『センチメートル』(the peggies)の音域：アニメ『彼女、お借りします』OP曲

★m2A[き]みがいhIB–hiA[い]と] A–m2G[言]え]な[い]まま見つ2A[め]てる
★よm2A{ゆ]うの[な]m2F#[い]日々です （デートなんて）【Aメロ】
★デーhiB–hiA[ト]な]m2F#[ん]てじしm2A[ん]がm2G[ない][な]

★会m2A[え]ないm2F#[時間]＋君が笑ったF#[瞬]間【Bメロ】
★割hiA–hiB[る[２]の]このときめm2G#–A[き[と]
★気付いてしまっhiA–m2G[た]ら]さA–G[い]ご]
★hiA#–hiB[わ[らっ]たように見せたm2G[き]み[に]とhiA[ど]くまで【ラストサビ】

　まず、the peggies（ザ・ペギーズ）について少し説明します。the peggiesは2009年に結成され、2017年にメジャーデビューしたロックバンドです。中高一貫女子校の軽音楽部に所属していたメンバーにより結成され、当時は中学2年生だったそうです。高校に進学すると、オリジナル楽曲の制作に取り組み始め、2017年の『ドリーミージャーニー』でメジャーデビューを果たしました。
　the peggiesのジャンルとしてはオルタナティブロック、ポップ・ロックなどに属します。近年はギターサウンドが目立たないバンドも増えてますが、the peggiesについてはギターサウンドを中心としたサウンドアレンジとなっております。メジャーデビュー以降は、映画やアニメなどのタイアップも増えております。人気曲としては、『君のせい』、『足跡』、今回取り上げる『センチメートル』などが知名度が高いです。ストリーミングでは1000万回を超える楽曲なども複数見られ、近年特に勢いのあるガールズバンドの1つだといえます。
　ちなみに、女性シンガーソングライターのラブリーサマーちゃんは中学高校の同級生であり、対バンをしたこともあるそうです。


　さて、『センチメートル』についてです。この楽曲は、2020年にthe peggiesによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、2021年にリリースされた『The GARDEN』に収められております。同アルバムには、『スタンドバイミー』、『足跡』といったシングル曲が収録されております。私自身は、たまたま有線放送で、『スタンドバイミー』を耳にし、印象に残った記憶があります。

　『センチメートル』は宮島礼吏さんの同名漫画を原作としたテレビアニメ『彼女、お借りします』のオープニングテーマとして書き下ろされました。同漫画は、2021年末時点で累計発行部数が1000万部を超える人気のラブコメディーであり、私自身は原作の漫画を拝読しております。そのため、『センチメートル』の歌詞を見ると、原作の場面などが想起されます。
　同曲は、レーベルのYouTube公式チャンネルでミュージックビデオが公開されており、1300万回を超える再生回数を記録しております。再生回数という指標だけで見ると、the peggiesの中でも特に知名度のある楽曲と言えると思います。


　『センチメートル』はアップテンポのバンド曲です。頭サビで歌メロが始まり、AメロBメロサビと展開します。全体的にポップなメロであり、カラオケなどにも合いやすい曲なのではないかと思います。ちなみに、私自身はサビのメロなど一部の音程が取りにくいと感じました。同曲を歌唱する際は、そうした部分も含めて、しっかり聴き込んでおきたいです。作詞作曲はボーカル＆ギターの北澤ゆうほさん、編曲はthe peggiesと江口亮さんの共同でなされております。江口さんはいきものがかりやさユりさん、LiSAさん、ポルノグラフィティなどのアレンジでも知られております。

　『センチメートル』の音域的な特徴についてです。同曲は、女性曲の音域の範囲内（もしくは「やや高め」）で歌メロが作られております。人によっては原曲キーでも歌唱可能だと思いますが、場合によってはキーを下げても良いです。キー下げについては、ある程度融通が利きやすいです。同曲は一部音程が取り辛い場面があるのですが、キー調整などを考慮するとアプローチしやすい楽曲なのではないかと思います。
　ちなみに、男性が同曲を歌唱する場合、原曲キーから４～５つ程度下げる必要があると思います（一般的な男性の場合）。同曲は、アニメの主人公が男性であることを考えると、男性が歌っても良い楽曲なのではないかと思います。


　最後に『センチメートル』の音域についてですが、【地声最低音】mid2A(A3)～【地声最高音】hiC#(C#5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域の範囲内、もしくはやや高めといったところです。以下、見ていきます。

　まず、地声最高音hiC#については、サビで登場します。登場回数は曲全体で8回程度と少なくありません。同曲は、hiB,hiAなどの頻度も意外と多く、高音域が苦手な女性は少し辛く感じられるかもしれません。一般的な女性の中には原曲キーでの歌唱も可能だという人も居られると思いますが、場合によってはキーを下げることも選択肢に入れてください。一つの目安ですが、原曲キーから１～２つ程度下げてみてください（♭１～♭２）。


　『センチメートル』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、自分の得意なレンジに調整することが可能です。また、ビギナー向けの調整も可能だと思いますが、人によっては低音域が少し辛く感じたりすることもあるかもしれません。私自身としては、練習曲としては比較的使いやすいと判断しました。ただ、一部音程やリズムなどが難しい部分がありますので、難しいと感じられた方は他の易しめの曲と並行して練習してください。

　『センチメートル』を原曲キーで歌唱する場合、hiC#,hiBといった音階を安定して歌いこなせる力が求められます。同曲は最高音hiC#以外にも、hiBなどの頻度が高く、意外とスタミナなどが求められる作品なのではないかと感じました。よって、標準的な音域の女性でも可能だと思いますが、「やや高めの音域の女性～ある程度高音域が得意女性」の方が余裕のある歌唱がしやすいと思います。

　『センチメートル』はアニメのオープニング曲ということもあり、カラオケに向きやすいです。一部音程などが取りにくい部分もありますが、キー調整などを考慮すると比較的アプローチしやすい作品です。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。