『月の椀』(サカナクション)
【地声最低音】mid1E(E3)
★君のm2D–m1F–G[横[が]お]は まるでG–m1F[夜[の]花【Aメロ】
☆ぼんやm1G[ぁり] [埋m1F–m1E[め[て]た]
【地声最高音】hiA#(A#4) ※全体で6回
★重m2F[な]り[合っG–hiA–hiA#^[て見[え[た]の]【Bメロ】
★m2G–hiA[気[に]な]り[出した君]に[つA–hiA#[きの[け]は]ぁ]い【サビ】
【補足】mid2F~hiAを含むフレーズ一覧
★m2F–E[月には]なし]かけてた【Aメロ】
★君m2F[の]こ[こm2G–hiA[ろ[が] 月[の]こ[こG–A[ろ[が]【Bメロ】
★m2G–hiA^-F[気[に]な]り]だす G–hiA^[気[に]な]り]G[だす]【サビ】
★m2F[混ざ]り[合っ]てひ[とつ]のい[ろ]と[なる]
まず、『月の椀』についてです。この楽曲は、2022年にロックバンド・サカナクションによりリリースされたコンセプトアルバム『アダプト』に収録されております。同アルバムには、『プラトー』(過去記事)、『ショック!』(過去記事)といったシングルが収められております。
『月の椀』はアルバムの1曲でありますが、2020年にはトヨタ自動車の「「ヤリスクロス」のCMソングとしてタイアップが付きました。当時コロナ禍ということもあり、テレビやオンラインCMなどで耳にした方も多いかもしれません。作詞作曲は、ボーカル&ギターの山口一郎さん、編曲はサカナクションによりなされました。
『月の椀』の音域的な特徴についてです。この楽曲は男性の音域としては高めの(体感的には高い)レンジで歌メロが作られています。一般的な男性はいくらかキーを上げた方が歌いやすいと私は推定しています
同曲は、BメロやサビでhiAやhiA#といった中高音域が多く登場します。また、Aメロについてもmid2F-mid2Eといったコンボが見られ、男性曲としては全体的に中高音寄りになっています。加えて、低音域もmid1Eとやや高いため、中高音域が得意な男性の方がマッチしやすい曲といえそうです。発声は地声ベースであり、裏声は少ないです。
女性が同曲を歌唱する場合、通常は少しキーを上げた方が歌いやすいです。今回は最低音がmid1Eであり、mid1Fやmid1Gなどが連続する場面もあります。そのため、女性の声域としては低いため、いくらかキーを上げた方が歌いやすいと私は推定しています。一つの目安ですが、原曲キーから2~3つ程度上げてみてください。ただ、「標準より低い音域の女性」の中には原キーがマッチする可能性がありますので、その辺りは実際に歌唱して、微調整を加えてください。
最後に『月の椀』の音域についてですが、【地声最低音】mid1E(E3)~【地声最高音】hiA#(A#4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、高め(体感的には高いでもよい)。以下、見ていきます。
まず、地声最低音mid1EはAメロで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内です。ただ、女性にとってはかなり低いですので、通常はキーを上げを推奨します。
次に、地声最高音hiA#はBメロやサビで登場します。登場回数は6回程度です。このhiA#に次ぐ地声高音としては、hiAがピークとなる場面が全体で16回登場します。こうした点を考慮すると、男性の音域としては高く、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから3つ程度下げてみてください。
『月の椀』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、ある程度自分が得意とするレンジに調整することができそうです。一方、今回の楽曲は音域がそれなりに広いため、ビギナーだと一部歌いにくい部分が出てくるかもしれません。
今回の楽曲はメロディー自体は比較的分かりやすく、リズムなども取りやすそうです。また、息継ぎなどもしやすそうなので、音域がマッチするのであれば練習曲としておすすめです。
『月の椀』を原曲キーで歌唱する場合、mid2E~hiA#といった中高音域がしっかり歌いこなせることが求められます。今回はBメロサビを中心にhiAやhiA#が多く登場します。また、Aメロについてもmid2F等が見られます。低音はmid1Eであり、やや高めです。
こうした点を考慮すると、「ある程度~非常に高音域が得意な男性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。また、「標準より低い音域の女性」なども原キーが視野に入る可能性があります(割合としてはかなり少ないと思います)。
【まとめ】
①Bメロサビが特に高い。Aメロも決して低くない
②原キーだと「ある程度~非常に高音域が得意な男性」などに合いそう
③女性はキー上げ推奨
④キー調整も可能だが、ビギナーだと一部歌いにくい部分が出てくるかも
⑤メロが分かりやすく、練習曲向き(息継ぎもしやすい)