　最後に『絆ノ奇跡』の音域についてですが、【地声最低音】mid1F(F3)～【地声最高音】hiC(C5)[男性はhiA#(A#4)]、【裏声最高音】hiC(C5)[女性のみ]で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域としては高め、女性は標準の範囲内（低音が低め）といったところです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1FはAメロやBメロ、Dメロで登場します。この辺りは男女それぞれの音域の範囲内です。ただ、最低音がmid1Fの楽曲は男性にとっては「相対的に高く」、女性にとっては「相対的に低め」の曲になることが多いです。そのため、低音域については、女性の場合、少し歌いにくく感じられる人も多いかもしれません。女性が歌う場合、場合によっては少しキーを上げるのも選択肢だと私は感じました。

　次に、地声最高音hiCおよびhiA#は、それぞれサビで登場します。hiCは全体で5回程度、hiA#は全体で2回です。そのため、男性の場合、標準より高く、通常はキーを下げた方が歌いやすそうです（ただ、その分女性パートが大変になる）。
　一方、女性パートの最高音については標準的です。そのため、高音域については多くの人が原曲キーでの歌唱にマッチしそうです。逆に高音域が得意な女性だとキーを上げた方がよいかもしれません。


　『絆ノ奇跡』は男女のボーカルによるコラボ曲です。そのため、男性と女性が一緒に歌唱する場合、通常キー調整はしにくいと私は考えました。一緒に歌うのが同姓か、もしくは1人で歌唱する方がキー調整はしやすそうです。その点は、やはり声域の異なる男女のコラボの難しさでもあります。

　『絆ノ奇跡』を原曲キーで歌唱する場合、男性はmid2F～hiA#、女性はhiA#～hiCといった高音域が求められます。反面、低音は女性にとっては少し低いです。そのため、男性の場合は「（ある程度）高音域が得意な男性」、女性の場合は「標準よりやや低め～標準的な音域の女性」が原曲キーに合いやすいと私は判断しました。
　ちなみに、同曲を一人で歌う場合、男性の場合は「高音域が非常に得意な男性」、「女性の場合は標準より(やや)低めの音域の女性」などが合いやすいのではないかと私は推測しております。1人で歌う分、男性は高音域、女性は低音域の負担が大きくなります。


　『絆ノ奇跡』はアッパーなバンド曲であり、カラオケなどで歌うと楽しそうです。また、男女によるコラボ曲としては比較的取っつきやすいのではないかと私は推測しました。メロも分かりやすいです。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。