『fake face dance music』(音田雅則)
【地声最低音】lowG#(G#2) ※全体で1回のみ
★絡まってるのに 愛は解けてゆm1D#[く]【サビ】
夜m1C#[明]け[ま]で[お]どっlowG#–m1A#[てい]る]
★稀に見かける愛を 信じ続けm1D#–m1C#[て[る]【Aメロ】
【地声最高音】mid2F#(F#4) ※全体で2回程度
★それでもあm2F–m2D#[い]し]た[運m2F#–F[命]で]【Bメロ】
★君しm2F–m2D#[か]見]て[ないm2F#–F[と]か]【2番Aメロ】
【補足】mid2D#(一部略)~mid2Fを含むフレーズ一覧
★洒落たm2D#–m2F[よ[る]に] 流れたメロディー【サビ】
★ばかばかしいニュースで 誰かがm2D#–m2F[笑っ[て]た]【Aメロ】
★知っm2F–m2D#[てる]世界]じゃなくなっていた
★本当におm2F–m2D#[か]し]な[じ]んせいね 【Bメロ】
★あなたにこm2F[の]ここ[ろ]をハイ[ジャッ]クされた
★m2F–m2D#[こ]れ]が[ほ]んとうのしあ[わF[せ]な]んだろな【2番Aメロ】
★時計の針だm2D#–m2F[け[が]な]がれてく おいF[て]か]ないでね【2番サビ】
★バッドなエンディンm2D#[グ] [振m2F[る]の]もそっちのタイミング【Dメロ】
まず、『fake face dance music』についてです。この楽曲は男性シンガーソングライターの音田雅則(おとだまさのり)さんによりリリースされたシングル作品です。配信限定のシングル作品です。最新作であるため、アルバムなどには未収録です。
『fake face dance music』はTik tokでヒットしたのち、現在はSpotifyの総合チャートでも上位にランクインしており、またアジア各国のバイラルチャートを賑わすようになっております(2023年9月現在)。最近はプロとアマチュアの垣根も下がっておりますが、今年ブレイクしたインディペンデント作品の代表的な1曲だといえそうです。
音田雅則(おとだまさのり)さんは、2021年頃にTik tokやYouTubeのチャンネルでオリジナル楽曲の動画の投稿を始めます。『幸せ』、『夜空』、『ウエディング』などのシングル曲で着実に実績を積み上げ、2023年には今回取り上げる『fake face dance music』で大きなブレイクを果たします。音田さんは、現在、19歳になったばかりということもあり、これからの益々の活躍が期待されます。
さて、『fake face dance music』はチルなデジタルポップです。頭サビで歌メロが展開し、AメロBメロサビと展開します。全体的に韻を踏んだリズミカルなメロが特徴であり、ボーカルのレンジも従前のJ-POP男性曲と比べると落ち着いた印象です。歌詞内容は、交際相手の浮気により失恋する主人公の姿が軸となっており、その点は若いリスナーにも共感を得やすいのではないかと推測しております。作詞作曲は音田雅則さん、編曲はESME MORIさんによりなされました。
『fake face dance music』の音域的な特徴についてです。同曲は大よそ一般的な男性の音域の範囲内で歌メロが作られております。ただ、今回はlow音階が登場するなど低音域が低い場面があるため、キー下げにはやや向きにくいと思います。
同曲は中高音としてmid2D#~mid2F#が登場するなど、最近のJ-POP男性曲としては高くなく、一般的な男性でも原曲キーでのチャレンジがしやすいといえます。とはいえ、音田さんのような歌唱をするためにはしっかり歌い慣れておく必要があります。
ちなみに、女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいと思います。今回の楽曲は落ち着いた印象の作品です。そのため、キーを上げ過ぎず、低音域が活きるような調整をした方が、原曲のニュアンスを表現しやすいと思います。
最後に『fake face dance music』の音域についてですが、【地声最低音】lowG#(G#2)~【地声最高音】mid2F#(F#4)で歌メロディーが構成されております。おおよそ一般手金男性の音域の範囲内(低音域は一部低め)です。以下、見ていきます。
まず、地声最低音lowG#は歌い出しのサビで登場します。登場回数は1回のみです。この場面以外ではmid1C#が1回程度登場。それ以外ではmid1D#辺りが複数回見られます。こうしたことを踏まえると、「低音域は男声域としては標準的だが、一部低い箇所がある」と私は分析しました。ただ、「高音域が非常に得意な男性」などはやや歌いにくいかもしれませんので、場合によってはキーを上げるのもよいと思います。
次に、地声最高音mid2F#はBメロ等で登場します。登場回数は2回程度です。このmid2F#はおおよそ一般的な男性の音域の範囲内ですが、歌い慣れていない人だとスムーズな発声が損なわれやすいです。比較的克服しやすい音階ですので、少しずつ練習を重ねてください。
mid2F#に次ぐ地声高音としては、mid2Fが曲全体で多く登場します。今回の楽曲の地声高音についてはmid2D#~mid2F#辺りがしっかり歌えることが要求されます。高音域に関しては、最近のJ-POP男性曲としては取っ付きやすい方だと思います。
『fake face dance music』は低音域が低く、キー下げには向きません。今回は最高音がmid2F#であるため、原曲キーで歌える人も多いかもしれません。ただ、もしキーを下げる際は、歌い出しのサビのlowG#辺りは少し歌いにくくなると思います。
今回の楽曲はメロディー自体は比較的分かりやすく、音域がマッチするのであれば練習曲にも使いやすいと思います。ただ、メロの歌い回しがやや速いですので、歌詞などはしっかり覚えておいた方がよいと思います。歌詞を淀(よど)みなく諳(そら)んじられる方が、韻を踏んだリズミカルなメロにも対応しやすいです。
『fake face dance music』を原曲キーで歌唱する場合、中高音域についてはmid2D#~mid2F#辺りがしっかり歌えることが求められます。今回はmid2D#~mid2F辺りが多く見られます。一方、低音域はlow音階が一部で求められます。裏声については今回はあまり多くなく、裏声が苦手な人でも少し取っ付きやすいといえます。
こうしたことを踏まえると、「標準よりやや低め~ある程度高音域が得意な男性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。
【まとめ】
①一般的な男性の音域の範囲内でメロが展開される(1か所だけ低音が低い)
②原キーだと「標準よりやや低め~ある程度高音域が得意な男性」辺りが合いそう
③メロディー自体は分かりやすく、音域が合うのであればおススメ
④原曲のように歌いこなすには当然練習が必要