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『A Sky Full of Stars』(大橋卓弥[スキマスイッチ])の音域

こんにちは。今回はのスキマスイッチのボーカル大橋卓弥さん『A Sky Full of Stars』(2022)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。
 なお、『A Sky Full of Stars』は英国のロックバンドColdplayの楽曲をカバーしたものであります。よって、その辺りにも少し触れていこうと思います。

『A Sky Full of Stars』(大橋卓弥[スキマスイッチ])、A Sky Full of Stars(Takuya Ohashi[Sukima Switch])
『A Sky Full of Stars』(大橋卓弥[スキマスイッチ])の音域







【地声最低音】mid1G#(G#3) 

★果てしない星空 君m1G#[は] 心をあげm1G#[よう]【Aメロ】
★果てしない星空 m2D#[き]みは 僕をいざm1G#[なう]


【地声最高音】hiC#(C#5)  ※ラストで1回

m2F#[見つめているぅぅぅ]hiC#地[あ]【ラスト】
※厳密にこだわらなくても良い


【裏声最高音】hiC#(C#5) ※サビで登場

m2F#[見つめている] hiC#[ooh] hiA#hiB[ooh [ooh] ooh] m2G#[ooh] [ooh]【サビ】



【補足】mid2FhiBを含むフレーズ一覧

★たとm2F#[え]引き裂[かれ]m2G#裏[て]m2F[も]【サビ】
★見つm2F#[け]m2G#hiA#裏[出[せ]る] A#[ooh] G#[ooh] hiB[ooh] A#[ooh]

★たとm2F#[え]引き裂[かれ]m2G#地[て]m2F[も]【2回目サビ】
★見つm2F#[け]m2G#hiA#地[出[せ]る] A#[haa] [haa] hiB地[haa] A#[haa]【ラストサビ】



 まず、『A Sky Full of Stars』(ア・スカイ・フル・オブ・スターズ)についてです。この楽曲は、2014年に英国のロックバンドColdplay(コールドプレイ)によりリリースされたシングル作品です(アルバム『Ghost Stories』収録)。その後、同曲は2021~2022年に公開されたアメリカのCGアニメ映画『SING/シング: ネクストステージ』で劇中曲としてカバーされました。今回は後者のカバーのバージョンを取り上げます。

 さて、2016年に初公開された映画『SING/シング』はミュージカル・歌をテーマとした作品であり、洋楽ミュージシャンの既存の楽曲が60曲以上劇中歌として使用されております。こうしたこともあってか、日本語吹き替え版ではMISIAさんや、川口恭吾さん、スキマスイッチの大橋卓弥さんなど声優を本職としないミュージシャンもキャスティングされました。現在公開中の2作目の『SING/シング: ネクストステージ』では、アイナ・ジ・エンドさんや稲葉浩志さんなどが新しく起用され、話題となりました。


 今回取り上げる『A Sky Full of Stars』は、先述の映画『SING/シング: ネクストステージ』でジョニー役を務めるスキマスイッチの大橋卓弥さんがカバーされております。大橋さんは、2016年の『SING/シング』からの起用となり、前作ではエルトン・ジョン(Elton John)の『I’m Still Standing』をカバーされました。

 『A Sky Full of Stars』はEDM/シンセポップであり、原曲のColdplayバージョンでは、高音域では裏声が多用されております。一方、大橋卓弥さんのバージョンでも裏声が使われているのですが、楽曲の終盤では民俗音楽的なアレンジになり、地声を強調した歌唱へと変わります。
 同曲の基本的な歌メロはAメロとサビで構成されており、非常にシンプルです。この曲を初めて聴くという方も、何度か視聴していると自然と口ずさめるようになるのではないかと私自身は感じました。


 『A Sky Full of Stars』の音域的な特徴についてです。同曲は、男性としてはやや高めのレンジで歌メロが作られております(終盤はかなり高くなります)。よって、通常は少しキーを下げた方がよいのではないかと思います。
 ちなみに、音域的には女性が原曲キーで歌唱することも可能です。ただ、同曲は裏声が多く用いられております。そのため、女性が裏声を使いやすいレンジを考えると、通常はキーを上げた方がよいといえます。

 先述しておりますが、オリジナルであるColdplayのバージョンではラストに登場する地声が強調された場面はありません。1番より表現されるボーカルと近いニュアンスで最後まで演奏されます。地声の高音が出にくい人は、このColdplayのバージョンで歌ってみてもよいのではないかと思います。当然、オリジナルは英語で歌詞が書かれているわけですが、テンポがゆったりしているので、そこまでハードルは高くないと思います。原曲のColdplayの方が取っ付きやすいと私は分析しました。



 最後に『A Sky Full of Stars』の音域についてですが、【地声最低音】mid1G#(G#3)~【地声最高音】hiC#(C#5)、【裏声最高音】hiC#(C#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域よりも高めです。ちなみに、原曲のColdplayバージョンは音域が【最低音】mid1F#(F#3)~【地声最高音】mid2G#(G#4),【裏声最高音】hiC#(C#5)です。以下、見ていきます。


 まず、地声最低音mid1G#についてはAメロで登場します。この辺りは一般的な男性の音域の範囲内であり、発声自体はそこまで難しくないと思います。
 一方で、地声最低音mid1G#の男性曲は、高い確率で「キーが高い男性曲」となります。今回の『A Sky Full of Stars』については、大橋さんのバージョンについては、終盤に地声が強調されたサビが登場するので、この傾向が当てはまります。反面、原曲のColdplayバージョンはとなり、そこまで『キーが高い男性曲』とは言い難いです(「やや高め」くらいです)。

 次に、地声最高音hiC#については、ラストで1回だけ登場します。この辺りは、私としては厳密にこだわらなくてもよいのではないかと分析しました。このhiC#を除くと、それに次ぐ高音階としてhiBが登場します。可能であれば、このhiBやhiA#辺りが歌えると、最後が格好良く決まります。一般的な男性の場合、少しキーを下げた方が歌いやすいです。


 『A Sky Full of Stars』は低音域に余裕があり、キー下げなどはしやすいです。歌い慣れた人であれば、自分の得意なレンジに調整することも可能ではないかと思います。
 一方、この楽曲はmid2G#やhiA#あたりで裏声が用いられております。そのため、キーを下げ過ぎると、かえって裏声の高音が出しにくくなるかもしれません。その点がキー調整のジレンマともいえます。よって、同曲はキーを下げても必ずしも歌いやすくなるとは言い難く、練習曲として誰もが使いやすいとは限りません

 先述しておりますが、同曲のオリジナルであるColdplayのバージョンは地声最高音がmid2G#辺りであり、裏声最高音がhiC#です。英語詞で取っ付きにくい部分もありますが、音域的には大橋卓弥さんのバージョンよりColdplayの方がチャレンジしやすいのではないかと私は分析しました。

 『A Sky Full of Stars』は、ラストサビが地声高音が多く、その点で少し難しい部分もあります。それ以外の大部分では、比較的歌いやすい作品といえ、とりわけ「標準的な音域よりも高めの方」、「ある程度高音域が得意な男性」は原曲キーでのチャレンジがしやすいです。興味を持たれた方はチャレンジしてみて下さい。

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コメント

  1. 齋藤 より:

    投稿お疲れ様です!
    Coldplayの原曲をリリース当時散々聴いていたのでsingでスキマの大橋さんがカバーされたのと、このブログで分析してくださったのは非常に嬉しかったです
    この曲はaviciiがプロデュースしたことでも有名ですね

    • もりっしー より:

      コメントありがとうございます。
      私は聴き込んだという程ではないのですが
      大橋さんのバージョンを聴いたときに
      「あっ!」ってなるくらいには耳に残ってます。
      ここ何年かのBUMPはColdplay辺りの影響を感じます。

      確かに故aviciiが関わってますね。今回はカバーということで
      触れませんでしたが、Coldplayメインの記事だったら
      言及するだろうポイントですね。