『漂流劇団』( ズーカラデル ) の音域

　まず、『漂流劇団』（ひょうりゅうげきだん）についてです。この楽曲は、2018年に3人組ロックバンドズーカラデルによりリリースされたアルバム『夢が醒めたら』に初収録されました。アルバムのリード曲として、ミュージックビデオも制作・公開されております。同アルバムの『パーティーを抜け出して』は、ゲストボーカルとしてFINLANDSの塩入冬湖さんが参加されております。

　さて、『漂流劇団』はアップテンポのバンド曲です。全体的に元気よく、歌メロはAメロBメロサビと展開します。ズーカラデルの多くの楽曲に言えるのですが、私個人としては歌詞も非常に耳に残る作品です。とりわけ2番Bメロの「今からこの世界が優しく変わらないかな　嫌いなあんたがいつか幸せになれますように」というフレーズが強く印象に残りました。


　『漂流劇団』の音域的な特徴についてです。同曲は、男性曲としては（やや）高めのレンジで歌メロが作られております。低音域に若干余地があるため、通常はキーを下げた方が歌いやすそうです。
　ちなみに、同曲はAメロでmid1C～mid1Dあたりが登場するため、女性が原曲キーで歌唱するのはかなり難しいです。女性の場合は、通常はキー上げを推奨します。



　最後に『漂流劇団』の音域についてですが、【地声最低音】mid1C(C3)～【地声最高音】hiA(A4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域よりも高めです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1Cについては、Aメロを中心に登場します。この辺りは男性の音域の範囲内ですが、低音感があり、人によっては歌いにくいかもしれません。また、女性にとっては相当低く、発声が難しいレンジです。「女性」や「高音域が非常に得意な男性」は、キーを上げた方が良いのではないかと私は分析しました。

　次に地声最高音hiAについてはサビで登場します。登場回数は8回（各サビ2回）です。この辺りは男性の音域としては高めですので、一般的な男性はキーを下げた方が良さそうです。一つの目安ですが、原曲キーから１～２つ程度下げてみてください。


　『漂流劇団』は低音域に少しだけ余地があり、キー下げは可能です。ただ、音域自体が広めの作品ですので、人によっては歌いにくい部分が出てくるかもしれません。メロディーは全体的に親しみやすいのですが、音域の広さという点では、若干取っ付きにくい楽曲と私は分析しました。

　『漂流劇団』を原曲キーで歌唱する場合、hiAなどの高音域を歌いこなせる力が求められます。また、Bメロサビではmid2E～mdi2F辺りの頻度も高いです。中高音域の安定が不可欠です。よって、「標準よりやや高め～ある程度高音域が得意な男性」などが原曲キーに合いやすそうです。先述のように、女性や高音域が非常に得意な男性はキーを上げた方が歌いやすいと思います。


　『漂流劇団』はノリの良いバンド曲であり、個人的には歌詞も非常に好きです。音域は広いですが、歌メロも親しみやすく、カラオケにも向きそうです。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。