ちなみに、今回は、リクエストからあまり期間を取らずに記事にできました(普段はリスエストから時間が空くことも多い)。これは私のスケジュールや音域調査の行いやすさなどを鑑みて、今回の『ニシエヒガシエ』は「かなり調査・記事にしやすい」と判断しました。(同曲は歌メロがAメロ[Bメロ]サビでほぼ完結する)。
『ニシエヒガシエ』(Mr.Children)、Nishi e Higashi e(Mr.Children)
【地声最低音】mid1F(F3)
★また 君の中m2D[の]常識が揺らいD[で]いる m1F[Ha] ha【Aメロ】
★当たり前のものとして 受け入m2D[れ]m1F[るん]だ
【地声最高音】mdi2G(G4) ※サビを中心に高頻度
☆m2F–m2G[張[り]付[け]の刑になったって【サビ】
★(明日を担って 風にまたがって) Ah ha ha m2F–m2G[ニ[シエ]ヒ[ガシエ]【ラストサビ】
※☆のフレーズはm2Gが安定していれば、そこまで厳密でなくてもよい
まず、『ニシエヒガシエ』についてです。この楽曲は、1998年に4人組ロックバンドMr.Childrenによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、翌年にリリースされた『DISCOVERY』(ディスカバリー)に収められております。同アルバムには、『光の射す方へ』や『終わりなき旅』(過去記事)といったシングル曲が収められております。同アルバムは、200万枚の出荷枚数を記録し、180万枚以上のCDセールスを記録しました。
『ニシエヒガシエ』は、郷田マモラさんの同名漫画を原作としたドラマ『きらきらひかる』の主題歌として起用されました。リリースした当時、ミスチルは主だった活動を休止していたこともあり、覆面バンドでの発表も考えられていたようです。こうした経緯から、音楽番組などで披露されることも無く、本格的な活動再開は次回作の『終わりなき旅』以降になりました。
『ニシエヒガシエ』はアップテンポのロックチューンです。イントロのリフなどが非常に耳を惹きます。また、2番終了後の間奏が1分近くあり、演奏時間も5分弱です。こうした長い間奏や演奏時間は最近のJ-POPシーンなどとはやや異なる面かもしれません。
歌メロについてはAメロ(Bメロ)サビといった形で作られており、全体的にシンプルです。当時、ミスチルはロック色の強い作風でアルバムなどが制作されておりましたが、それが顕著に表れたシングル曲の1つではないかと私は感じます。
『ニシエヒガシエ』の音域的な特徴についてです。同曲は、一般的な男性の音域よりもやや高めのレンジで歌メロが作られております。そのため、地声最高音mid2Gですが、キーを下げるのもよいと思います。キー調整の融通は利きやすいです。
ちなみに、同曲は音域的には女性が原曲キーで歌唱することも可能です。ただ、女性の得意なレンジなどを考慮すると、通常はキー上げを推奨します。
最後に『ニシエヒガシエ』の音域についてですが、【地声最低音】mid1F(F3)~【地声最高音】mdi2G(G4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域の範囲内(もしくはやや高め)です。以下、見ていきます。
まず、地声最低音mid1FについてはAメロで登場します。この辺りは一般的な男性の音域の範囲内で、発声自体もそこまで難しくはないと思います。男性曲の最低音としてはやや高めですので、女性が原曲キーで歌唱することも可能です。ただ女性の場合、通常はキーを上げた方が歌いやすく、原キーだと「低音寄りの女性向け」だといえます。
一方、地声最高音mid2Gはサビを中心に登場します。登場回数は15回前後と多いです。この辺りは一般的な男性の音域の範囲内です。ただ、mid2Fとmid2Gが頻出するため、感覚的には「一般的な男性よりもやや高め」といったところではないかと想像されます。一般的にはキーを下げても良いのではないかと私は感じました。キーを下げる場合は、原曲キーから1~2つ程度下げてみてください。
『ニシエヒガシエ』は低音域に余地があり、キー下げなどはしやすいです。音域自体もそこまで広くないため、歌い慣れた人はもちろんですが、ビギナー向けのキー調整なども可能なのではないかと思います。
ただ、楽曲などを聴いても分かりますが、エッジの効いたボーカルなどは慣れていないと上手く表現しにくいと思います。原曲のような歌唱表現をするためには力量が求められます。
『ニシエヒガシエ』は、この頃のミスチルのシングルとしては、音域が広くなく、メロの展開も複雑ではありません。そのため、キー調整も考慮すると、比較的取っつきやすいのではないかと思います。『innocent world』(過去記事)や『名もなき詩』(過去記事)といった人気曲ほどの知名度はありませんが、個人的にはお奨めしやすいミスチルのシングル曲の1つだと感じました。ロック色の強いサウンドアレンジもよいです。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。