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『スイートソウル』(キリンジ)の音域 [ 2003年の作品 ]

 こんにちは。今回はキリンジの『スイートソウル』(2003)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。
 なお、『スイートソウル』はアーティストおよびレーベルの公式チャンネルでミュージックビデオや音源が公開されておりません。よって、当ブログでも動画の添付はありません(ストリーミングなどでは配信されております)。


『スイートソウル』(キリンジ)、Sweet Soul(Kirinji)
『スイートソウル』(キリンジ)の音域






【地声最低音】mid1C#(C#3) 

m1C#[真]夜中が今 そm2D[の]目を覚ます 月はm2E[し]ずかに【Aメロ】

※厳密にこだわらなくてもよい。この場面を除くと、mid1F#が低音

【地声最高音】mid2F#(F#4)  

m2D[コ][ル]m2E[タ]ールの地平のうm2F#地E[え]で]【Bメロ】
★溢れm2E出[す] hiBhiA[あ]ぁ] m2G#A[お[も][い]m2F#地[に]【サビ】
★(ハレルヤ!) 迷えるm2F#地m2E[た]ましい[が]


【裏声最高音】hiC#(C#5) ※サビで登場

★(風邪の止み間に) hiBhiA[あ]ぁ] hiC#B[あ]ぁ]ぁ]【サビ】


【補足】mid2D(一部のみ)hiBを含むフレーズ一覧

★遠い日のm2E[せ]んろのように煌めく 【Aメロ】

hiA裏[目]m2E[を]閉じ 君といm2F#裏[の]E地[れ]【サビ】
★(あぁ あぁ)遠m2D[く][え]るさ

m2F#hiA[そ[れ][け]で]hiBm2G#[な]に][も]【ラストサビ】
m2E[何もい]m2F#hiA[ら[ない] あぁ君と僕に

※アウトロで登場するフェイクの最高音はhiD


 まず、『スイートソウル』についてです。この楽曲は、2003年に音楽ユニット・キリンジによりリリースされたシングル作品です(厳密にはEP作品)。アルバムとしては、同じ年の『For Beautiful Human Life』に収められております。同曲には、『カメレオンガール』、『愛のCoda』といったシングル曲が収められております。私自身は、『the echo』という作品も好きです。その中で、『スイートソウル』はアルバムの中では、最後の曲としてに収められております。

 『スイートソウル』はゆったりとした穏やかなバンド曲です。バンドとしても人気のシングル曲であり、耳馴染みしやすいメロディーです。個人的には、夜のコンビニをモチーフとしたシングルのジャケットなども歌詞の世界観とマッチしているように感じます。私自身は休日前の夜に聴きたい曲です。2021年にネットニュースサイトのねとらぼで行われてた人気曲調査では、『Drifter』、『エイリアンズ』に次いで3位にランクインしました(引用元)。作詞作曲は堀込泰行さん、編曲はキリンジと冨田恵一さんによりなされております。

 『スイートソウル』の音域的な特徴についてです。同曲は、地声については大よそ一般的な男性の音域で作られております。サビでは裏声が多用されているため、器用な発声が要求されます。普通の男性でも取っ付きやすいレンジですが、私は音域以上に難易度の高さを感じました。
 ちなみに、同曲は低音域が上図で示すよりもずっと高く、女性が原曲キーで歌唱することも可能です。個人的な印象ですが、堀込泰行さんの声質を考慮すると、女性の方が合いやすいかもしれません(ただ、女性だと原曲のような裏声は使いにくいと推測します)。


 最後に『スイートソウル』の音域についてですが、【地声最低音】mid1C#(C#3)~【地声最高音】mid2F#(F#4)、【裏声最高音】hiC#(C#5)で歌ロディーが構成されております。地声レンジについては、一般的な男性の音域の範囲内です。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1C#についてはAメロで登場します。ただ、このmid1C#については、歌い出しの瞬間的な音ですので、厳密にこだわらなくてもよいのではないかと私自身は感じました。最低音をmid1F#辺りにおいても違和感は少ないといえます。
 同曲は、必要不可欠な低音がmid1F#ということもあり、女性が原曲キーで歌唱することも可能です(女性の得意な声域などを考慮するとキーを上げた方がより良い)

 次に、地声最高音mid2F#についてはBメロやサビで登場します。この辺りは一般的な男性の音域の範囲内です。ただ、歌い慣れていない人などはスムーズな発声が損なわれやすいですので注意してください。高音域が苦手な方はキーを下げてもよいと思います。私なりの分析ですが、一般的な男性はmid2F#は裏声で統一した方がより原曲の穏やかさが表現できるのではないかと思います(一般的な男性だと、地声mid2F#だとかなり声を張る必要があるため)。


 『スイートソウル』は低音域に余地があり、キー下げなどはしやすいです。ただ、同曲はサビを中心に裏声が多用されており、また裏声と地声の往来も激しいです。そのため、歌い慣れた人向けの楽曲であり、器用な発声が求められます。そのため、地声音域以上に難易度の高い作品ではないかと感じました。

 『スイートソウル』を原曲キーで歌唱する場合、mid2F#~hiC#といった裏声の歌唱が必要不可欠となります。また、mid2Eなどの音階の発声も柔らかめであります。私個人の印象ですが、「標準よりやや高め~(ある程度)高音域が得意な男性」などが合いやすいのではないかと判断しました。

 『スイートソウル』は落ち着いた大人向けのポップであり、カラオケで盛り上がる類の曲ではないと思います。ただ、個人的には、こういった穏やかな歌いこなせるというのもカッコいいのではないかと感じます。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。

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コメント

  1. 名無しA より:

    ありがとうございました。裏声をとにかく出す練習にもなりそうな曲です。兄高樹さん曲の「愛のcoda」と迷いましたが、「スイートソウル」の方が歌い上げる感じですね。

    • もりっしー より:

      名無しAさんありがとうございます。
      個人的にも好きな曲なので、紹介できて良かったです。
      『愛のCoda』もいいですよね。今の時季にも合いそうです。