『歩いて帰ろう』(斉藤和義)

【地声最低音】mid1F(F3)
★m2A–m1G#^-A#[は[し]る]ま[ち1G#[を]見] m2E–m2F地[下ろ[し]て]【Aメロ】
☆m2D[ど]う[すm2F–m2G地[りゃ[い]いの] m1F–G[お]し[えて]
【地声最高音】hiA(A4) ※計2回程度
★同m2F[じ様]なあhiA–G–F^[さ]が]来[る])【Bメロ】
【裏声最高音】hiA(A4) ※Aメロで登場
★2D[の]ん[びm2D#[り]く]も[がhiA裏–F地[お]よ]い]でく【Aメロ】
【補足】mid2E~mid2Gを含むフレーズ一覧
★m2F–E[嘘でごまかし]て]ぇ E[過ごしてし]ま[えm2F[ば]【Bメロ】
★2F–m2G^-E[たのみもし[な]い]の]に
まず、『歩いて帰ろう』についてです。この楽曲は、1994年に男性シンガーソングライターの斉藤和義さんによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、翌年に発売された『WONDERFUL FISH』に収録されました。同アルバムには『ポストにマヨネーズ』、『déjà vu』といったシングルが収録されています。
『歩いて帰ろう』はフジテレビ系子供番組の『ポンキッキーズ』のオープニングテーマに起用され、大きな知名度を獲得しました。当時は約5万枚程度のCDセールスでしたが(綿毛さんのツイートより引用)、長く愛され続け、2014年には配信部門で10万ダウンロードを記録しました(日本レコード協会よりゴールド認定を獲得)。2000年代以降もCMソングなどで使用され続け、カラオケなどでも人気が高いようです。こうした点もあり、斎藤さんの作品群でも人気の高い1曲となっています。
同曲は、アップテンポのバンド曲です。ギターを主体としたロック曲であり、歌メロはAメロBメロとシンプルな構成になっています。作詞作曲は斉藤和義さん、編曲は斎藤さんと松尾一彦さんの共同でなされました。
『歩いて帰ろう』の音域的な特徴についてです。同曲は、男性の音域としては高め(体感的には明確に「高い」)レンジで歌メロが作られています。低音域に余地があるため、一般的にはキーを下げた方が歌いやすいです。
今回の楽曲はAメロBメロから歌メロが作られており、ほぼ全てのフレーズにmid2F以上の音階が含まれています。そのため、全体的に中高音寄りであり、「高音域が得意な男性」などに合いやすい曲です。発声は地声ベースですが、Aメロで裏声が使われるので、そこは上手く発声を使い分けたいです。
女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから2~4つ程度上げてみてください。
今回の楽曲は、男性曲にしては低音が高いため、理論上は女性が原キーで歌えなくもない曲です。具体的には「標準より低めの音域の女性」などは原キーを選択肢に入れてみてもよいのではないかと私は分析しています(こうした側面から考えても、男性曲としては高いといえる)。
最後に『歩いて帰ろう』の音域についてですが、【地声最低音】mid1F(F3)~【地声最高音】hiA(A4)、【裏声最高音】hiA(A4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、高いです。以下、見ていきます。
まず、地声最低音mid1FはAメロで登場します。この辺りは男性の音域の範囲内ですが、全体的に中高音寄りのメロで急激に低音が登場するため、注意したいです。男性曲としては高い低音なので、その点で「中低音が得意な男性」などは持ち味を生かしにくいといえます。
次に、地声最高音hiAはBメロで2回程度登場します。このhiAに次ぐ地声高音としては、mid2Gがピークとなる場面が全体で9回、mid2Fが21回程度登場します。こうした点を考慮すると、男性曲としては高く、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから2~3つ程度下げてみてください。
『歩いて帰ろう』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。今回の楽曲は音域自体がそこまで広くないため、ビギナー向けの調整も可能だと私は推定しています。ただ、キー調整をしたからといって、ただちに斉藤和義さんのような歌唱ができるわけではないので弛まぬ練習を心掛けたいです。
今回の楽曲は全体的にノリがよく、リズムなども取りやすそうです。メロの構成もシンプルであるため、音域がマッチするのであれば練習曲やカラオケに向くと私は推測しています。ただ、歌メロは半音の音程移動が多いため、その点は意識しておきたいです(音程を取るのが苦手な人は注意)。
『歩いて帰ろう』を原曲キーで歌唱する場合、mid2E~hiAといった中高音域がしっかり歌いこなせることが求められます。今回は全体的にmid2E~mid2F辺りが多く、要所でmid2GやhiAが登場します。また、低音もそれなりに高いため、体感的に高く感じやすい曲だと私は分析しました。一方、長めの間奏で歌を休止できる場面もあるため、その点は少し手助けになると考えています。
こうした点を考慮すると、「ある程度~非常に高音域が得意な男性」などが原曲キーに合いやすいと私は分析しました。また、「標準より低めの音域の女性」なども原キーが合う可能性があるため、その辺りは実際に歌唱してみてください。
【まとめ】
①全体的に中高音寄りの曲
②原キーだと「ある程度~非常に高音域が得意な男性」などに合いそう
③女性はキー上げ推奨
④ノリがよくリズムも取りやすい。練習曲向き
コメント
本当に名曲ですね
正直これ間奏なかったら普通に「高い」としても違和感ないレベルで中高音に寄ってますね…。斉藤和義さんは歌いやすいアーティストという印象が強いですがそんなこともないと思ったり