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『魔女』(リーガルリリー)の音域

 こんにちは。今回はリーガルリリーの『魔女』(2016)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。


『魔女』(リーガルリリー)
『魔女』(リーガルリリー)の音域







【地声最低音】mid2C(C4) 

hiA[利き]m2G[で] m2C[いた] C{う]そつきC[は]【Aメロ】


【地声最高音】hiF(F5) ※サビで計6回

hiEhiF^-C[こ[わし]たい]よ]【サビ】
hiEhiF^-D[君の[き]らい]な]政治[家]


【裏声最高音】hiG(G5) ※サビで登場

hiG裏hiC地[全][全]部])【サビ】


【補足】hiC~hiEを含むフレーズ一覧

hiEhiDC^^[君の嫌い]な][槌[も]【サビ】
hiEhiDC^[君の嫌い](な][釈]も])
2ChiC裏hiD^[雨[が[降]る] hiD裏C[降]る] 降ぅ2C[る]

 まず、『魔女』についてです。この楽曲は、2016年にロックバンド・リーガルリリーによりリリースされたアルバム『the Post』に収録されています。同曲は、2019年に押見修造さんの同名漫画を原作とした実写映画『惡の華』の挿入歌としてタイアップが付きました。リーガルリリーは同映画に主題歌『ハナヒカリ』も提供しております。


 『魔女』の音域的な特徴についてです。同曲は、女性の音域としては高い(もしくはかなり高い)レンジに歌メロが作られています。低音域に余地があるため、一般的にはキーを下げた方が歌いやすいです。
 今回の楽曲はAメロとサビから歌メロが構成されます。サビについてはhiD~hiF辺りが地声で多く登場し、女性曲としては高いといえます。Aメロはサビよりは低いですが、「低音が多い」というわけではなく、中音域くらいのレンジがよく登場します。最低音についてもmid2Cであり、女性曲としては高めな印象です。こうした点を考慮すると、「中高音域が得意な女性」の方が原キーに合いやすい曲であるといえます。

 男性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから1~2つ程度上げて1オクターブ下を歌唱してみてください。人によっては原曲キーの1オクターブ下のレンジで歌唱することも可能だと考えています。声質などを考えると、明るい声質(例えば少年性のあるような人)などが合うかもしれません。



 最後に『魔女』の音域についてですが、【地声最低音】mid2C(C4)~【地声最高音】hiF(F5)、【裏声最高音】hiG(G5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域と比べ、高い(もしくはかなり高い)です。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid2CはAメロで登場します。この辺りは女性の音域の範囲内ですが、女性曲としては高めの低音です。そのため、中低音が得意な女性だと持ち味を活かしにくいです。

 次に、地声最高音hiFはサビで計6回登場します。このhiFに次ぐ地声高音としては、hiEがピークとなる場面が全体で18回、hiDが4回、hiCが8回登場します。これらはサビで集中して登場し、そこだけを見るとボカロ曲のような声域でもあります。こうした点を考慮すると、女性の音域としてはかなり高く、通常はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから3~5つ程度下げてみてください。


 『魔女』は低音域に余地があるため、キー下げは可能です。歌い慣れた人であればある程度自分が得意とするレンジに調整することができそうです。ただ、今回の楽曲は音域が広めであるため、ビギナーだと一部歌いにくい部分が出てくる可能性があります。
 今回の楽曲はメロやリズムは比較的分かりやすいです。音域がマッチするのであれば練習曲やカラオケにもよいと思います。声質的にはやや明るい少女らしいニュアンスがあるため、そうした声質の人が歌うとマッチしやすいと私は想起させられました。

 『魔女』を原曲キーで歌唱する場合、hiC~hiF(裏声はhiG)といった中高音域がしっかり歌いこなせることが求められます。今回はサビを中心にこれらが多く登場します。サビは女性曲としてはかなり高いですが、間奏が長いため、体力的には少し負担が少ないです。低音も女声としてはやや高めです。
 こうした点を考慮すると、「高音域が得意(or非常に得意)な女性」などが原曲キーに合いやすいと私は考えました。

【まとめ】

①サビがかなり高い。低音もやや高め
②原キーだと「高音域が得意(or非常に得意)な女性」に合いそう
③メロやリズム自体は比較的分かりやすい
④明るい声質の人が合いそう

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コメント

  1. つっちー より:

     リクエストに答えていただきありがとうございます。
     この楽曲は、発散や爆発といった言葉がとても似合うような楽曲であると思います。
     原作は未読ですが、映画では夜の教室を滅茶苦茶にするシーンで挿入歌として使われています。
     「惡の華」が主題としているものは、思春期に特有の、「自分は何処にも行けず、何者にもなれず、空っぽだが、周りの奴らとは一緒にされたくない」といったアイデンティティについての悩みであると思います。
     それに対して、世間体や常識なんか取っ払って、特別になって、あっち側に行きたいと願い、そして、その手段として作中で取り上げられているのが「変態」なのではないかなと思います。
     少し、音楽の話から逸れてしまいましたが、楽曲に関しての話でいうと、この曲は「応援歌」なのではないかなという風に考えています。
     歌詞の中に「頑張れ」なんて言葉は出てきませんが、とにかく「憎悪」や「嫉妬」といった強い感情をそのまま、ぶつけた様な楽曲であり、心の内に「モヤモヤ」や「ドロドロ」なんかを普段から抱えている方に対しては、内に秘めた破壊衝動を代弁して貰うような形で、最高のエールとして届くのではないかなと感じました。
     また、歌唱に関する話では、確かにサビでhiEやhiFといった高音が頻出し、全体的にキーが高いですが、歌えないことはないかなという感じです。
     最近、朝晩の冷え込みが増してきましたので、体調を崩されないように、お体にお気をつけてお過ごしください。
     長文失礼しました。

    • もりっしー より:

      コメントありがとうございます
      『悪の華』いつか読もう読もうと先送りしてたんですが
      「次読む漫画これにしよう」と感じたほど素敵なレビューでした
      ありがとうございます

      個人的にリーガルリリーはサウンド面もですが、歌詞が非常に良くて
      自選曲としてもリストアップしていたのです
      その曲は地声と裏声の区別がしづらく先送りになりましたが、今回記事に出来てよかったです