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『カオスが極まる』(UNISON SQUARE GARDEN)の音域

こんにちは。今回はUNISON SQUARE GARDENの『カオスが極まる』(2022)を取り上げたいと思います。よろしくお願いします。今回はリクエストによる選曲です。


『カオスが極まる』(UNISON SQUARE GARDEN)、Chaos ga Kiwamaru(UNISON SQUARE GARDEN)
『カオスが極まる』(UNISON SQUARE GARDEN)の音域






【地声最低音】mid1E(E3) ※ラストで1回だけ

★さm1G[ん]美歌は美化しがたいbecome right?【Aメロ】
m1F[去っ]た栄光の日に 希望があったm2F[日]【Bメロ】
hiAm2G[か]つ]てない[デッドヒー]ト 極[まっ]てしまっm1E[た]【ラスト】

※低音域は男性曲としては高い


【地声最高音】hiC(C5) ※全体で3回程度

★あがけるだhiA[けあ]がいAhiBhiC[た[ら[いい]【サビ】


※hiC以外では、hiBがピークとなる場面が25回とかなり多い


【補足】mid2G(一部略)hiBを含むフレーズ一覧

hiA[Check] it! My foot or BP[M]m2F【Aメロ】
★どっちm2F[でもいいから]hiAm2G#[証]明]してくれ
★あm2F[た][が]m2G-hiA[い[て]えよ[な]

★もhiAm2G[どりたく]なっ][なん]て 寝hiA#-A[てん]の]ぉかA#[よ]【Bメロ】
m2F[足りない 足りない] 足り[ない]
★抉られm2G-hiA[るく[らい]わけ[ないA[ぜ] hiA#[き]み]はどう]

★楽園はちm2F#[か]いぞ hiBhiAm2G[ぶ][ち][まし]てくれ]【サビ】
★見m2F#-m2G([た[こ][が]hiA[な]け]りゃないほどドラマA[チッ]クだ]
m2G-hiAhiB[い[き[も]できないく[らい]
★邪魔だ hiA-hiB[すっ[こん]で][ろ]m2G
★着hiA-hiB[地は[もう]どうA-B[でも[いい] [き]みはどうだ?
hiAm2G[どうにも擦り切れて]き][みA[た]いだ【2番Bメロ】
★振り抜けm2GhiAhiA#[ざ[つ[音に]飲ま]れ]ちゃう[前]
★慣れm2G-hiA[ちゃえ[ば][気持A[ちいい]
★画すべき一hiA[線][越え]hiB[らくえ]ん][ちB[かい]【Dメロ】

 まず、『カオスが極まる』についてです。この楽曲は、2022年に3人組ロックバンドUNISON SQUARE GARDENによりリリースされたシングル作品です。CDシングルとしてもリリースされましたが、最新作のため、2022年12月現在アルバムには未収録です。同曲は、後述のアニメのタイアップということもあって、リリース前にライブで披露されたことあったようです。

 さて、『カオスが極まる』は週刊少年マガジンで連載中の同名漫画を原作としたテレビアニメ『ブルーロック』のために書き下ろされました。『ブルーロック』は10月時点で、1300万部を超える人気のサッカー漫画であり、とりわけFW(フォワード)のポジションについて描かれております。最近はW杯の時期ということもあり、サッカーが非常に盛り上がっておりますが、日本代表の三笘薫選手を起用したコラボCMを私自身もよく目にします。
 ちなみに、今回の楽曲はアニメサイドからの「ぐちゃぐちゃした感じ」との要望があった(ナタリーより引用そうです。歌いにくそうなメロディーは、タイトルの『カオスが極まる』という点を示しているのではないかと私は感じました。


 『カオスが極まる』の音域的な特徴についてです。同曲は男性曲の音域としてはかなり高いレンジで歌メロが作られております。そのため、通常はキーを下げた方が歌いやすいと思います。
 UNISON SQUARE GARDENの楽曲は、音域は広くなく、全体的に高音寄りで、低音はきつくない印象です。今回の『カオスが極まる』もそうした特徴を備えております。ただ、「高音寄りだけど、音域が広くない」ということは「高音の頻度が非常に高い」ということであり、原曲キーで歌唱するのは非常にスタミナが求められそうです。
 同曲は全体的に高音寄りで低音が高くない分、女性が原曲キーで歌唱することも可能です。一部少し低い部分もありますが、私個人としては、男性よりもむしろ女性の方が歌いやすい楽曲なのではないかと強く感じます(ユニゾンの楽曲を取り上げるときはいつも言ってる気がします)。



 最後に『カオスが極まる』の音域についてですが、【地声最低音】mid1E(E3)~【地声最高音】hiC(C5)で歌メロディーが構成されております。一般的な男性の音域と比べ、かなり高いです。以下、見ていきます。

 まず、地声最低音mid1Eについてはラストで1回だけ登場します。この場面以外ではmid1F辺りが低いです。ただ、全体でみるとmid2A以下の音階はそこまで多くないです。
 同曲は低音域が比較的高い分、女性が原曲キーで歌唱することも可能です(最低音mid1Eを発声するのは少し大変かもですが)。人によってはキーを上下させる必要がありますが、男性よりもむしろ女性の方が歌いやすいのではないかと私は推測しております。

 次に、地声最高音hiCはサビで登場します。登場回数は3回程度と多くはありません。ただ、同曲はhiBの登場頻度が25回前後とかなり多く、男性曲としてはかなり高音感もあります。また、ユニゾンらしい速く、息継ぎしにくい歌メロも難易度を上げます。そのため、一般的な男性はキーを下げた方が歌いやすいです。一つの目安ですが、原曲キーから3つ程度下げてみてください(これでも少し高いかもです)。


 『カオスが極まる』は上図が示すよりもずっと低音域に余地があり、キー下げは可能です。歌い慣れた人であれば、ある程度自分が得意なレンジに調整することができそうです。
 一方で、同曲は歌メロ自体がかなり速く、また息継ぎもしにくい場面があります。更に、今回は転調や変拍子が用いられるなど、音程やリズムが非常にとりづらいです。その点で、いつものユニゾンの曲以上に複雑で難易度が高いのではないかと私自身は感じました。

 『カオスが極まる』を原曲キーで歌唱する場合、高音域については、mid2G~hiCといったレンジをしっかり歌いこなせる力が求められます。同曲は、AメロBメロ辺りからhiAを含むフレーズが当たり前のように登場するため、男性曲としては相当高く、体力的にもかなりしんどい曲です。そのため、「高音域が非常に得意な男性」、「標準よりやや低め~一般的な音域の女性」などが原曲キーに合いやすいと私は判断しました。
 同曲は、歌メロが速く、息継ぎがしにくい楽曲です。また、リズムや音程が取りにくい場面もあり、音域面以外でも難しい要素が多いです。そのため、楽曲をしっかり聴き込んで、歌詞なども諳(そら)んじることができるようにしておく必要がありそうです。歌い慣れた人であっても大変な楽曲ですので、最初はテンポを落として練習するのもよいと思います。

 『カオスが極まる』はアッパーなバンド曲で、カラオケでも歌いやすいと思います。難しい要素も多いですが、歌いこなせると達成感がありそうです。興味を持たれた方はチャレンジしてみてください。

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