『ダーリン』( 須田景凪 ) の 音域

　まず、『ダーリン』についてです。この楽曲は、２０２３年に男性シンガーソングライターの須田景凪（すだけいな）さんによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、同じ年の『Ghost Pop』（ゴースト・ポップ）に初収録されました。同アルバムには、『雲を恋う』、『落花流水』、ボカロ曲のセルフカバーの『パメラ』(過去記事)といったシングル曲が収められております。

　さて、『ダーリン』は大きなタイアップがあったわけではありませんが、２０２３年１０月現在、既に１６００万回の再生回数を記録しており、人気の楽曲となっております。アルバムのリリース頃には、一発撮りのライブパフォーマンスTHE FIRST TAKEでも披露され、大きな話題となりました。カラオケでもよく歌われているようです。


　『ダーリン』の歌メロはAメロサビとシンプルに展開します。Aメロは中低音中心、サビで中高音が中心となるなどメリハリがあり、ラストサビでは転調が行われ、キーが1つ上がります。シンプルな構成であることもあり、演奏時間が２分半程度と短いです。作詞作曲編曲は須田景凪さん自身によりなされました。

　『ダーリン』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域としては、高め（終盤は明確に「高い」）レンジで歌メロが作られております。低音域には余地があるため、一般的な男性はキーを下げた方が歌いやすいです。
　同曲は、Aメロは中低音中心、サビで大きく盛り上がります。こうしたこともあり、音域は広めです。ただ、今回の最低音はmid1Fとなっており、そこまで低音が低くありません。そのため、高音域が得意な男性の方が相対的に有利になります。

　ちなみに、女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。今回はAメロの低音域でmid1F～mid1G#が多いです。そのため、女性としては低いです。ただ、「低音域が得意な女性」だと、原曲キーがマッチする場合もあります。その辺りは実際に歌唱してみてください。



　最後に『ダーリン』の音域についてですが、【地声最低音】mid1F(F3)～【地声最高音】hiB(B4)、【裏声最高音】hiC#(C#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、高め（もしくは明確に「高い」）です。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1FはAメロで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内です。ただ、最低音mid1Fは男性曲としては高く、相対的に中高音寄りの曲となります。「標準より低い音域の女性」などはもしかしたら原曲キーでも歌えるレンジかもしれません。

　次に、地声最高音hiBはラストサビで登場します。登場回数は２回程度です。同曲はラストサビが転調しており、キーが１つ上がります。そのため、それ以前の通常サビなどではhiA#が全体で６回程度、hiAがラストサビで６回程度登場し、相対的に中高音域が多く見られます。よって、一般的な男性は少しキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから３つ程度下げてみてください（一般的には終盤少し高いかもです）。


　『ダーリン』は低音域に余地があり、キー下げはしやすいです。そのため、歌い慣れた人であれば、ある程度自分が得意なレンジに調整することができそうです。一方、今回は音域が広めであり、もしかしたらビギナーにとっては少し歌いにくい部分が出てくるかもしれません。
　同曲はメロディー自体はシンプルであり、リズムなども覚えやすいです。そのため、音域がマッチするのであれば練習曲としては使いやすい印象です。

　『ダーリン』を原曲キーで歌唱する場合、mid2F～hiB（裏声hiC,hiC#辺り）といった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。とりわけサビは中高音域が多いです。今回は低音がmid1Fとやや高く、高音域が得意な人の方がマッチしやすいです。
　こうしたことを踏まえると、「ある程度～非常に高音域が得意な男性」などが原曲キーにマッチしやすいと私は判断しました。また、「標準より低めの女性」なども原曲キーが合う可能性があります。



【まとめ】

①Aメロは中低音中心、サビは中高音中心とメリハリがある
②原キーだと「ある程度～非常に高音域が得意な男性」向け
③女性だと「標準より低めの音域」の人は原キーが合う可能性がある
④メロやリズムは分かりやすく、キーが合うのであればおススメ