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『ミュージック』(サカナクション)の音域 [2013年の楽曲]

こんにちは。今回はサカナクションの『ミュージック』(2013)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。


『ミュージック』(サカナクション)
『ミュージック』(サカナクション)の音域






【地声最低音】mid1C#(C#3) 

m1E[鳥]は何を思うか [淋]しいぼ[く]とおm1C#[な][じだ][うか]【Aメロ】


【地声最高音】mid2G#(G#4)  ※サビで頻出

★(疲れた川面 浮かび流れ 君が住む町で) m2G#地[yeah]【Bメロ】
m2F#[消え]m2G#[た] F#G#[消え][た] (カhiB裏[ワ]hiAG#[ハ][ガ]レル])【サビ】
★振m2F#[り]m2G#[返った季節に立っ][て]【ラストサビ】

【裏声最高音】hiB(B4) ※ラストサビ(コーラスだとサビでも登場)

m2F#[街で]hiB[鳴]hiAm2G#[い][た]ろ]【ラストサビ】


【補足】mid2E(一部略)mid2G#を含むフレーズ一覧

★いm2G#裏[た]みや[き]ずや[う]そに慣れた僕[ら]のこ[と]m2F#裏[ば][は]【Bメロ】
★消えた (m2F#m2E[マダミエ][ナイ] F#E[マダミエ][ナイ])【サビ】
m2F#[思い出せな]m2E[くて]F#[嫌になっ][て]【ラストサビ】

 まず、『ミュージック』についてです。この楽曲は2013年に5人組ロックバンドのサカナクションによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、メジャー4枚目のアルバム『sakanaction』(サカナクション)に収められております。同アルバムには、『夜の踊り子』、『Aoi』、『僕と花』といった人気のシングル曲が収められております。

 アルバム『sakanaction』はドラマの主題歌など大きなタイアップが付いた楽曲も収められております。これまでの活躍により、サカナクションの知名度が広く認知され、タイアップの依頼なども増えたことが想像されます。近年はストリーミングなどの盛んであり、単純な比較はできませんが、2022年1月現在、サカナクションのアルバムとしては、最も大きなセールスを記録した作品となっております。アルバム曲としては、『なってったって春』、『アルデバラン』、『朝の歌』などは私自身も非常に好きであり、お奨めの楽曲であります。

 その中で、『ミュージック』は江口洋介さん主演のドラマ『dinner』の主題歌に起用されました。楽曲の質も相まって、配信でのセールスが25万ダウンロードを記録し、プラチナ認定されております。同曲をはじめ、アルバム『sakanaction』の作品は、フロントマンの山口一郎さんの自宅にメンバーが集まって制作されております。

 『ミュージック』はアップテンポのエレクトロナンバーです。シンセサイザーなどが大きくフィーチャーされております。歌メロやサウンドはやや暗めな印象を与えますが、そうした作風でありながら、非常にダンサブルです。
 歌メロについては、AメロBメロサビといった形で作られております。ただ、メロ自体は必ずしも王道で親しみやすいというものではありません。大衆的なアレンジと自分達のやりたい音楽というのもの線引きの中で、練り上げられた楽曲だと私は考えました。サビに関しては、主旋律は「消えた」、「触れた」といった言葉しか使われていないにも関わらず、全体として惹き付けられるものがあります。ファンなどにも人気の高いシングル曲です。


 『ミュージック』の音域的な特徴についてです。同曲は、一般的な男性の音域よりも高めのレンジで歌メロが作られております。終盤にかけては、地声最高音mid2G#の頻度が非常に多いです。そのため、mid2G#が地声最高音の楽曲ですが、「やや高い」ではなく、あえて「高め」と判断しました。よって、一般的な男性は少しキーを下げた方が歌いやすいです。

 同曲は、山口さんの自宅で制作されたそうです。そのため、声を張った地声での発声が少なくなっております。地声最高音mid2G#は一般的な男性としてはは少し高めではあります。ただ、山口一郎さんが声を張った地声レンジだと、hiA~hiCといったレンジに達します。その点で、山口さんとしてはやや抑え気味の地声レンジといえます。


 最後に『ミュージック』の音域についてですが、【地声最低音】mid1C#(C#3)~【地声最高音】mid2G#(G#4)、【裏声最高音】hiB(B4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域よりも高めです。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1C#については、Aメロで登場します。回数としては多くないですが、mid1Eなどを伴っております。この辺りは一般的な男性の音域の範囲内です。低音域が苦手な方は少し歌いにくいかもしれません。
 また、女性にとってはかなり低いレンジになります。低音域が非常に得意な女性ならば原曲キーも視野に入りますが、一般的な女性はキーを上げた方が歌いやすいです。

 一方、地声最高音mid2G#はサビやラストの大サビで登場します。登場回数は通常のサビだけで12回と多く、更に最後の大サビでは【振m2F#[り]m2G#[返った季節に立っ][て] m2F#[思い出せな]m2E[くて]F#[嫌になっ][て]】と頻出します。一般的にはキーを下げた方が歌いやすいです。目安としてですが、原曲キーから1~2つ程度下げてみてください。


 『ミュージック』は低音部分に若干の余裕があり、キー下げは可能です。ただ、音域自体がやや広いため、大きなキー下げはしにくいです。歌い慣れた人が自分の得意なレンジに合わせることは可能だと思います。ただ、高音が得意でないビギナー向けの調整というのは少し難しいかもしれません。その点は留意しておいてください。

 『ミュージック』を原曲キーで歌唱する場合、mid2G#辺りがしっかり歌いこなせる力が求められます。ここは先述のように終盤にかけて特に頻度が高いです。私なりのイメージですが、普段地声でhiAなどの楽曲を歌える男性の方が合いやすいのではないかと考えました。また、終盤にかけては、mid2E~mid2G#(裏声ではmid2F#~hiB)辺りが頻出します。そのため、スタミナなども必要不可欠です。

 『ミュージック』はBメロやサビなど、コーラスも含めると裏声の頻度が高いです。私なりのイメージですが、裏声の練習にもよいのではないかと思います。家で歌う際などは、「ラストのサビを全て裏声で歌ってみる」といった練習をしてみてもよいのではないかと思います。

 『ミュージック』はサカナクションのシングル曲でも人気の高い1曲であります。私自身は歌詞なども非常に好きです。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。

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