『あの空に立つ塔のように』(大泉洋)

【地声最低音】lowF#(F#2)
★空が広く見える街で m1E–m1D#–C#[僕らは出[会[っ][た]【Aメロ】
☆m1E[高く古い塔が] lowF#–1E–D#–C#^[見]ま[も[っ]て]た
★m1D#–E[あ]れ]はポプラの影が伸びる道 秋風にふm2C#[た]り【Bメロ】
【地声最高音】hiA(A4) ※全体で1回のみ
★あのそhiA–m2G–E^[ら](に]立ってい[た])古い塔のように【ラストサビ[転調₊1]】
【補足】mid2D~mid2Eを含むフレーズ一覧
★互いに手を取り 夢語りm2C#[合った]【Bメロ】
★Good bye m2D#[days] Good bye [dream] あの[日歩い]た道【通常サビ】
★今m2D–m2E[は[ぁ]もう無[いE[ぃ] あのE[高くふ]る]いと[う]【ラストサビ[転調₊1]】
★m2E[雨だって] E–D[雪だっ]て]ぇ
★真っ直ぐm2E[立っ]ていたい あの空D–E[に[ぃ] 立つ塔E[の]ように
★今m2D–m2E[は[ぁ]もう無[いE[ぃ] あのE[高くふ]る]いと[う]【ラストサビ[転調₊1]】
★m2E[雨だって] E–D[雪だっ]て]ぇ
★真っ直ぐm2E[立っ]ていたい あの空D–E[に[ぃ] 立つ塔E[の]ように
まず、『あの空に立つ塔のように』についてです。この楽曲は、2023年に俳優で歌手の大泉洋さんによりリリースされたシングル作品です。配信限定のシングルとして発表されました。アルバムとしては、2024年に発売された大泉さんのアニバーサリーベスト『YO OIZUMI ALL TIME BEST』に初収録されました。
さて、『あの空に立つ塔のように』は自身の生誕50年を記念して配信リリースされました。同曲は、同じく北海道出身である玉置浩二さんがプロデュースしており、大泉さん自身も作詞を担当しています。楽曲は2023年末の『第74回NHK紅白歌合戦』にて披露され、話題を呼びました。作詞は大泉洋さんと月光テツヤさんの共同、作曲は玉置浩二さん、編曲はトオミヨウさんによりなされました。
ちなみに、タイトルにもある「空に立つ塔」というのは、2023年8月に解体された北海道百年記念塔を指しているのではないかと言われています。
『あの空に立つ塔のように』の音域的な特徴についてです。同曲は、大よそ男性の音域の範囲内(一部はやや高め)のレンジで歌メロが作られています。個人差はありますが、一般的な音域の男性が原曲キーで歌唱しうる楽曲です。
同曲は、AメロBメロサビと歌メロが盛り上がっていきます(ラストサビでは転調し、キーが1つ上がります)。Aメロは中低音中心で、サビで中高音が見られ、音域は低音~高音まで広めです。mid2F以上が登場する場面がそこまで多くないため、J-POPの男性曲としては高音域が若干控えめですが、一部hiA等も求められます。発声は地声orミックスベースでの歌唱が中心です。
低音域については、一部でlowF#が見られますが、大体mid1C#~mid1E辺りがよく見られるため、見た目よりは低音感がなさそうです。
女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから4~6つ程度上げてみてください。ただ、今回は音域がかなり広い曲ですので、一部歌いにくい部分が出てきやすいです。その点で、歌う人を選ぶかもしれません。場合によっては、サビの高音で裏声を使うのも選択肢だと私は感じました(原曲とニュアンスが異なる表現になりますが)。
最後に『あの空に立つ塔のように』の音域についてですが、【地声最低音】lowF#(F#2) ~【地声最高音】hiA(A4)で歌メロディーが構成されております。おおよそ一般的な男性の音域の範囲内です。以下、見ていきます。
まず、地声最低音lowF#はAメロで登場します。この辺りは男性の音域としては低いのですが、このlowF#に次ぐ低音がmid1C#です。低音域としてはmid1C#~mid1E辺りが中心となるため、見た目よりは低くないと私は推測しています。
次に、地声最高音hiAはラストサビで1回登場します。このhiAに次ぐ地声高音としてはmid2G#が2回(転調前の通常サビで1回ずつ)、mid2Gが1回、mid2F#が2回登場します。いずれも各サビで1~2回程度であり、その他の中高音としてはmid2D~mid2E辺りが多いです。こうした点を考慮すると、大よそ男性の音域の範囲内(もしくは若干高め)といえます。一般的な音域の男性が原曲キーで歌唱しうる楽曲ですが、人によっては若干キー調整をしてもよいと思います。
「高音域が非常に得意な男性」については若干キーを上げた方が歌いやすい可能性があると私は推測しています。
『あの空に立つ塔のように』は低音域が低いため、キーを下げる余地はあまりありません。今回の楽曲は体感的にはそこまでないですが、厳密にみると音域がかなり広いため、歌い慣れた人であっても一部歌いにくい部分が出てくるかもしれません。
今回の楽曲は、メロディーが分かりやすく、リズムなども取りやすそうです。音域が広い作品ですが、もしマッチするのであれば練習曲やカラオケにもおススメだと感じました。個人的には大泉さんの発声などが美しいため、表現面でも参考になる部分が多いと感じます。
『あの空に立つ塔のように』を原曲キーで歌唱する場合、mid2C#~hiAといった中高音域がしっかり歌いこなせることが求められます。今回はmid2F以上の場面はそこまで多くなく、サビはmid2D~mid2Eが中心となります(最近のJ-POP男性曲としては高音がやや控えめ)。低音域については、lowF#が登場しますが、頻度としてはmid1C#~mid1Eが中心です。音域は見た目ほど滅茶苦茶に広いわけではないです。
こうした点を考慮すると、「標準的~ある程度高音域が得意な男性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。「高音域が得意(or非常に得意)な男性」については原キーでもよいかもしれませんが、場合によっては少しキーを上げた方がより歌いやすい可能性がありそうです。
【まとめ】
①ABメロは中低音中心、サビは中高音中心
②最近のJ-POP男性曲としてはやや高音が控えめ(一部に少し高い場面がある)
③低音も一部低い場面があるが、見た目よりは低くない
④原キーだと「標準的~ある程度高音域が得意な男性」向け
⑤音域が合うのであれば練習曲向き。大泉さんの表現も参考になる