『KNOCKIN’ ON YOUR DOOR』(L⇔R)の音域

　まず、『KNOCKIN’ ON YOUR DOOR』についてです。この楽曲は、１９９５年にロックバンドL⇔Rによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、同じ年に『Let me Roll it!』に収録されました。同アルバムには、『GAME』、『BYE』、『DAY BY DAY』といったシングルが収められております。アルバムは、５０万枚を超えるCDヒットを記録し、日本レコード協会よりプラチナ認定がなされました。

　さて、『KNOCKIN’ ON YOUR DOOR』はドラマ『僕らに愛を!』の主題歌として書き下ろされました。ドラマは１８％を超える世帯視聴率を記録しました。楽曲の質も相まって、主題歌である同曲も１２０万枚を超えるCDセールスを記録し、日本レコード協会よりトリプル・プラチナ認定(旧基準)がなされました。L⇔Rとしては最大の売上を記録したシングル曲であり、代表作品の1つといえます。
　同曲の作詞作曲はボーカル＆ギターの黒沢健一さん、編曲はバンドと岡井大二さんによりなされました。岡井さんはプログレッシブバンド四人囃子のドラマーとして知られ、黒沢さんのソロ作品でもプロデュースを担当しております。


　『KNOCKIN’ ON YOUR DOOR』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域としては高いレンジで歌メロが作られております。低音域に余地があるため、一般的には少しキーを下げた方が歌いやすいです。
　同曲はmid2F～mid2Gといった中高音域が全体的に多く、サビではhiA-hiA#などが登場します。また、サビのhiA-hiA#のコンボについては【解きm2E[は]な[たm2G–F#^-hiA[れな]く[て[も] [い[ま]言]える]言葉]hiA–hiA#^-m2G–Fは】と中高音域が連続した場面で登場します。そのため、最高音hiA#は頻度こそは少ないですが、見た目よりも高音感があります。

　女性が同曲を歌唱する場合、通常は少しキーを上げた歌いやすいです。ただ、今回は最低音がmid1Fであるため、「標準より低めの音域の女性」などは原キーで歌うのもよいかもしれません。ただ、今回はサビの途中で最低音が登場するため、女性には若干低音感があります。



　最後に『KNOCKIN’ ON YOUR DOOR』の音域についてですが、【地声最低音】mid1F(F3)～【地声最高音】hiA#(A#4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、高いです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1FはAメロ～サビで登場します。このmid1F辺りは男性の音域の範囲内です。今回は最低音がそれなりに高いため、相対的に中高音域が多く登場する曲となっています。

　次に、地声最高音hiA#はサビで登場します。登場回数は３回程度です。このhiA#に次ぐ地声高音としては、hiAがピークとなる場面が全体で３回（この３回は体感的にかなり高い）、mid2Gが１５回登場します。前述のように、最高音hiA#については、中高音域が連続する途中で登場するため、見た目よりは高音感があります。こうしたことから、一般的な男性はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから３つ程度下げてみてください。


　『KNOCKIN’ ON YOUR DOOR』は低音域に余地があるため、キー調整はしやすいです。歌い慣れた人であれば、ある程度自分の得意なレンジに調整することができると思います。今回は音域は滅茶苦茶には広くないため、ビギナー向けの調整も一応は可能です。ただ、今回の楽曲はサビのアップダウンがやや激しく、また黒沢さんの抑揚なども特徴的です。キー調整などを考慮しても歌い慣れた人の方がマッチしやすいと思います。
　同曲はメロディー自体は比較的わかりやすく、カラオケ向きです。一方、今回はサビのリズムなどが若干難しいですので、原曲をしっかり聴き慣れておきたいです。また、サビの一部で英語の歌詞が含まれますので、その辺りはしっかり覚えておきたいです。

　『KNOCKIN’ ON YOUR DOOR』を原曲キーで歌唱する場合、mid2F～hiA#といった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。今回はほぼ全てのフレーズにmid2F以上の音階が含まれており、全体的に中高音域が多いです。最高音hiA#についても体感的にかなり高く感じやすい場面で登場します。低音についてはmid1Fであり男性曲としてはやや高めです。
　こうしたことを踏まえると、「高音域が得意（or非常に得意）な男性」が原曲キーに合いやすいと私は判断しました。また、女性については、「標準より低めの音域の女性」などは原キーが合う可能性があります。

【まとめ】

①ABメロも含め全体的に中高音寄り
②原キーだと「高音域が得意（or非常に得意）な男性」などに合いそう
③女性だと「標準より低めの音域の女性」などが原キーに合う可能性がある
④メロは分かりやすいが、サビはリズムを意識したい（メロの上下も激しい）