『修羅の巷』(神はサイコロを振らない)
【地声最低音】lowF#(F#2)
★生まれながらにしてずっm1F#[と] 比べられてきた半生記[を]【Aメロ】
★喉の奥掻き毟って なm2D[かっ]たことにしてm1E[く]れ
★m2E[栄]光なんてくだらない理想に m1E–F#[す]がっ[て])たい【Bメロ】
☆★自由も正解もlowF#–m1A[や]す]らA[ぎ]もない修羅のちまA[たで]【ラストサビ】
【地声最高音】hiA(A4) ※全体で14回
★ぶhiC#裏[ざ]hiA地–m2G#[ま]にい[こうぜ]【サビ】
★(Falling down 背負う罰とpast) [yeah]hiA
【裏声最高音】hiC#(C#5) ※サビで登場
★ぶhiC#裏[ざ]hiA地–m2G#[ま]にい[こうぜ]【サビ】
まず、『修羅の巷』(しゅらのちまた)についてです。この楽曲は、2023年にロックバンド【神はサイコロを振らない】によりリリースされたシングル作品です。配信限定のシングルであり、現在、アルバムには未収録です。ただ、神サイは今年の9月下旬にリリース予定のアルバムだそうで、その中への収録が見込まれております(TOWER RECORDSより引用)。
さて、『修羅の巷』はテレビドラマ『ラストマン-全盲の捜査官-』の挿入歌として書き下ろされました。同ドラマは原作のないオリジナル作品でありながら、比較的高い視聴率を記録しております。そうしたこともあり、同曲への注目、バンドへの訴求効果も期待されます。
ちなみに、私自身はドラマではなく、ツイッターの相互フォロワーのつぶやきを見て、同曲を知りました。『修羅の巷』はスローなバンド曲ですが、ロックバンドらしいヘヴィなギターサウンドが印象的であり、私個人としても非常に耳に残りました。最近のJ-POPと比べるとシンプルな構成ですが、今回記事にしたいと強く感じました。
『修羅の巷』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域としては高めのレンジで歌メロが作られております。一般的な男性は通常は少しキーを下げた方が歌いやすいと思います。
同曲は全体でみると、中低音域が多い作品で、サビの一部でmid2F#以上の高音レンジが登場します。反面、lowF#などの低音域が登場する場面もラストサビの一部のみ(サビの1オクターブ下を歌う)で、「低音域が非常に低い場面」も限られます。全体でみるとmid1E~mid2D辺りの割合が高い楽曲です。
ちなみに、女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいと思います。今回はラストサビの一部は通常サビの1オクターブ下のレンジで歌唱されており、lowF#やmid1Aといった音階が登場します。女性の場合、ラストサビのオク下げの場面は、通常サビと同じような高さで歌うのが良いと思われます。lowF#などが登場する場面を除くと、同曲はmid1Eが最低音となるため、女性はキーを上げるとチャレンジしやすくなります。
最後に『修羅の巷』の音域についてですが、【地声最低音】lowF#(F#2)~【地声最高音】hiA(A4)、【裏声最高音】hiC#(C#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、高めです(低音域は低い)。以下、見ていきます。
まず、地声最低音lowF#はラストサビで登場します。ここは通常のサビの1オクターブ下のレンジで歌われております。そのため、女性や低音域が苦手な男性は、ラストサビの始まりの部分を通常サビと同じ高さで歌うとよいのではないかと私は推測しました。全体でみるとmid1E未満の低音域が登場する場面は少ないです。
次に、地声最高音hiAはサビで登場します。登場回数は14回(【ぶhiC#裏[ざ]hiA地–m2G#[ま]にい[こうぜ]】で2回と数えてます)です。このhiA辺りは男性としては高く、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから2つ程度下げてみてください。
『修羅の巷』は低音域が低く、原曲と同じように歌うとキーを下げる余地がほとんどありません。ただ、「【ラストサビの1オクターブ下のメロ】を通常サビと同じ高さで歌う」と、必要となる低音域がmid1E辺りになります。オク下げオク上げが自在に出る人は参考にしてみてください。
ただ、原曲と同じように歌うと、やはりキー調整には向きにくい曲だといえます。その点で、歌い慣れた人向けの楽曲です。
『修羅の巷』を原曲キーで歌唱する場合、低音域はmid1A辺り(厳密にいえばlowF#も)、高音域はmid2E~hiAといったレンジが要求されます。今回は音域自体がかなり広いため、歌える人も限られそうです。こうしたことを踏まえると、「標準より高め~ある程度高音域が得意な男性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。
『修羅の巷』はスローなバンド曲ですが、全体的にダークな印象があり、サウンド面も含め、私自身強く印象に残った楽曲です。カラオケで盛り上がる作品とは言えないかもしれませんが、興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。