なお、今回は元々ボカロ曲として発表されたものですが、キタニさん自身のセルフカバーのバージョンを記事にします。ちなみに、ボカロ曲のバージョンはmid2A#~hihiD#で歌メロが作られております。
『芥の部屋は錆色に沈む』(キタニタツヤ)
【地声最低音】lowF#(F#2) ※Dメロで登場
★散らかった部屋の隅で泥水をm1C#–m1B[く[ち]に]含んC#–B[で[も]【Aメロ】
★その視線が僕をつらm1C#–m1B[ぬ[い]て[ぇ]ぇ]【Bメロ】
★斜陽さす小さな窓、にぃまm1C#[る]ろく号室C#[で]【Dメロ】
★1C#–m1B[途[方]に暮]れC#–B–m1A[て[い[る]
★m1A[ま]ちm1C#[が]錆びつい[て1B[い]く]
☆lowF#–m1A[子]供の]声A–F#[が[と]お]くに聞こえた
【地声最高音】hiB(B4) ※全体で3回(各サビ1回ずつ)
★m1C#[か]れを呪う言葉hiB–m2G#–hiA^[も]と[ど]かぬ]まF#[ま]【サビ】
【補足】mid2E(一部略)~hiAを含むフレーズ一覧
★m2F#地[だ]れが僕を救ってくれm2E[る]の 背後に張り付くしせm1C#[んは]
★飽き飽きしm2F#[てん]だ 薄汚れたこの生活からF#–F[す]くっ]てくれ
★溢れ出したはいm2E–hiA–G#[い[ろ]の]ゆ]め
★これが何者にm2F[も]なれない僕m2G#–hiA^[ら[が]見]ているF#[未]来
★m2E–m2F#[こ[の]ままじゃ どうしようもない僕が吐き捨てた
★彼はm2E[罰]すら与えm2G#[て]はくれないのさ このF#[僕]の愚かさに
まず、『芥の部屋は錆色に沈む』(あくたのへやはさびいろにしずむ)についてです。この楽曲は、2017年に男性シンガーソングライターのキタニタツヤさんが【こんにちは谷田さん】名義で発表したボカロ曲です。
同曲は自身初の殿堂入り(10万再生)を達成した曲であり、のちにキタニさん自身によりセルフカバーがされます。セルフカバーバージョンについては、2018年に発表されたアルバム『I DO (NOT) LOVE YOU.』に収録されました。同アルバムには、『悪魔の踊り方』などの人気曲も収められております。
さて、『芥の部屋は錆色に沈む』はアップテンポのバンド曲です。ロック色の強く、バンド曲が好きな方には刺さりやすいのではないかと思います(私自身もそうでした)。歌メロはAメロBメロサビと展開されます。ボーカルは全体的にダウナーな印象があり、要所で低音域が目立つ作品となっております。反面、サビなどはポップスらしい高音も見られ、その分音域がかなり広くなっております(詳細は後述)。作詞作曲アレンジはキタニタツヤさんによりなされました。
ちなみに、同曲はキタニさんのYouTubeでMVが公開されています。ただ、MVについてはスローテンポで歌唱されているため、アップテンポの音源と聞き比べてみるのも面白いかもしれません。
『芥の部屋は錆色に沈む』の音域的な特徴についてです。同曲は、男性の音域としてはかなり広いです。こうした特徴のため、キー調整がしづらいといえます。
同曲は全体的に低音が多く、mid1C#以下の低音階が多く登場(一部はlowF#などに達し、男性曲としてはかなり低い)します。また、高音についてはサビでhiA,hiB等が複数回見られ、それなりに高いといえます。ただ、私なりの印象では、最近人気のバンド曲の中では低音域の割合が多いように感じました。そのため、「標準よりやや高めの音域の男性」などもマッチする可能性もあると推定しています。
女性が同曲を歌唱する場合、キーを上げた方が歌いやすいです。ただ、今回は音域がかり広いため、歌える人が限定される楽曲であると私は分析しております。キー上げをする際は原キーから6つ程度上げてみてください。
ちなみに、ボカロバージョンではmid2A#(A#3)~hihiD#(D#6)のレンジで歌メロが作られております。このレンジだと一般的な女性には相当高いです。
最後に『芥の部屋は錆色に沈む』の音域についてですが、【地声最低音】lowF#(F#2)~【地声最高音】hiB(B4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域としては低音も高音も広いです。以下、見ていきます。
まず、地声最低音lowF#はDメロで登場します。登場回数は2回程度ですが、この辺りは男性の音域としても低いです。同曲は、AメロBメロDメロでmid1C#以下の低音が多く、それなりに低音感があります。そのため、「高音域が非常に得意な男性」などは少し歌いにくいかもしれません。
次に、地声最高音hiBはサビで登場します。登場回数は3回程度(各サビ1回ずつ)です。このhiBに次ぐ地声高音としては、hiAがピークとなる場面が全体で9回程度(各サビで3回ずつ)登場します。この辺りは男性の音域としては高めであり、「標準的な音域の男性」だと高音が少し歌いにくい可能性があります。ただ、今回はサビメロのアップダウンが激しいため、高音域が得意でない人でも比較的余裕が持ちやすそうではあります(※上下が激しい分、高音域が連続しないため)。
『芥の部屋は錆色に沈む』は音域自体がかなり広く、キーを調整する余地がほとんどありません。そのため、歌い慣れた人であっても一部歌いにくい部分が出てくる可能性があり、歌う人を選ぶ楽曲と言えます。ただ、最近のJ-POP男性曲と比べると、低音が多い楽曲ですので、「高音域が得意な人」よりも「低音域が得意な人」の方が活きやすいと私は分析しております。
同曲はメロディー自体は分かりやすいですが、元々がボカロ曲ということもあり、歌い回しが速く、慣れが必要になります。キタニさんが公式チャンネルで上げているMVは、スローテンポになっていますので、こちらのバージョンを使って練習をするのもよいと思います(カラオケで配信されていないのが難点です)。
『芥の部屋は錆色に沈む』を原曲キーで歌唱する場合、mid2F#~hiBといった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。また、低音域はlowF#~mid1Bなども登場し、低音感があります。このため、低音~高音まで音域がかなり広いです。
こうしたことを踏まえると、「標準よりやや高め~ある程度高音域が得意な男性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。「高音域が得意(or非常に得意)な男性」の場合は、キーを少し上げた方がよいかもしれません。
【まとめ】
①音域が広い。最近人気のバンド曲と比べると、低音の比率が高い
②原キーだと「標準よりやや高め~ある程度高音域が得意な男性」などに合いそう
③メロのアップダウンが激しいので、低音から高音まで安定した歌唱が不可欠
④メロは覚えやすいが、テンポが速いので注意
※カラオケではボカロver.しか配信されていない(2024年2月現在)。「原キーから4つ下げて、1オクターブ下のレンジを歌う」とキタニさんと同じキーになります。
コメント
リクエストした者です!ありがとうございます!!
全体的に低めですね!
hiA以上の音が瞬音なので高音が苦手な自分でもなんとか歌えそうです笑
またリクエストなんですが、夜の本気ダンスの「SHINY」の音域調査をお願いしたいですm(_ _)m
コメントありがとうございます。
どちらかといえば低音が多いので、音域は広いですが意外とねらい目かもしれません。
リクエスト曲はリストアップしておきます。
夜の本気ダンスはまだ取り上げたことがないので楽しみです。