『BEAUTIFUL DREAMER』(GLAY)の音域

　まず、『BEAUTIFUL DREAMER』（ビューティフル・ドリーマー）についてです。この楽曲は、２００３年にロックバンドGLAYによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、翌年発表された『THE FRUSTRATED』（ザ・フラストレイテッド）に初収録されました。同アルバムには、『時の雫』、『STREET LIFE』などのシングル曲が収められております。アルバムは約２５万枚のCDセールスを記録し、日本レコード協会よりプラチナ認定がなされました。

　さて、『BEAUTIFUL DREAMER』は『STREET LIFE』との両A面シングルとして発表されました。SUZUKIの自動車「シボレー・クルーズ」のCMソングとしてタイアップが付き、楽曲は２０万枚程度のヒットとなり、日本レコード協会よりプラチナ認定がなされています。

　『BEAUTIFUL DREAMER』はストリングスが導入されたアップテンポのバンド曲です。ライブでも定番の１曲で、カラオケなどで歌っても楽しそうです。歌メロはAメロBメロサビと親しみやすい展開をします。作詞作曲はギター担当のTAKUROさん、編曲はバンドと佐久間正英さんによりなされました。


　『BEAUTIFUL DREAMER』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域と比べ、高め（もしくは明確に「高い」）レンジで歌メロが作られております。低音域に余地があるため一般的にはキーを下げた方が歌いやすいです。
　同曲は、Aメロの一部でmid1Dなどの中低音が登場します。それ以外の大部分についてはmid2E～hiAといった中高音を含むメロとなっており、全体的に中高音に寄っています。こうしたことから、相対的に中高音域の得意な男性の方がマッチしやすい曲となっています。発声は地声ベースであり、裏声などは少ないです。

　ちなみに女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。今回は回数こそ少ないものの、最低音にmid1D-mid1E辺りを含むため女性の音域としては低い場面があります。一つの目安ですが、原曲キーから３～５つ程度上げてみてください。



　最後に『BEAUTIFUL DREAMER』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D(D3)～【地声最高音】hiB(B4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、高め（もしくは明確に「高い」）です。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1DはAメロで登場します。このmid1Dは頻度としては少なめですが、mid1Eやmid1F#などとコンボになっております。男性の音域としては標準的ですが、「高音域が非常に得意な男性」だと少し歌いにくい可能性があります。女性の場合はキーを上げた方が良さそうです。

　次に、地声最高音hiBはサビで登場します。登場回数は７回程度です。こおのhiBに次ぐ地声高音としては、hiAがピークとなる場面が全体で４０回程度登場（かなり多い）します。こうした点を考慮すると、男性の音域としては高めであり、通常はキーを下げた方が歌いやすそうです。一つの目安ですが、原曲キーから３つ程度下げてみてください。


　『BEAUTIFUL DREAMER』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、ある程度自分の得意なレンジに調整することができると思います。ただ、今回の楽曲は音域が広いため、ビギナーだと一部歌いにくい部分が出てくる可能性があります。その点は留意しておいてください。
　同曲はメロディー自体は比較的わかりやすく、リズムなども取りやすそうです。サウンドもノリがよく、カラオケなどには向きやすいと私は感じました。ただ、歌メロのテンポが少し速いため、歌詞などはしっかり覚えておいた方がよさそうです。


　『BEAUTIFUL DREAMER』を原曲キーで歌唱する場合、mid2F#～hiBといった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。今回はBメロやサビでこれらが多く、男性の音域としては高めです。低音域についてはmid1Dが見られますが、標準的といえそうです。
　こうした点を考慮すると、「高音域が得意な（or非常に得意な）男性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。また、「標準より低めの音域の女性」なども原キーが合う可能性がありますが、私個人としてはキー上げを推奨します。


【まとめ】

①Aメロで中低音が見られる。全体でみると中高音寄り（音域は広め）
②原キーだと「高音域が得意な（or非常に得意な）男性」などに合いそう
③裏声は少ないが、その分安定した地声高音を使いこなす力が求められる
④メロは分かりやすくカラオケ向き。歌メロが速いため、歌詞などは覚えておきたい