『カーテンコール』(優里)の音域 / 『僕のヒーローアカデミア』OP曲

　まず、『カーテンコール』についてです。この楽曲は、２０２４年に男性シンガーソングライターの優里さんによりリリースされたシングル作品です。この記事を執筆時点では配信限定のシングルであり、９月上旬にCDシングルとしてのリリースが予定されています。アルバムには未収録です。

　『カーテンコール』は、堀越耕平さんの同名漫画を原作としたテレビアニメ『僕のヒーローアカデミア』13期オープニングテーマとして書き下ろされました。アニメの主題歌ということもあり、全体的に元気がよく、力強いロック曲になっています。作詞作曲は優里さんとCHIMERAZ、編曲はCHIMERAZによりなされました。


　『カーテンコール』の音域的な特徴についてです。同曲は、男性の音域としては高めレンジ（体感的には明確に「高い」）で歌メロが作られております。低音域に余地があるため、一般的にはキーを下げた方がより歌いやすいと推測されます。
　同曲はAメロBメロでは中低音の比率が高く、サビで大きく盛り上がります。そのため、音域は低音～高音までそれなりに広いです。低音はそこまで低いわけではないですが、メロのアップダウンが意外と激しいため、「高音域が非常に得意な男性」などは少し歌いにくい部分が出てるかもしれません。高音域については、サビでmid2E～mid2G辺りが超頻出であり、息継ぎもしにくいため、体感的に高く感じやすいと思います。発声は地声ベースであり、裏声は少なめです。

　女性が同曲を歌唱する場合、通常はいくらかキーを上げた方が歌いやすいと思います。今回は最低音がmid1Eであり、mid1Fやmid1Gなども要所で登場します。こうした点を考慮すると、原曲キーから３つ程度上げた方がより歌いやすいと推測されます。ただ、「標準より低めの音域の女性」などは例外的に原キーマッチする可能性もあります。



　最後に『カーテンコール』の音域についてですが、【地声最低音】mid1E(E3)～【地声最高音】hiA(A4)、【裏声最高音】hiA(A4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、「高め」（体感的には明確に「高い」）です。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1EについてはDメロで登場します。登場回数は１回のみです。この辺りは男性の音域の範囲内です。ただ、今回はメロの上下が意外と激しい場面があるため、人によってはは少し歌いにくい部分が出てくる可能性があります。

　次に、地声最高音hiAはDメロで登場します。登場回数は１回のみ（アウトロのフェイクを含めると２回程度）です。このhiAに次ぐ地声高音としては、mid2G#がピークとなる場面が全体で３回、mid2Gが全体で３２回程度登場（大部分はmid2Fとのコンボ）します。こうした点を考慮すると、男性の音域としては高く、通常は少しキーを下げた方が歌いやすいと私は推測しています。一つの目安ですが、原曲キーから１～２つ程度下げてみてください。


　『カーテンコール』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であればある程度自分が得意とするレンジに調整することができそうです。ただ、今回の楽曲は音域がそれなりに広いため、ビギナーだと一部歌いにくい部分が出てくるかもしれません。その点は留意しておいてください。
　同曲はメロディー自体は分かりやすく、リズムなども覚えやすいです。ただ、今回の楽曲はサビを中心にで息継ぎがしにくそうです。慣れないうちは、少しテンポを落として練習するのもよいかもしれません。また、今回の楽曲は要所で転調がなされるため、音程を取るのが苦手な人は注意したいです（Bメロ⇒サビなど）。

　『カーテンコール』を原曲キーで歌唱する場合、mid2E～hiAといった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。今回はサビを中心にmid2E～mid2Gがかなり多く、息継ぎもしにくいため、見た目よりも高音感があります。一方、低音域はmid1Eが最低音で標準的ですが、一部アップダウンが激しい場面があります。
　こうした点を考慮すると、「ある程度～非常に高音域が得意な男性」などが原曲キーにマッチしやすいと私は推測しました。また、「標準より低い音域の女性」なども原キーが合う可能性があります（女性は通常はキー上げを推奨）。


【まとめ】

①AメロBメロは中低音中心、サビは中高音が頻出（音域は広め）
②原キーだと「ある程度～非常に高音域が得意な男性」などに合いそう
③サビは息継ぎしにくいので注意（慣れないうちはテンポを落としてもよい）
④メロは分かりやすい。転調が行われるため、音程が苦手な人は注意