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『心の旅』(チューリップ)の音域

こんにちは。今回はチューリップの『心の旅』(1973)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。


『心の旅』(チューリップ)
『心の旅』(チューリップ)の音域








【地声最低音】mid1D(D3) 


m2D[知って]いたm1Fm1G[の]か]【Aメロ】
m1DF-m2D[と]お]く]離れてしまえば DF-2D[あ]い]は]終わるといっ[た]


【地声最高音】mid2F(F4) ※全体で15~30回(終盤繰り返されるサビが15回分)

m1F[あー] Fm1G[だ]か]ら今夜m2Em2F[だ[け]は]【サビ】
★きm2Em2F[み[を]だい]ていm1G[た]
★ぼm2Em2F[く[は]汽車]のなF[か]


【裏声最高音】mid2F(F4) ※1,2番のAメロ前半で1回ずつ

m1Fm2FE[た[び立]つ]m1G[のこ]ころを【Aメロ】

 まず、『心の旅』についてです。この楽曲は、1973年にロックバンド・チューリップ (TULIP) によりリリースされたシングル作品です。アルバムは、同じ年に発表された『TULIP BEST 心の旅』に初収録されました。

 『心の旅』は、バンドとしては3枚目のシングル曲です。ボーカルはフロントマンの財津和夫さんではなく、キーボードの姫野達也さんが担当しています。楽曲はロングヒットを記録し、同バンドの代表的なシングル曲となりました。50年以上前の楽曲でありますが、多くの歌手にカバーされ続ける人気曲です。最近は、人気のweb小説『バスタード・ソードマン』でも同曲が登場しているそうです。


 『心の旅』の音域的な特徴についてです。同曲は大よそ男性の音域の範囲内(体感的には「やや高め」な印象)で歌メロが作られています。一般的な音域の男性が原曲キーで歌唱することも可能そうですが、場合によっては少しキーを下げるのもよいと思います。
 同曲は、頭サビで歌メロが始まり、Aメロサビとシンプルに展開します。中高音としてはmid2Eやmid2F辺りが多く、ABメロについてもmid2Dがよく見られます。そのため、体感的には見た目より高いのではないかと私は分析しました。低音域については、mid1Dが見られますが、頻度は低く、大よそ標準的だと私は推測しています。「標準的な音域の男性」が原キーで歌唱可能そうですが、「標準より高めの音域の男性」の方が余裕を持って歌唱しやすいと私は推測しています。

 女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方がより歌いやすいです。今回の楽曲は、mid1Dが一部で登場し、mid1Fなどが比較的多いです。女性の得意な高音域などを考慮してもやはりキーを上げた方が歌いやすいといえます。一つの目安ですが、原曲キーから5~7つ程度上げてみてください。同曲は、ロックバンドGO!GO!7188が2002年にパンク調でカバーしています(原キーより7つ高い)。この辺りもキー調整や歌唱表現の参考になると思います。



 最後に『心の旅』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D(D3)~【地声最高音】mid2F(F4)、【裏声最高音】mid2F(F4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域の範囲内(もしくはやや高め)です。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1DはAメロで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内です。頻度としてはmid1F~mid1G辺りが比較的よく見られます。「高音域が非常に得意な男性」などは若干キーを上げてもよいかもしれません。

 次に、地声最高音mid2Fはサビを中心に計15~30回程度登場します(15回分はラストサビの繰り返しの場面)。mid2Fは男性の音域の範囲内で、一般的な音域の男性が原曲キーで歌唱可能そうです。ただ、今回はmid2Fの登場回数が多いため、人によっては少しキーを下げるのもよいかもしれません。。
 mid2Fは歌い慣れていないとスムーズな発声が損なわれやすい音階です。ただ、比較的克服しやすくもありますので、少しずつ練習を重ねてみてください。歌慣れていない人などは少しキーを下げて練習するのもよいと思います。



 『心の旅』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であればある程度自分が得意とするレンジに調整することができそうです。今回の楽曲は音域も滅茶苦茶には広くないため、ビギナー向けの調整も可能そうです。
 同曲はメロディーが分かりやすく、リズムなども取りやすそうです。音域がマッチしているのであれば練習曲にはおススメです。原曲はややゆったりしているため、慣れていない人は少しテンポを上げて練習するのもよいと私は感じました。

 『心の旅』を原曲キーで歌唱する場合、mid2D~mid2Fといった中高音域がしっかり歌いこなせることが求められます。今回はAメロの低い場面でもmid2Dが見られ、サビではmid2E~mid2Fなどが登場します。一方、低音域はmid1Dが登場し、標準的(orやや高め)といった印象です。
 こうした点を考慮すると、「標準的(orやや高め)の音域~ある程度高音域が得意な男性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。「高音域が得意(or非常に得意)な男性」も原キーで歌唱可能だと思いますが、場合によっては少しキーを上げるのもよさそうです。

【まとめ】

①Aメロはやや中低音を含むが、全体的に若干中高音寄り
②原キーだと「標準的(orやや高め)の音域~ある程度高音域が得意な男性」に合いそう
③メロがよいため、カラオケや練習曲向き
④テンポがゆったりめなので、慣れないうちは少しテンポを上げてもよさそう

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コメント

  1. 名無し より:

    この楽曲の記事楽しみにしてました

    自分もmid2Fの曲だと難易度そこそこ高い方だと思います。最高音だけで判断すると意外と…のパターンですかね?

    • もりっしー より:

      だと思います
      mid2Fとかmid2E辺りが多いし
      Aメロでもmid2Dとかが安定して登場するので
      体感的には意外と高い曲ですね