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『めぐり逢い』(CHAGE and ASKA)の音域

こんにちは。今回はCHAGE and ASKAの『めぐり逢い』(1994)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。


『めぐり逢い』(CHAGE and ASKA)
『めぐり逢い』(CHAGE and ASKA)の音域







【地声最低音】mid1E(E3) 

★今度ばかりは m2Em2G[傷[も]ド]アをm1F[くぐ]m1G[た]【Aメロ】
★この願い 誰かこのm1F[ね]がぁ1Fm1E[ぁ[ぁい]【アウトロ】


【地声最高音】mid2G(G4) ※全体で計17回

★いつまでも m2Em2G[鍵[が]掛]からない【Aメロ】
m2E-m2Gm2F[恋で泣かしたひ[とと]ぉ]] 恋で泣かされた[人]【サビ】
★同m2E[じ]罪を振り[分]m2G[け]ても]ぉ いいね いいね
m2Em2Fm2G[ほ[し[の][地]図は[ない]EF[ま[よ]わ]ない)【2番Aメロ】
m2Gm2E[そし]て]最後に(このm2E[瞳]を)
m2Gm2D#[か]た]ちにG[な]ら]ない美[し]さは【Dメロ】
m2Gm2F[ゆ]めか]GF[覚]めれ]G[せ]つな]くて


【裏声最高音】hiA#(A#4) ※ラストサビで登場[CHAGEのパート]

m2GhiA#裏2G#[乗り遅れたバ][スを]ぉ]ぉ])【ラストサビ[転調₊3]】
m2Fm2G[ふた[り]こ]こで [揺らGhiA#[れ[な]がら]


【補足】その他の中高音域

m2E[こ]のね[がい] 誰か[こ]のね[がい]【Aメロ】
1G[差]し出すゆm2Em2F[び[に]き][は]指でかえしm1G[た]【Bメロ】
m2D#[ど]んなに暖[め]ても [孵化り]そこないの勇気[が]ある【Dメロ】
m2D#-m2G[見送る人を見[よう]【ラストサビ[転調₊3]】

 まず、『めぐり逢い』についてです。この楽曲は、1994年に2人音楽ユニットCHAGE and ASKA(当時の名義はCHAGE&ASKA)によりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、翌年に発売された『Code Name.1 Brother Sun』に初収録されました。同アルバムは、『Something There』などのシングルが収録されており、約75万枚のCDセールスを記録しました。

 『めぐり逢い』は、テレビドラマ『妹よ』の主題歌としてタイアップが付きました。ドラマは平均視聴率が25%に迫る大きなヒットとなり、それに伴い楽曲自体も多くの人気を獲得しました。楽曲の質も相まって、同曲は125万枚を超えるCDヒットを記録し、日本レコード協会よりミリオン認定がなされました。『「SAY YES』(過去記事)『YAH YAH YAH』(過去記事)に次ぐ3番目のCDセールスであり、同ユニットの代表的な楽曲の1つです。
 同曲はミドルテンポのバンド曲です。アコースティックギターなどを基調とした作品であり、この頃のチャゲアスの作品としては比較的シンプルな作品です。歌メロはAメロBメロサビと展開し、ラストサビではキーが3つ上がります(そのあと元のキーに戻ります)。作詞作曲は飛鳥涼さん、編曲は澤近泰輔さんによりなされました。
 

 『めぐり逢い』の音域的な特徴についてです。同曲は、男性の音域としては高めのレンジで歌メロが作られています。低音域に余地があるため、一般的には少しキーを下げた方が歌いやすいと推測されます。
 今回の楽曲は全体的に中高音寄りの曲であり、mid2E~mid2Gといった音階がよく登場します。この辺りは男性の音域の範囲内ですが、登場頻度やASKAさんの発声などを考慮すると男性にとっては高めであると私は推測しました。低音域についても男性曲としてはやや高く、その点でも中高音寄りの声域の男性の方がマッチしやすい曲といえます。発声は地声感があり、裏声は少なめです。ただ、全体的切ない作品ですので、場合によっては上手く裏声を交えて歌唱してもよいと思います。

 女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。今回は低音域としてはmid1Eやmid1F等が登場し、女性の音域としては低めです。また、地声高音もmid2G程度である点を考慮すると、いくらかキーを上げた方が女性の声質が活きやすいと私は分析しています。一つの目安ですが、原曲キーから3~4つ程度上げてみてください。



 最後に『めぐり逢い』の音域についてですが、【地声最低音】mid1E(E3)~【地声最高音】mid2G(G4)、【裏声最高音】hiA#(A#4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ高めです。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1Eは終盤で登場します。この辺りは男性の音域の範囲内です。ただ、今回は全体でみると男性の音域としては高めであるため、相対的に中高音域が多く登場します(中低音域が得意な人にとっては持ち味を活かしにくい)。

 次に、地声最高音mid2Gは曲全体を通して多く登場します。登場回数は17回程度です。このmid2Gは男性の音域の範囲内とされることが多いです。ただ、今回はmid2E~mid2Fといったレンジも多いです。また、メインボーカルのASKAさんも発声が柔らかです(「一般的な音域の男性」だと尖った発声になりやすい)。こうした点を考慮すると、男性の音域としては高めであると私は推測しました。一つの目安ですが、原曲キーから1~2つ程度下げてみてください。


 『めぐり逢い』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。同曲は音域自体はそこまで広くないため、歌い慣れた人であればある程度自分が得意とするレンジに調整することができそうです。ビギナー向けの調整も一応は可能だと思いますが、慣れていない人にはあまり向かない曲ではないかと私は推測しています。
 今回の楽曲は、メロディー自体は比較的分かりやすいです。ただ、メインボーカルのASKAさんの抑揚やリズムの取り方などに癖があるため、その点で練習曲には少し使いにくそうと私は考えました。カラオケなどで歌う際はしっかり聴き慣れておきたいです。慣れないうちは原曲の抑揚やリズムなどにあまりこだわらずに歌うというのもよいかもしれません。

 『めぐり逢い』を原曲キーで歌唱する場合、mid2D#~mid2G(裏声はhiA#まで)といった中高音域がしっかり歌いこなせることが求められます。今回は全体を通してmid2E~mid2Gといった中高音が登場します。低音域についてはmid1Eが見られ、AメロBメロサビDメロではmid1F程度です。低音域は男性曲としてはやや高めです。
 こうした点を考慮すると、「標準より高め~高音域が得意な男性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。


【まとめ】

①全体的に中高音寄りの曲
②中高音の頻度・ボーカルの柔らかさ等を考慮すると、見た目より高そう
③原キーだと「標準より高め~高音域が得意な男性」などに合いそう
④メロ自体は分かりやすいが、ASKAさんの抑揚やリズムが難しそう
⑤慣れないうちは、原曲の抑揚などにこだわらずに歌うのもよい

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