こんにちは。今回は星野源さんの『Friend Ship』(2016)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回もリクエストによる選曲です。
『Friend Ship』(星野源)、Friend Ship(Gen Hoshino)

【地声最低音】mid1D(D3)
★m1D[いつ]かまた 会える[か]な
【地声最高音】mid2G(G4) ※曲全体で2か所
★景色がm2E{ひ]m2F#[と]つ m2G[み]ず][の]そF#[こ]に]消えた(Aメロ)
★m2G[い]m2F#[っ]m2E[ぽ]踏[み][出]すさま(2番Aメロ)
【裏声最高音】hiA(A4) ※曲全体で1か所(Cメロ)
★何処まm2F#[で]m2E[も] つ[づ]{く]hiA裏[旅]m2G[の]F#[す]E[み]で
【補足】mid2E~mid2F#の注意箇所
☆m2E[き]m2F#[み][の]手をに[ぎ][る]E[た]びF#[に] (サビ)
☆m2F#[わ]m2E[か]らF#{な]E[い]まま
★何時まm2F#[で]m2E[も] き[み][の]E[ぉ]ことで笑う(Cメロ)
まず、『Friend Ship』についてです。この楽曲は、2015年にシンガーソングライターの星野源さんにより発売されたアルバム『YELLOW DANCER』に収録されているナンバーです。アルバムの最後の曲であります。同名の漫画を原作とする映画『森山中教習所』の主題歌として、タイアップが付きました。
『Friend Ship』はミディアムテンポのダンスナンバーです。ピアノのイントロから始まりますが、それにマリンバの演奏が重なります。ピアノは楽曲を通して終始流れ続けますが、個人的には、マリンバの音色の方が印象に残りました。ダンスミュージックではあるものの、楽曲全体を通して落ち着いております。また、楽曲の終盤に電子音楽が持ち込まれており、YMOなどを想起させられました。歌メロディーは切なさを帯びたポップな旋律です。カラオケなどでも歌いやすいかもしれません。
『Friend Ship』はリクエストにより選曲したものですが、その際に「『Friend Ship』はキーが少し高くないように見えて、少し歌いにくい」とコメントがされていました。そのことついて、私なりに分析してみました。
上述の【補足】☆部分にあるように、『Friend Ship』のサビではmid2E,mid2F#といった音階が多く登場します。mid2E,mid2F#は一般的な男性の音域の範囲内ですが、その中でも高めの音域であります。一方で、『Friend Ship』のサビのフレーズは☆の箇所でほぼ全部です。つまり、サビ全体を通して、mid2E,mid2F#が連発されます。
通常の楽曲では、サビであっても高い部分と少し低い部分があり、低い部分などでは少し力を抜けます。①hiB,hiCといった高音域が登場する楽曲であっても、サビの中で低い部分があると、少し力を抜くことが出来るため、どうにかなることがあります。
一方で、②あまりキーが高くなくない楽曲でも、サビの中で休める場所が少ないと、難易度が高くなりやすくなります。以前に申し上げましたかもしれませんが、私はスピッツの『楓』あたりはそうした例としてすぐに想起させられます。『楓』はhiA#が地声最高音の曲ですが、サビではmid2G#のロングトーンなどが連発され、hiA#が地声最高音の楽曲としては非常に難易度が高いです。
【さm2F[よ]m2G[な]m2G#[ら~~~] G#[き]G[み]F[の]声をG#[だ~]G[い]G#[て~]hiA#[あ]G#[る]G[いて]G#[ゆく~]】
☆『Friend Ship』が「キーが高くない割に、歌いにくい理由」は、
①サビ全体を通してmid2E,mid2F#といった中高音域の音が連発される
②力を抜ける場所も少ない
ことにあると私は考えました。また、歌メロがゆったり気味な点も難易度を上げていると思います(音をキープするのが大変であり、また音を外すと目立ちやすいです)。逆に「歌メロディーのテンポが速い」等の楽曲だと、少し音が外れてもミスが目立ちにくい印象です。最近は後者のような楽曲が多いです。
※リクエストされた方の質問のおかげで、今回、非常に面白い分析が出来きました。スピッツの『楓』は近いうちにちゃんと取り上げようと思います。上白石萌歌さんがカバーした『楓』も加筆したいと思います。
さて、最後に『Friend Ship』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D(D3) ~【地声最高音】mid2G(G4) 、【裏声最高音】hiA(A4)でメロディーが構成されております。一般的な男性の音域の範囲内です。以下、見ていきます。
多くの部分は先ほど触れましたが、『Friend Ship』はとりわけmid2E,mid2F#辺りの音が非常に重要になります。これらは一般的な男性の音域の範囲内の音階でです。ただ、サビでこれらの音が連発されますので、mid2F#の音を安定的に発声することが出来るかが試されます。見た目以上に難易度は高いと考えてください。
普段歌い慣れていない人は、サビの部分でつまずく可能性が高いです。キーを少し下げた方が良いと思います。『Friend Ship』は低音部にも余裕がありますので、キーを2つ程度下げて練習してみてください。歌い慣れると、原曲キーで歌いこなせる可能性も高いです。努力が報われやすい楽曲であると思います。ただし、地声が元々低い方はやはり無理せずにキーを下げてください。
コメント
こんにちは。
Friend shipをリクエストをした者です。
いつもながら非常に詳細な調査をして頂き、ありがとうございます。
また私の質問に対してもご回答いただきありがとうございました。
一番サビは苦もなく歌えるのに、ラスサビになるともたない・・という状況だったのですが、おかげで謎が解けました。ありがとうございます。
King gnuやMrs.GREEN APPLEなど最近売れているバンドを歌いこなすために高音域にばかり意識が向いていたのですが、こういったmid2E,mid2Fあたりの中高音域を安定的に歌えるようにするのも大事だなと痛感しました。
以前ヒゲダンの「始まりの朝」を取り上げて頂いた頃よりもかなり忙しくされているご様子ですが、どうぞお体ご自愛ください。
では長文失礼いたしました。
もし気になる曲があればまたリクエストさせて頂ければと思います。
>>1
コメントありがとうございます。
私自身が最高音や最低音以外も調べようと考えた理由の1つに
『Friend Ship』のような「キーが高くないのに歌いにくい曲」があったからです。
今回、同曲を取り上げられたことは、私にとって非常に意義深いものでした。
また、リクエストがありましたら宜しくお願いします。
分かる範囲ですが、力になります。
星野源さんの歌声はかなり地声に近くて力強いですよね。このキーをあんなに力強く出せるのが凄いです…
>>3
コメントありがとうございます。
本文にもありますが
この楽曲は「見た目の音域以上に難しい」という理由で
取り上げました。
地声最高音は1番Aメロでも普通に使われてたと思います…
確認しました。確かにAメロでもありますね
時間があるときに加筆いたします
教えていただきありがとうございます