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『青春の影』( チューリップ ) の 音域

 こんにちは。今回はチューリップの『青春の影』(1974)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。当ブログでチューリップの楽曲を取り上げるのは今回が初となります(カバー曲も含めると、平井堅さんによる『切手のないおくりもの』(過去記事)を取り上げました)。
 なお、今回の『青春の影』は従前のJ-POPにあるようなAメロBメロサビという形ではなく、主にAメロとBメロにより歌メロディーが作られております。そのため、「この場面がサビ」というように分類しにくいため、便宜上「AメロとBメロ」という表記をしております。


『青春の影』(チューリップ)、Seishun no Kage(TULIP)
『青春の影』(チューリップ)の音域






【地声最低音】mid1D(D3) 

★いつも僕をm1Dm1E[ゆ]う]きづけた【Aメロ】


【地声最高音】mid2G(G4) ※全体で4回

★君の心へ続くm2Gm2F#E[永い]一本]み][は]【Aメロ】

※バージョンによってはここも裏声に聞こえる。

【裏声最高音】hiA(A4) ※Bメロで登場

★今(君を幸せにする)それhiA裏m2F#G[こ][が])【Bメロ】


【補足】mid2Emid2F#を含むフレーズ一覧

m2Em2F#[自分の大[きなゆ]め]を追うことが【Bメロ】
★今迄のぼm2Dm2E[く[の] [仕]事だったE[け]ど]

 まず、『青春の影』についてです。この楽曲は、1974年にロックバンド・チューリップによりリリースされたシングル作品です。同じ年にリリースされたアルバム『TAKE OFF(離陸)』(テイク オフ(りりく))からシングルカットされました。

 『青春の影』は、『心の旅』『サボテンの花』『虹とスニーカーの頃』などとともに世間的にも広く知られたチューリップの代表曲の1つです。約50年前の楽曲でありますが、2020年代に入っても多くの歌手にカバーされ続けており、今も広く支持され続けるエバーグリーンな楽曲だといえます。チューリップというバンド自体を知らなくても、この楽曲はどこかで耳にしたことがあるという人も多いかもしれません(私自身もそうでした)。

 ちなみに、チューリップは1972年にメジャーデビューしたバンドです。ビートルズに影響を受けたメロディー、サウンドアレンジで多くの支持を集め、先述のような国民的なヒット曲も世に送り出しました。今回取り上げる『青春の旅』も、ビートルズの『The Long And Winding Road』をモチーフに制作されたそうです。


 『青春の影』の音域的な特徴についてです。同曲はおおよそ一般的な男性の音域の範囲内で歌メロが作られております。一般的な男性でも原曲キーの歌唱が可能ですが、場合によってはキー調整をするのも良さそうです。
 同曲はAメロBメロでメロが構成されますが、全体的にメロディアスで非常に覚えやすい楽曲です。ただ、その分、mid2D~mid2F#辺りの中高音域も多くみられます。そのため、高音域が得意でない方や、歌い慣れていない人だとスムーズな発声が損なわれやすいかもしれません。裏声を器用に使いこなすと、標準的な人でもより歌いやすいのではないかと私は推測しました。

 ちなみに、女性が同曲を歌唱する場合、一般的にはキーを上げた方が歌いやすいです。過去に同曲をカバーした方を参考にすると、原曲キーから4~6つ程度キーを上げているようです(#4~6)。キーを4つ上げると、mid1F#~hiB(裏声hiC#)になりますので、この辺りが一つの目安になりそうです。



 最後に『青春の影』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D(D3)~【地声最高音】mid2G(G4)、【裏声最高音】hiA(A4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域の範囲内です。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1DはAメロで登場します。このmid1Dは男性の音域の範囲内です。高音域が得意な男性などは少しキーを上げても歌いやすいかもしれません。女性については、先述のようにキー上げを推奨します。

 次に、地声最高音mid2GはAメロで登場します。登場回数は4回程度です。このmid2Gは一般的な男性の音域の範囲内ですが、今回はmid2F#とコンボになっており、少し高音感があるかもしません。原曲キーで歌える人も多いかもしれませんが、場合によってはキーを下げるのもよいと思います。一つの目安ですが、原曲キーから1~2つ程度下げてみてください。
 ちなみに、今回の地声最高音mid2Gについて、バージョンが違う音源だと裏声っぽいニュアンスのものもありました。楽曲の特性を考えても、mid2Gを裏声で歌っても合いやすいと思います。そのため、裏声が使いこなせる方はmid2Gを裏声で歌うのもおススメです。


 『青春の影』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。ある程度自分が得意なレンジに調整することができると思います。一方、同曲は比較的音域が広いため、ビギナーには一部歌いにくい部分が出てくるかもしれません。キー調整をしても難しく感じた場合は、別の易しめの曲と並行して練習してください。ちなみに、チューリップの人気曲でいうと、『サボテンの花』、『心の旅』、『切手のないおくりもの』辺りはキー調整の融通がより利きやすそうです。


 『青春の影』は今もなお愛されるバンド曲です。メロディアスであり、音域的にもカラオケでチャレンジしやすいと思います。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。

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コメント

  1. 名無し より:

    リクエストした者です。音域調査ありがとうございます。

    地声最高音がhiAと表示されているサイトが多かったので、ちょっと新鮮な感じがしました。自分もhiAは裏声で冒頭のmid2Gが地声最高音なのかなと思います。

    • もりっしー より:

      コメントありがとうございます。
      私も迷ったのですが、名無しさんと同じ結論になりました。
      記事にもあるように、バージョンが変わると
      mid2Gが裏声に聞こえることもあります。

      とりわけ複雑な裏声というわけではないですが
      この時期に裏声が多用されてる曲は意外と珍しいかもしれません。
      面白い発見でした。