『さくらんぼ』( 大塚愛 ) の 音域

　まず、『さくらんぼ』についてです。この楽曲は、２００３年に女性シンガーソングライターの大塚愛さんによりリリースされたシングル作品です。作詞作曲は大塚愛さん、編曲は大塚さんとIkomanさん、水江洋一郎さんによりなされました。
　同曲はアルバムとしては、２００４年にリリースされた『LOVE PUNCH』（ラヴ・ポンチ）に初収録されました。同アルバムには、今回の『さくらんぼ』はじめ、『桃ノ花ビラ』、『甘えんぼ』といったシングルが収められております。シングルのヒットも相まって、アルバムは70万枚近いCDセールスを記録し、日本レコード協会よりトリプル・プラチナ認定がなされました。


　さて、『さくらんぼ』は大塚愛さんのデビュー2枚目のシングルであり、この曲でブレイクを果たしました。同曲はCDとしては50万枚のセールスを記録し、大塚さんはこの曲で２００４年のNHK紅白歌合戦に初出場を果たします。大塚さんはヒットの多いソングライターですが、その中でも代表的な1曲の1つに挙げられると思います。また、近年は歌い手の96猫さんのカバーや、Tik tokでの再ヒットなどもあり、若い音楽ファンにも知られ始めているようです。
　ちなみに、２０００年代前半頃は、CDセールスが減少し、携帯電話の着うた・PC配信などダウンロードの販売が増えている時期でもありました。そうしたこともあり、『さくらんぼ』は着うた部門では１００万ダウンロードを記録、配信でも５０万ダウンロードを記録するなどCD以外でのヒットも達成しました（ランキングデータブログBillion Hitsより引用）。


　『さくらんぼ』の音域的な特徴についてです。同曲は、一般的な女性の音域の範囲内で歌メロが作られております。ただ、一般的な女性の場合は、通常は少しキーを下げた方が歌いやすいのではないかと私は推測しました。

　同曲は地声最高音はhiCであり、女性曲としては標準的です。ただ、同曲は最高音に次ぐ高音としてはhiBが全体で40回以上も登場します。歌メロも全体でみると中高音寄りであり、標準的な音域の女性が1曲歌っていると体力的にしんどくなりやすいです。地声最高音hiCの曲としては高音が大変な曲だといえ、見た目の音域以上に原キーでの難易度が高いです。。

　ちなみに、同曲を男性がカバーする場合、通常は少しキーを下げた方が歌いやすいです。同曲は地声最高音がhiCであり、高音域が得意な男性だと原曲キーでも歌えなくもないかもしれません。ただ、1コーラスもしくは1曲通して歌うのはかなり大変なのではないかと思います。高音域が得意な男性でもキー下げをおススメします。



　最後に『さくらんぼ』の音域についてですが、【地声最低音】mid2A(A3)～【地声最高音】hiC(C5)、【裏声最高音】hiD(D5)で歌メロディーが構成されております。一般的な女性の音域としては、やや高めです。以下、見ていきます。

　まず、地声最高音hiCはサビで登場します。登場回数は6回程度です。このhiCに次ぐ高音としてはhiBをピークとする場面が非常多く、曲全体で40回以上見られます。そのため、最高音hiCの楽曲としては体感的に高く、通常は少しキーを下げた方が歌いやすいのではないかと私は推測しました。一つの目安ですが、原曲キーから１～２つ程度下げてみてください。


　『さくらんぼ』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。そのため、歌い慣れた人であれば、ある程度自分が得意なレンジに調整することができると思います。また、全体的に中高音が多いため、ビギナー向けの調整も可能なのではないかと私は推測しました。ただ、もしキーを調整しても難しいと感じた場合は、別の易しめの曲と並行して練習してください。
　『さくらんぼ』はスカ調のバンド曲であり、全体を通して元気がいい作品です。そのため、カラオケなどでも楽しく歌えると思います。反面、歌メロが若干速い場面があるので、歌詞などもある程度覚えておいた方が良いと思います。

　『さくらんぼ』を原曲キーで歌唱する場合、mid2G～hiCといった地声高音をしっかり歌いこなせることが求められます。今回は全体的に中高音寄りであり、hiA,hiBといったレンジが超頻出です。そのため、地声最高音hiCの楽曲としては高く感じやすく、スタミナも求められます。これらを踏まえると、「標準よりやや高め～高音域が得意な女性」が原曲キーに合いやすいと私は判断しました。


　『さくらんぼ』はアッパーなバンド曲であり、カラオケなどでも歌いやすいと思います。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。