(2019/05/05) DAOKO×米津玄師バージョンの『打上花火』についてはこちらです。
こんにちは。今回は米津玄師さんのアルバム『BOOTLEG』(2017)から、『打上花火』(2017)を取り上げます。よろしくお願いします。尚、米津玄師さんのソロバージョンの『打上花火』は現在youtubeの公式チャンネルでは公開されておりません。動画はDAOKOさんとのデュエットバージョンを添付します。
『打上花火』といえば、映画の主題歌にもなった【DAOKO×米津玄師】名義の楽曲が知られていますが、今回は、米津玄師さんのセルフカバーの作品をメインに取り上げます。セルフカバーとはいえ、歌詞やメロディー含め、アレンジもDAOKOバージョンと異なる部分が多いです。
『打上花火』(米津玄師)、Uchiage Hanabi(Kenshi Yonezu)
【地声最低音】mid1C(C3)
★寄り返す波が 足元をよぎり[何]かを攫([さ]ら)う
【地声最高音】hiA(A4)
★きっmid2G[と]まだ 終[わら]hiA[ない][な]2F[つ]が
【補足】mid2Fの注意箇所
★夕凪の中 日暮れだけがm2F[通]り過ぎて行く
★m2F[もう]二度と悲2F[し]まずに2F[済]むように
まず、『打上花火』についてです。この楽曲は2017年に、新房昭之監督のアニメ映画『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』のために書き下ろされたが作品で、【DAOKO×米津玄師】名義で発表されました。youtubeの公式チャンネルでは2億5000万回以上再生され、その年の代表的な楽曲として認知されています。また、2018年末の紅白歌合戦ではDAOKOさんがこの楽曲を披露しています。編曲は米津玄師さんと田中隼人さんが行っております。
DAOKOバージョンのアレンジはピアノから始まり、サウンドは『西洋的な印象』でポップ色が強いです。また、楽曲のイメージとしては海や空、青や黒を想起させます。Aメロ、Bメロが海や空の「静けさ」を表現しているのに対し、サビはストリングなどのサウンドが加わり、非常に『打上花火感』が表現されています。メリハリが非常に効いており、「シングル曲」として仕上がっている印象です。
【DAOKO×米津玄師バージョン】
一方、米津玄師さんのソロ作品としての『打上花火』はアルバム『BOOTLEG』に収録されています。こちらは動画の公開もされておらず、テレビでも披露されていないため、知名度は世間的にはあまり高くないのかもしれません。
米津ソロバージョンは、アレンジとしては『和の印象が強い』作品になっております。祭りのような声も収められており、イメージとしては『山、あぜ道、神社』の印象が強く、時間帯としては夕焼け、橙色を想起させます。米津さんは『Flamingo』など和のテイストの強い作品も作っているので、ある意味で米津さんらしいアレンジといえるかもしれません。全体としてゆったりとした印象で、シングル曲というよりは、アルバムの中の良曲として仕上がっております。アレンジは米津玄師さんが一人で行っております。
さて、米津玄師ソロver.の『打上花火』の音域についてですが、地声最低音mid1C(C3)~地声最高音 hiA(A4) でメロディーが構成されています。一般的な男性の音域よりも少し高い構成になっております。
個人的にはこの『打上花火』はかなり歌いやすいのではないかと思っています。理由として、
①テンポが非常に緩やかであることと
②米津作品にしては低音部分が少ない
③メロディーが美しいため、hiA(A4)部分の「きっとまだ 終わら「ない」夏が」の部分は裏声でも形になり、原曲のニュアンスが崩れにくい
『打上花火』、『灰色と青』、『パプリカ』のように、米津さんは他アーティストへの提供作品、コラボ作品はかなり歌いやすい仕上がりを心がけているように感じます。
③について、もしそれでもキーが高いと感じるのであれば、♭1~♭2程度下げても良いと思います。キーを下げても音が上手く取れていれば確実に映える楽曲です。努力が報われやすい作品であると思います。
アレンジとしてはDAOKOさんバージョンよりも派手さは無いですが、楽曲としては知名度が高いので、カラオケなどでも歌いやすいのではないでしょうか。