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『夜明けのうた』(宮本浩次)の音域 [2020年の作品]

こんにちは。今回は宮本浩次さんの『夜明けのうた』(2020)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。


『夜明けのうた』(宮本浩次)、Yoake no Uta(Hiroji Miyamoto)
『夜明けのうた』(宮本浩次)の音域






【地声最低音】mid1D#(D#3) 

★時に悲しみm1D#[に 打]ちひしがれて【Bメロ】  

※登場回数が比較的多いです。【補足】も参照ください

【地声最高音】hiC(C5)  ※曲全体3回

★ああ ようこそこの町m2G#[へ] [わたしの住hiC地[む]hiA#G#[ま]ちへ[ぇ]【Bメロ】
hiC地[あ]hiA#[あ] m2G#[夜明けは]m2G[や]ってくる【サビ】

※このほか、地声hiA#をピークとしたフレーズが1回

【裏声最高音】hiD#(D#5) ※2番サビ

★ああ わhiC裏[た]hiA#[し][た]C[びだ]hiD#hiD[と]う]【2番サビ】

※曲全体で1回

【補足】mid2GhiCを含むフレーズ一覧

m2F[ゆ]め見る人 わたしはそう dreamer m1D#[あ]m1F[したの]旅人さ【Aメロ】
★月m2G#[の夜も 強]m2G[い]m2F[日]差しの[日]も  m1D#[あ]m1F[ゆみ]を止めない

★ふとm2F[忘れたふ]Gm2G#[りし[て][た涙]GG#[が[ほ][ほを]【Bメロ】
★(忘れたふりしてた涙が頬を)hiC裏[つ]hiA#[た]A#[よ]ぉぉ
m1F[でも]町に風が吹き あしm2G#G[た]が]m2F[わたし]を誘いに来る

★悲しみhiC裏[の]hiA#m2G#[向][うに]C[ぃ]【1番サビ】
★ああ わhiC裏[た]hiA#[し][出]hiC[掛]C[よ][う] m1F[わ]たしの好きな町へ
m2G#[会いに]ゆこう わたしの好きな人に

m1D#[あ]あ 町よ 夜明けm2F[がくる]Gm2G#[場[所]よ]【ラスト】
★そしm2G[てわ]m2G#[たしのあ][い]する人の m1F[えが]おに会[え]る町よ

 まず、『夜明けのうた』(よあけのうた)についてです。この楽曲は、エレファントカシマシのボーカルである宮本浩次さんのソロアルバム『宮本、独歩。』(みやもと、どっぽ。)に収められております。同アルバムには、椎名林檎さんとのコラボ曲『獣ゆく細道』(過去記事)や、『ハレルヤ』(過去記事)『冬の花』(過去記事)などの楽曲が収められております。

 『夜明けのうた』はテレビ東京で放送されている経済ドキュメンタリー『ガイアの夜明け』のために書き下ろされました。『ガイアの夜明け』は2003年より放送されておりますが、私自身の記憶では、以前は歌モノのエンディングテーマはなく、宮本さんは初起用になるのではないかと思います。
 ちなみに、「ガイア」とはギリシャ神話に登場する「大地の女神」や「地球」を意味します(TVゲームなどでもお馴染みなのではないかと思います)。番組では「日本経済の再生」に奮闘する人々を取り上げております(テレビ東京のHPより引用)。

 ブログの趣旨とは方向がズレるのですが、私自身この曲が経済番組「ガイアの夜明け」の書き下ろしと知り、色々考えさせられました(否定的な意味ではありません)。同曲では、タイトルにあるように「夜明けへの思い」が歌われております。一方、先日取り上げたVaundyさんの『泣き地蔵』(過去記事)では「経済的な意味を示唆した地獄」が歌われております。
 私自身が凄く好きな1曲にandymoriの『1984』(過去記事)という曲があるのですが、この曲は、私は「親世代の頃にあった熱狂(ボーカル小山田壮平さんの幼少期にあっただろう「勢いのあるロックや日本の経済成長etc」)」が終わり、「5時のサイレン⇒夜」に向かっている様が描かれているようにも解釈しております。このように、「日本の経済」というものへの見方が、世代や時代ごとに異なったり、微妙に変化しているように感じました。


 さて、『夜明けのうた』は3拍子のバンドナンバーです。ピアノやストリングスなども交えられており、全体として優しいメロやサウンドワークになっております。歌メロはAメロBメロサビといった形で作られておりますが、従前のJ-POPと比べ、パートが分かりにくいと思います。2番のサビが終わると、別の新しいメロディーが付加され、楽曲のフィナーレへと向かいます(上の音域表記では【ラスト】としてある部分です)。作詞作曲は宮本浩次さん、編曲は小林武史さんと四家卯大さん(ストリングスアレンジ)によりなされております。


 『夜明けのうた』の声域的な特徴についてです。同曲は、一般的な男性の声域よりも高いレンジで歌メロが作られております。また、音域自体が広く、キー下げなどは行いにくいのではないかと思います。
 『夜明けのうた』はメロディー自体は非常に親しみやすくなっております。ただ、同曲は3拍子で歌メロが作られております。3拍子は舞曲では「ワルツ」ともいわれます。一般的に「日本人は3拍子が苦手」といわれており、この『夜明けのうた』にも、人によってはリズムなどが取りにくく感じられるかもしれません。ちなみに、3拍子のヒット曲としては『千と千尋の神隠し』の主題歌にもなった『いつも何度でも』、ゆずの『雨のち晴ルヤ』、平原綾香さんの『Jupiter』などが挙げられます。



 最後に『夜明けのうた』の音域についてですが、【地声最低音】mid1D#(D#3)~【地声最高音】hiC(C5)、【裏声最高音】hiD#(D#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の声域よりも高いです。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1D#はAメロBメロ等で登場します。登場回数も意外と多いです。このmid1D#辺りになると、低音域が苦手な男性でも少し歌いにくく感じられるかもしれません。また、女声だとかなり低いレンジになります。声の高い男性や女性はキーを上げた方が歌いやすいと思います。

 一方、地声最高音hiCはBメロおよびサビの頭で登場します。回数としては3回と多くはないです。また、同曲はhiCに次ぐ高い音として地声hiA#をピークとしたフレーズが1回だけ登場します(2番サビの直前です)。よって、hiA#やhiCを地声で歌う場面はそこまで多くはありません。ただ、一般的には高いレンジですので、通常、男性はキーを下げた方が歌いやすいです。

 『夜明けのうた』は音域自体が広く、また最低音部の登場回数も比較的多いです。そのため、キーを下げる余地は意外と少ないと私は分析しました。メロディーが全体として美しいのですが、歌い慣れた人向けの作品といえます(慣れた男性でも歌いにくく感じられる場面もあるかもしれません)。

 『夜明けのうた』を原曲キーで歌唱する場合、先にも述べたようにhiC,hiA#などが地声高音域として登場します。ただ、hiC,hiA#辺りは登場回数がそこまで多くなく、全体としてmid2G#辺りが曲全体で多く登場します。原曲とはニュアンスが異なる場面も出てきますが、hiA#以上のフレーズを全て裏声で歌ってもよいかもしれません。原曲に忠実に表現しようとすると、やはりある程度高音域が得意な男性向けの作品となります。逆に高音域が得意すぎると、低音域が歌いにくくなるため、その辺りでも原曲キーの難しさがあるかもしれません。

 『夜明けのうた』については、私自身は宮本浩次さんの歌唱表現が美しく、非常に感銘を受けました。男性としては高いレンジですので、音域的に合う人ばかりではないと思います。ただ、この曲の声域に合いそうな方は、練習曲として強くお奨めしたい1曲です。宮本浩次さんは少年時代は、NHK東京児童合唱団でも活躍されておりましたが、この曲では低音から高音まで非常に丁寧であり、表現の学びが多いです。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。

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