『イージュー★ライダー』( 奥田民生 ) の 音域

　まず、『イージュー★ライダー』についてです。この楽曲は、１９９６年に男性シンガーソングライターの奥田民生さんによりリリースされたシングル作品です。アルバムとしては、１９９８年の『股旅』に初収録されました。アルバムには、『恋のかけら』、『さすらい』(過去記事)といったシングル曲が収められております。アルバムは出荷ベースで４０万枚を超えるヒットとなり、日本レコード協会よりプラチナ認定がなされました。

　さて、『イージュー★ライダー』はアッパーなバンド曲で、リリース当時は自動車のCMソングとしてタイアップが付きました。楽曲の質も相まって、同曲は５０万枚を超えるヒットを記録、２０１４年には配信での売上も１０万ダウンロードを記録しました。最近でもCMのタイアップが付くなど、長らく愛され続けております。奥田民生さんのソロ作品の代表的な１曲だといえます。


　『イージュー★ライダー』の音域的な特徴についてです。同曲は男性の音域の範囲内、もしくはやや高めのレンジで歌メロが作られております。一般的な男性は少しキーを下げた方が歌いやすいと思います。
　同曲は最高音はmid2G#ですが、楽曲全体を通してmid2F#,mid2Eといった中高音が登場します。そのため、最高音こそ高くないものの中高音が多く、高音感を感じやすいかもしれません。ただ、サビはmid2Eが高音の中心となり、AメロBメロよりは低めです。そうした点も踏まえて、ペース調整などを考えたいところです。

　ちなみに、女性が同曲を歌唱する場合、通常はキーを上げた方が歌いやすいです。今回は低音域ではmid1E,mid1F#辺りが多く、女性だと原キーで歌いにくいのではないかと推測されます。



　最後に『イージュー★ライダー』の音域についてですが、【地声最低音】mid1C#(C#3)～【地声最高音】mid2G#(G#4)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域の範囲内、もしくはやや高めです。以下、見ていきます。

　まず、地声最低音mid1C#はAメロで登場します。このmid1C#は歌い出しの瞬間的な音であり、あまり厳密にこだわらなくてもよいと思います。低音域は大体mid1E辺りがしっかり歌えると形になりやすいです。高音域が非常に得意な男性だと若干低く感じるかもしれません。

　次に、地声最高音mid2G#はBメロで登場します。登場回数は２回程度です。このmid2G#に次ぐ高音階としては、mid2F#がAメロやBメロに複数回みられます。今回はmid2G#辺りが登場し、mid2F#も比較的多いですので、一般的には少しキーを下げた方が歌いやすいのではないかと私は推測しました。一つの目安ですが、原曲キーから１～２つ程度下げてみてください。
　一方、同曲は、最近のJ-POP男性曲と比べると、高音域は滅茶苦茶には辛くありません。そのため、原曲キーで歌えるという人も結構多いかもしれません。その辺りは各々実際に歌唱してみてください。


　『イージュー★ライダー』は低音域に余地があり、キー下げは可能です。今回は体感的な音域はそこまで広くないため、キー調整の融通は利きやすい方だと思います。若干歌いにくい部分もあるかもしれませんが、ビギナー向けの調整も許容できるのではないかと私は推測しております。
　ただ、奥田民生さんは比較的クセのある抑揚で歌われております（最近だとマカロニえんぴつのはっとりさんなどは、影響を受けているのではないかと私は推測しています）。そのため、原曲のようなニュアンスで歌うためには、しっかりとした練習が不可欠になります。その辺りは留意しておいてください。

　『イージュー★ライダー』を原曲キーで歌唱する場合、mid2E～mid2G#といった中高音域をしっかり歌いこなせる力が求められます。今回はmid2E～mid2F#辺りが比較的多くみられます（サビはmid2Eがピーク）。
　こうしたことを踏まえると、「標準～ある程度高音域が得意な男性」などが原曲キーにマッチしやすいと私は判断しました。今回は低音がそこまで低くないため、「ある程度高音域が得意な男性」なども原キーで歌いやすいのではないかと思います。。


　『イージュー★ライダー』はノリの良いバンド曲であり、カラオケでも歌いやすいと思います。個人的には歌詞も非常に耳に残った作品です。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。